表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
8章 発展
99/177

ケイサイド20

長かった……漸くだ。


漸く()()の報告が来た。


今俺は休みを貰ってその場所に来ている。


「お、来たか。これが完成品だ」


彼の名前はシャージ。


細工師をしているのだ。


まあ正確に言えば複合細工師で彫刻とか石工とか色々出来るんだけどね。


そして彼にはあるものを頼んでいた。


それが目の前にある金貨銀貨等の山。


「これは凄いな……これ全部が精巧に作られているのか?」


「ああ、一般人が到底真似出来ないだろうな。まあ将来どうなるかは知らないが」


「ありがとう、じゃあとりあえず金銭の追加による制度の話し合いをして、それが詳しく決まったら回収しに来るよ」


「了解だ」


そう言って俺は走って戻って行った。


そう、この会話から分かるように遂にお金をこの世界に導入するのだ!


長かった……本当に長かった。


かなり前から頼んでいたんだけどプレイヤーの数的にかなりの量が必要だったからね。


あー、漸くだ。


漸くこれを導入する事で今まで蔑ろにされていた人達が報われる。


例えばアイドルとかは仕事には入らない事で、仕事制度があった事から活動が出来ない人が多かったんだ。


しかし、このアイドルも仕事制度を無くす事により、歌を歌ってお金を貰ったりといった職業の自由が約束される!


そして最後に、これで俺の自由時間が増える。


俺は基本的に穴埋めみたいな役割で、基本的には大忙しな訳だ。


だから……シムを救いに行く時間が無かった。


勿論人数の確保とかも必要だったんだけど、時間が無かったのが一番の要因だと思う。


でもこれである程度時間を稼げれば……うん。


この世界に来たばかりの俺だったら多分無鉄砲に飛び出してただろうな。


とはいえこの怒りは変わらない。


俺は彼を助ける。


絶対に!

…………………

…………


話し合いは俺、レインさん、カールさんの三人で行った。


金銭制度が始まった事だしそろそろ代表とかも決めた方が良いかもしれない。


あ、それと金銭の制度についてある程度決まった時に、


『クエスト、国の行く末のサブクエスト【お金の導入】が開始しました』


ってアナウンスが入ったんだよね。


恐らくこれは金銭の導入が成功すれば何か便利機能が追加されたりするんじゃないかな。


流石に経験値だけって事は無いでしょ。


とりあえず金銭の導入方法としては、仕事を申請する場所を作って皆から自分のしたい仕事について聞けば良いかな。


偏りがあったりしても自然と調整出来るだろうし。


とりあえず皆に収集を掛けて仕事についての事を聞こう。


そう決め、早速それを始めたのだが……

…………………

…………


今現在住民票を作成中。


それぞれの名前、性別、そして職業を書いてね。


そしてそれによって入った公務員さんにも手伝って貰ってる。


更に言うとそれによって必要な店等の土地代等の資料を作ったりと……ヤバい大変!


これもうブラックとかの次元じゃないよ。


漆黒でしょ。


その資料の作成と同時に色々といきなりの事に混乱している人も続出。


恐らくしばらくしたらすぐに治まるだろうけど酷すぎるよ。


そんなこんなで現在徹夜七日目。


もう限界。


とりあえずこの資料作った……

……………

………


死んだ。


うん、これって過労死だよね?


いや、七日で過労死って……今度からしっかりと休もう。


そう決心した。



数ヶ月後……


漸く落ち着いて来た。


お金の導入方法は結構難しかったけど他はそれほどでもなかったな。


いやー、こうして難しい事判断出来るのも経済学とか教えて貰ったおかげだなぁ。


とりあえず税金等の制度は新しく追加されたシステムによって自動的に徴収出来るし、国から支払うお金をどうするかについても決まった。


あ、それと新しく店を導入すると同時に国みたいにしっかりとした家の場所の整備とかも現在予定してる。


それと同時に店の設置もそれと同時にしようと思ってる。


先にどういったものを作るかは聞いてるからそれらの資料は纏めたし、まあ良い感じじゃないかな。


あ、それとお城の建築もあったな。


王様は俺。


……今からでも辞退したいんだけど良いかな。


それが完成するまでは仕事の制度を使おうと思うんだけど、それが終了するまでに徐々に減らして行ければ良いと思う。


うーん、やる事がめちゃくちゃ多い!


あ、そういえば結構前からだけどダンジョンが新しく出来たんだよね。


このダンジョンはよくある漫画のようにしっかりと宝箱とかアイテムドロップとかあるから新しい魔法道具的なものが作られたりとかなり凄い。


うん、凄い。


そういえばカールさんも最近治癒薬、魔力系の回復薬とか開発したらしいね。


前にも冬のあの植物の品種改良してたしなー。


他にも新しい種作ったり……もう魔法とな無くても何でもありじゃん。


まあそれは置いといて。


最近カールさんに会ってないんだよなぁ。


会いに行きたくても時間が無い!


イースは……まあ問題があるといえばあるかな。


イースがアイドルになるっていう情報がめちゃくちゃ出回ってる。


まあ嘘なんだけどさ。


どうやら情報屋に情報操作されたらしい。


何があったかは知らないけど悪戯でもされたんじゃないかな。


しょっちゅうこっちにもしてくるし。


既成事実を作っちゃえばやらざるを得ない状況になるからね。


まあ人気が出そうだし良いんじゃない?


あ、前にイースが歌姫達のグループから勧誘受けたって言ってたけど……参加するのか?


レイヤはちょこちょこ出かけて行くけどまあ特にこれといって問題は無い。


とまあこんな感じだね。


あー、これから大変だ。



数十年後……


借金は完済、国の運営も大分軌道に乗ってきた。


ここはお城。


かなりの時間を掛けて建設された建物。


いや、うん、めちゃくちゃ立派だよ?


ヤバいよ?


何人かのプレイヤーとかNPCとかはここで働いてるし。


うん、もうこれはおかしすぎじゃない?


そして窓から見下ろせば城下町。


これって城下町であってるよね?


まあ良いか。


そこにはレインさんの経営している大商店にアイドルグループのステージ。


他にも様々な店が見え、それらから毎日税金が入って来る。


これだけ聞けばかなりの大富豪の王様で豪勢な食事食べてそうだけどこれでもかなり忙しいんだよ?


書類の整理や許可の承諾。


正直全部適当にしたいんだけどそうにもいかない。


というかそんな事したら大変な事になるよ。


とまあかなり忙しいんだけどそれでとかなり充実している。


ご飯とかは普通に城下町に食べに行けるし狩りにだって行ける。


剣術はまあまだまだだけどかなり良くなったと思うよ。


あ、そういえば一つ新しい事実として外見は変わらない事が分かった。


だってこれでも四十代あたりだよ?


それなのに外見変わらずっておかしいでしょ。


カールさんが言うには細胞が成長してないらしい。


まあこれゲームだし初期の姿から変わらないのは当たり前っちゃあ当たり前なんだよね。


あ、そういえばレイヤ!


あの人暫く出かけるって言ってから一切帰って来ないんだよ?


おかしいでしょ!


今ごろ何してんのかな?


「入るぞ!」


「あ、どうぞ」


っと、時間か。


「それじゃあ今からあの国へ攻める計画について話す」


「分かった」


時間が大分掛かっちゃったけど……もう少しで助けるよ。


シム……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ