1件目 異世界初訪問
1件目
ここはローゼスの町、王都に隣接するそこそこ大きな町で、
今は経済が発展して勢いの有る町として活気付いている。
俺は今この町で電気屋として働いている、そもそも何故異世界で電気屋なんかしているのか。
「ふ〜、今日も疲れたな〜、明日もまだ案件が沢山有るし今日はもう帰るか。」
俺の名前は関谷伸秋、今年30に成る、仕事は町の電気屋さんで家電の取付や修理や納品をしたり、後は便利屋みたいに頼まれれば色々な事をやっている。
高校を卒業して直ぐに今の仕事についたからもうそれなりには仕事も出来るようになった。
今日の分の案件をこなしたので今から道具を片付けて家に帰る所だ。
「さて、後は倉庫に道具を戻して終了だな。」
自分の道具を持って倉庫の扉を開け、倉庫の中に入るとそこはいつもと違い町の中でした。
「は?、なんだここ?」
わけもわからず後ろを振り返ると入ってきた扉も無くなっていた。
「なんだこれ?わけわかんね〜!」
いきなり知らない町にいる、わけがわからず佇んでいたら1人の女が話しかけて来た。
「あのーすいません?見たところ技師さんのようですが、お願いしたい事があるのですが。」
見た感じかなり可愛い子だ、二十代中頃だろうか、長くて赤い髪に狐の様な耳がついててそれがまた可愛いって、ケモミミ!!?
「あのー、私の話し聞いてます?」
思考が追いつかなくてフリーズしてしまった。
「ごめん、ぼーっとしてた、自分の今の状況から混乱しててね。」
「混乱ですか?」
「ああ、それは後でいいや、それよりお願いって何?」
とりあえず状況把握は後にして頼み事を聞くことにした。
「実はですね、家の明かりが消えてしまって困ってまして、技師さんにお願いする様な事では無いのですが、私ではどうすればいいか分からなくて。」
話しを聞く限り照明の不具合の様だな、まあそんなに大したことない様だし見に行くか。
「いいよ、丁度道具も有るし見に行くよ。」
「いいんですか?ありがとうございます。」
そう言った女の子は嬉しそうな顔で頭を下げて来た。
「じゃあ私の家に案内しますね。」
「了解、そういえば君の名前は?俺は関谷信秋。」
「関谷さんですね、珍しい名前ですね、私はココネです。」
そう言って笑顔で自己紹介をしてくれたココネはとても可愛くてお世辞抜きで美人だった。