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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
7章 ダンジョン
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イースサイド22

「鹿さん、ちょっとここは任せた」


「ええ!?さっきも私だけだと大変な事になったんですよ?」


「よろしくね」


さて、それじゃあ転移!


その瞬間、僕はあのモニター室からサイルの目の前へと移動した。


「それじゃあ情報提供、よろしく」


「!?……まさかそんな風に来るとは思わなかったなぁ」


「で、情報?何が欲しいんだ?」


そうだなぁ、敵の人数?作戦の内容?


うーん…………


「私にも聞かせてくれるかしら?」


そうどこからか声が聞こえた。


「誰だ?」


「ここよ」


そう聞こえた先にはさっきまでは居なかった筈の人間が居た。


「あなたは?」


「私の名前はレイン、私もその情報屋さんに情報を貰いに来たのよ、魔王さん?」


え、僕が魔王だって事がバレてる!


いや、まあバレててもそれほど影響は無いけど。


でもこれってすなわち、


「レインさんと僕で情報屋を互いに味方に付けたい訳か」


「そうね、さて、情報屋はどちらに付く?」


情報屋の取り合いという事だ。

………………

…………


「正直情報屋になる足掛かりを作ってくれたイースに付きたいんだが、これも仕事だ」


「有益な情報をくれる方に俺は付くぜ」


サイルはそう言い放った。


有益な情報か。


すなわちここでは俺達が有益な情報を持っているとアピールしなければいけないという訳だ。


さて、これは勝たなきゃな。


心理戦(バトル)スタートだ!


「私はサイル、あなたも知っての通りカールさんの奥さんよ、そして私自身もかなりの知識を持ってると思うの」


異議あり!


「世間で古里洋平は既婚者では無かった為、既婚者であるという証明は出来ません」


「因みにこの情報はサイルから聞いたものです」


「ああ、これは俺が話した」


「確かに私は既婚者である証明は出来ませんが、カールさんと親しい仲である事には変わりありません」


「確かにな」


くっ、これ以上は攻めれないか。


なら、これでどうだ!


「僕はあの大樹についての情報を持ってますよ」


「なっ!」


「……これはまずいわね」


世界樹さんが消えた事については人間側でも様々な考察等がされてる。


しかし人間の国からそこにはかなりの距離があるし来たとしても実際そこらで狩り等をしていた僕達が殺してるから情報は一切無い筈だ。


すなわちこのチャンスを逃したらもう情報を手に入れられないかもしれない。


そう考える筈。


「よし、俺はイースにつこう」


チェックメイト。


勝ったな。


「そう、残念だけど素直に諦めるわ」


「それじゃあ俺を連れ「その前に」」


「え?」


「やっぱりそう来るわよね」


「勿論」


僕はその瞬間、スライムへと変化した。


「敵の司令塔がいるんだから倒そうとするに決まってるじゃん」


あの考え方は確実に作戦を考えた人と同じだ。


すなわちレインさんが司令塔。


しかもレインさんは生産職。


負ける筈が無い。


あ、因みにスライムの状態でも話せるようになりました。


かなり便利だー!


「ふう、混沌さん、よろしくね」


しかしレインさんがそう言った瞬間、霧状の魔物のようなものが出て来た。


『ひひっこいつらを倒せば良いのか?』


「え……ええ、………お願いす……るわ」


『早めに終わらせねぇとやべえな、それじゃあな』


そうそいつが言った瞬間、「殺られる!」


その言葉が脳内を駆け巡り、僕はサイルを連れて転移した。

………………

…………


「はあ、はあ、やばかった」


「ええ、何が……って誰ですか!」


「あー、楽しかったー」


サイル、この状況で楽しむってどういう考えしてるんだ?


とりあえず人型に戻るか。


人化っと。


さて、


「ねぇ、一階層見てなかった?」


「え、いえ、殆ど人居ませんし」


そっかー、あー、あいつが何かは分からないか。


「ちょっと一階層見るね」


そうしてモニターを操作したのだが、そこには誰も居なかった。


一体何だったんだ?あいつは……


「ねぇ、イースさん、こいつ誰?」


あ、紹介してなかった。


「この人はサイル、情報屋で僕達の協力者だよ」


「よろしく」


「情報屋?」


あ、情報屋知らないか。

………………

…………


あの後僕は情報屋についての説明をし、その後様々な情報をサイルから聞き出した。


「さて、それじゃあそろそろその大樹についての情報、聞かせて貰おうか」


……来たか。


「??そんな事言ったっけ?」


「おい!情報を渡すって言ったからこっちに来たんだぞ?」


「そんな事言った覚え無いなぁ」


「おい!」


「ねぇ、そんな事言っても良いの?」


「え?」


サイルはまだ情報屋としては、いや、裏の人としては不十分だ。


確かに色々な場をこの世界で経験したのだろうけど、それでも僕が元の世界で関わっていた人程では無い。


恐らくサイルは僕だからきちんと情報を渡してくれる。


そう考えていたんだろうけどね。


僕はそんな良い人じゃない。


徐々にサイルの顔が青ざめて行く。


戦闘力もサイルはある程度はあるんだろうけど僕程ではない筈だ。


そしてここはダンジョンマスターの部屋。


逃げるなんて事は不可能。


ある程度の利用頻度があれば次からは情報を渡さないって言う脅しも出来たかもしれないが、僕に対しては無理だ。


さて、そこら辺までサイルは悟ったかな?


「こういう事もあるから情報屋は危険だよ?それでも、続ける?」


今回のそれは完全に自分を驕ってた。


自分は敵味方にとっても重要な者だと。


だから俺が死ぬ筈が無い、と。


でも裏の人はちょっとした事があれば狙われる。


だからこそ友人として僕は忠告する。


これ以上続けるのか否かを。


「……するよ、これが楽しいんじゃんか」


っはは、やっぱりサイルらしいな。


「で、大樹の情報は?」


「無しで」


「だよなぁ、はあ、あっちに付けば良かった……」


「残念でした!」


「まあでも良い教訓になったと思うよ、ありがとな」


「別に良いよ」


「…………」


一方鹿さんは話に一切付いて行けて無かった。



残り46577DP


撃破数 536人 死者 135人


使用ポイント 0DP


合計 

総死者数 6404人

総撃破数 66042人

総ポイント 47113DP(+536)

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