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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
7章 ダンジョン
90/177

イースサイド21

10日目


遂に来た。


人間側が!!


予想通りやはり一階層から進んで来ている。


最初の方は罠に掛かっていたんだけど、途中から罠がある事を前提に動くようになっていた。


恐らくそれぞれのチームでどうやってかは分からないけど情報共有をしてるんだろう。


思ったより削れなかった。


まあそれでもこちら側の有利性は揺るがない。


だって罠の位置が分かるんだよ?


いくら罠がある事が分かっても避ける事は出来ない。


そう思ってたんだけどなぁ。


全部のチームがそうなってる罠じゃないけど、罠を利用して攻撃するという手段が完全に見破られてる。


そして何チームかはその罠を解除し、その罠の素材を持って行ってるからね?


とはいえこの何も無い通路を複雑化し、そしてそれに応じて僕が指示を出してる事もあってか丸々一つのチームを壊滅させたりと、かなりの事が出来たと思う。


そしてこの情報共有がね、良い感じにこっちを有利にしてくれた。


一つのチームが一階層を突破とするじゃん?


そしたらその方向に出口がある事を知らせる訳。


皆そっちに向かうでしょ?


そこで僕がその場所に大量の魔物を用意。


うん、完璧だね。


とはいえ流石と言うべきか、一人がそこに掛かってから他のチームの殆どが別の方向に進んだ。


いやー、ケイ、凄すぎだよ。


あれ?僕頭良いんじゃなかったっけ?あれ?


まあアホなのは認めるけどさ、こんな風に突破されるとは思わなかったよ。


さて、次の層に行った人達の対応を……ってえ!?


………そう来たか。


その突破したチーム以外にもぽつぽつとこのデバフエリアに単独行動で来ている。


はあ、これは圧力を掛けて来てるな。


対して戦力が無いとはいえやっぱり対応しなきゃって焦っちゃう。


はあ、とりあえず今は頻繁な動きは無いし、使うか。


ダンジョンマスター参加チケット1日分を。


うん、これ名前長い。


もう参加チケットで良いんじゃないの?


じゃなくて、


使用!


するとその瞬間手に持っていたチケットが消え、僕はダンジョンの中に入った。


ええ!?これ戻れるの?


そう思った瞬間、元のあのモニターのある場所に来た。


『ええ!?イースさん、どこ行ってたんですか?』


『ん?ああ、ちょっとね』


鹿さんに心配されちゃったよ。


それにしてもこれってもしかして……


そう思い、確認すると、ダンジョン内転移チケット1日分がなくなっていた。


………これ無かったら終わってたな。


ってそんな場合じゃない、場所を確認して、よし、ここへ!


その瞬間、僕はその場所に飛んだ。


その後順調にそいつらを倒したのだが………。


「よし、これで終了」


そう呟いて僕はあのモニターのある場所に戻ったのだが、やばい事になっていた。


『イースさん、やばいですよ!』


それぞれのチームが的確にそのエリアを突破している。


しかもそれにも関わらず、そのデバフエリアには侵入していない。


読まれた!!


恐らく倒した人の中から情報が漏れたんだろう。


情報共有を甘く見過ぎた。


そして一時的とはいえ指示が少なくなった事から大分やられたな。


今の所戦力的には拮抗している。


くそ、ここで決められると思ったのは浅はかだったか。


一応戻ってきたから指示は出せるが………そうだ!


多分相手は僕が戻って来たかどうかは分かってない筈だ。


だっていくら情報共有していてもそれが全員な訳が無い。


それだと多重に音が聞こえてしまうからね。


それを聞き取るとしたらせいぜい数人。


となるとどうやって相手は戻って来たかを確認するのか。


答えは僕の指示だ。


ふ、ふ、ふ、いつまでも思い通りに行くとは思うなよ!


『B-1チーム、ただちにデバフエリアの入り口に待機しろ』


因みにこのAとかのアルファベットはそれぞれの階層を表している。


一階層がAで七階層がGだ。


すなわちこのB-1チームはデバフエリアのチームという訳。


で、そのチームを入り口に向かわせた。


よし、それじゃあそれぞれに指示を出していくぞ。


「鹿さんも頑張って!」


「は、はい!」


『A-5チームは………』


するとデバフエリアに入る一歩手前に居た連中は次々と中に転移して行った。


そして次の瞬間。


「ぐはっ」「何これ……」「待ち伏せ?」………


よっしゃー!引っ掛かった!


出し抜いてやったぞ!


よし、とはいえ次は多分これに対応して来るだろうからB-1チームには元の定位置に戻って貰おう。


そして一階層と二階層を同時に把握し、指示をしていく………

……………

………


うーん、大分抜けて来たね。


そろそろ一階層は放って置いて二階層を中心に見て行くのが良いかも。


『こちらB-3チーム、イースさん、敵がデバフエリアで対策をして来ました』


『なるほど、了解した』


『え?もう分かったんですか?』


『うん』


このデバフエリアには大きなデメリットがある。


それは毎回外に出る度にそのデバフの内容が変わるという点だ。


一見デメリットじゃなさそうだが、ダンジョンから抜ける事はすぐに出来る為、それを何回も繰り返す事でデメリットの内容を好きに変えられる訳だ。


いずれ気付くとは思って居たけどここでされるのか。


まあ一応対策はある。


えーっと確か、


『B-2に蛇系の魔物居たよな?』


『え、あ、はい、居ますよ』


『ちょっとデバフエリアの入り口に来て、道は繋げたから』


『え、あ、はい、分かりました』


「鹿さん、出番だよ?」


「え?何ですか?」


「ちょっとね」


さて、それじゃあやるか。

……………

………


「よし、こんな感じで良いだろ」


そう僕は呟いた。


目の前には僕が透明化させた透明な鹿さんと透明な蛇。


これから彼ら彼女らには当てられているデバフの内容の把握とそのデバフの強化をお願いした。


そうすれば恐らく「おかしな事になってます!」って感じに報告し、デバフ内容の指定の意味が無くなるからね。


多分暫くしたら他のチームから連絡が入って無い事に気付くだろうから、そんな頻繁に出来る事じゃ無いって悟るだろうけど、まあ対策出来るならもう一回しても同じ事って考える筈。


とまあそこまで予想したんだけど、うん、とりあえずデバフ内容の指定は無くなったね。


とはいえ最初の方のチームはデバフ内容の指定をしてるからとりあえず無視。


先に弱い奴から倒して、こっちが有利になったらあっちを倒せば良いからね。


さて、頑張ろうか。

………………

………


今の所一階層には誰も居なくなった。


あ、勿論魔物も居るよ?


で、他は完全に二階層に集中してる。


あ、今三階層に行かれたな。


まあでも三階層は罠エリア。


まだ誰もこの階層には入って無いからね。


え?ケイ?


あれはまだ入ってはいないからカウントしなくて大丈夫。


そしてそのチームもここで半分位削れた。


まあでも最初の人は完全に情報入手目的の可能性が大きいし全員殺したかったんだけどなぁ。


そしてそのエリアにあのチームが今向かってる。


殆どの人は戦わず、だが戦う人がめちゃくちゃ強いチーム。


僕はそのチームを生産職チームと呼んでる。


っと、来たか。


一階層に()()、戻って来る人が。


最初からずっと一人で行動しついた彼。


このダンジョンで唯一の作戦外のプレイヤー。


情報屋のサイルだ。



残り7001DP


撃破数 39576人 死者 2349人


使用ポイント 0DP


合計 

総死者数 6269人

総撃破数 65506人

総ポイント 46577DP(+39576)

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