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道標ない旅-6

 美弥と早樹は一緒に下校していた。妙に楽しそうな早樹を見て、美弥は、

「どうだった?」と訊ねた。

「うん、けっこう、おもしろかったよ」

「よかった、気に入ってくれて」

「ねぇ、美弥ちゃんは、いつから五十六君と一緒なの?」

「なに、それ?」

「だって、ずいぶん仲がいいじゃない。小学校のときから一緒なの?」

「あいつとは、幼稚園のときから一緒なのよ」

「わぁー、幼なじみなのね」

「くされ縁ってとこかな」

「そういうのって、案外恋愛感情に育たないものなのよね」

「な、なに、なんのこと?」

「なんとなく、兄弟みたいで、異性の友達みたいな…」

「早樹ちゃん、なに言ってるの?」

「あたしね、正直に言うと、五十六君が目当てなの」

「え?」

「コンピューターなんてよくわかんないけど、五十六君が目当てで入会しようかなって思ってるんだけど、いい?」

「いいも、なにも、そんなの、あたしに関係ないわ」

「でも、ふざけてたら、ぶたれちゃう」

「あれは、五十六だけ」

「昔からなのね」

「そうよ、昔っから、ケンカばっかりしてたの。ずっとあたしの方が勝ってるけど」

「でも、悪い人じゃないわ」

「ま、まぁね」

「いい人」

「早樹ちゃん、おかしいんじゃないの?あいつが、いい人だなんて」

「そう?でもね、美弥ちゃん、美弥ちゃんの知らない五十六君もいるってこと、わかってる?」

「え?」

「少なくともあたしは、美弥ちゃんの知らない五十六君のこと、知ってる。だから、好きなの」

「好き、だなんて、早樹ちゃん、かわいいのに」

「かわいい、かな、あたし?」

「うん」

「よかった。じゃあ、大丈夫かな。どうしても、バレーボールなんかやってると、だんだん荒っぽくなってるような気がしててね、テニス部にでもしとけばよかったと思ってたんだけど、よかった」

「…い、五十六となにかあったの?」

「ヒ・ミ・ツ」

「え」

「ナ・イ・シ・ョ。だって、話したら、取られちゃうかもしれないもん」

「取ったりなんかしないわよ、あんなやつ。でも、もっと、よく知ってからのほうがいいわよ」

「ん、もちろん。でも、あたしの気持ちは変わらないわ、きっと」


 ニコニコと微笑む早樹とは対照的に美弥の表情からは笑みが消えていた。しかし、早樹はそれに気づかなかった。


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