バグ?
あの事件から数日経った。
今ではすっかり普通の日常だな。
………うん、普通では無いかも。
いやー、実はね。
どうやら俺が来る前にこの国にイースという人が来ていたらしい。
確かイースってあの大会で準優勝した人じゃなかったっけ。
そう思って聞いたんだけどこの世界では名前被りは多いらしい。
それに亜人という事もあってそれほど気にかけている人は少ない。
だけどライルさんが死ぬ一日前に居なくなって数日経った今日帰って来たから大分怪しまれてるんだよね。
で、そのイースって人実は魔物側のリーダーみたいなんだ。
これはフォスから聞いた情報で、まあ内容はかなり濃いから省略するけどあっちも中々の事件が起こってた。
え?結局何が言いたいかだって?
うん、ただやばいってだけ。
だって魔物側と人間側でやばい事件が起こってお互いがかなり不安定になっている。
そしてそんな矢先に大型イベントのお知らせが数日前に来たんだよ。
これをやばいと言わずに何と言う。
そして今日、そのイベントの詳細が知らされた。
それがこれだね。
お知らせ
久しぶりの大型イベントだよー!
いやー、大分時間経ったねぇ。
あ、因みにサボりではありませんから。
本当ですよ?本当本当。
えー、気を取り直してご報告すると。
明日の9時からダンジョンのある世界にこの世界のプレイヤーを移動させます。
ルール的なのは明日お知らせします。
っていう訳で久しぶりのイベント楽しんじゃおー!
ご報告は以上です。
って感じだ。
うん、一つ言って良い?
テンションどうした!
ちょっと前の闘技大会の事前に知らされた時の文面と比較しようか。
お知らせ
一ヶ月後の9時から皆様を闘技大会用特別フィールドに移動させて頂きます。
ルール等の詳細は明日お知らせ致しますので是非お楽しみ下さい。
この二文だよ。
なのに今回の文はあれ。
うん、いや、ハロウィンとかクリスマスとかでどんどんテンション上がってんなーって思ったけどさ、今回程では無かったじゃん。
まあ内容は変わらないから別にこれでも良いんだけどなんかなー。
はあ、まあ良いか。
今俺はケイ、イース、ライ、シズクの四人で外に出ている。
どうやらライルさんの言った事が気になってるみたいだ。
うん、俺も気になってる。
で、それでその日記を探すにはある程度この世界の情報が必要だって事で移動中。
ケイは闘技大会の報酬である程度の場所がどうなってるかは知っているんだけどその先は知らない。
というより不自然に分からないようになっている場所があるらしいんだ。
普通はこの先の情報は分からないけど続いてますよーって感じなんだけどこの先に海があるっていう事が分かっている場所はその先はありませんよーって感じならしい。
うん、殆どがケイの感覚で一切分からなかったわ。
まあでも多分あの結界みたいなものがそこにあるんじゃないかって俺は考えてる。
だってそれ以外考えられ無いじゃん。
え?それ知ってるなら教えろって?
はっはっは、そんな事言う訳無いじゃん。
あ、別に意地悪してる訳じゃ無いよ。
今度は行ったらその外に行ってみようと思ってるんだ。
いやー、あの感じ死ぬのは確実だろうね。
あの時は行けなかったけど折角の機会だし試してみたいじゃん。
でもそこに結界みたいなものがあるよって言ったらケイが行く理由は無くなる。
すなわち行く理由が無くなれば怪しまれずにまたあの森まで飛んでそれを確かめて帰って来ないとならないんだ。
試さないという選択肢は無い!
だけどまあそんな事したら怪しまれずになんて無理だからね。
だから今回は絶好のチャンスって事だ。
「お、そろそろ着くぞ」
ケイが見る先にはめちゃくちゃ大きな海が広がっていた。
あー、漸くかー!
しかし俺は海の景色どうこうよりもここに来るまでの時間を考えた。
だってここに来るのに大体丸一日歩いて来たんだよ?
飛べばもっと早く着くのに!
走れば飛ぶよりかは遅いけどそれでも早く着くのに!
はぁ、まあそんな事言っても仕方無いか。
さて、それじゃあ検証してみますか。
………………
…………
…
「ふむ、確かにここから先はかなり危険感知が反応しているな」
「この先は行ったら危険よね」
「うん、そうだね」
「…………ねぇ、この後どうするの?」
「そうだなぁ、とりあえずこの……境?みたいな所がどこまで続いているかとか調べたら良いんじゃないか?」
よし、そろそろ行ってみるか。
「うーん………明日イベントがあるのに間に合うのかな?」
「無理そうね」
「うん、僕もそう思う」
よし、行くぞ!
そして俺はその境界を越えた。
ぐっ
「おい、レイヤ!」
「何してるんだ!」
これは………キツイ。
「私達も入った方が良いかしら」
「うーん………どうだろう」
そう彼らがどうするかを悩んでる間に一人の男性が飛び出した。
ケイだ。
「おい、戻るぞ!ぐっ!」
戻る?そんなの、
「嫌」
この為に来たのに戻る訳無いじゃん。
それよりも、
「君達は来なくて良いよ」
そう言って俺はケイを突き飛ばした。
さて、これで邪魔者は居なくなった。
それにしてもこれは何だ?
今頑張って俺を侵食し、干渉しようとしてる謎のものを頑張って妖術と冥術で操ってそれを阻害している。
いやー………キツイ。
ガンガン生命力は減ってる。
うん、恐らくこれを克服でも出来ればライルさんの言っていた謎、そしてあのビルの調査とかが出来る。
今すぐには無理でもやっぱり頑張りたいわ。
そう考えていると再びケイが入って来た。
「おい、出るぞ!」
えー、やだよ。
それにしてもケイはやっぱり勇者と言われるだけあるな。
こんな自分勝手な行動をしても俺を救おうとするんだから。
ってそうだ!この状態異常が何かステータスで調べられるじゃん!
ステータス!
ステータス
名前 レン
性別 男
種族 上級天妖冥狂闘一角狼(幼体)LV7 (人化中)
状態 「※!∈%⁂?
生命力 13/151
妖力 234/457
スキル
精神統一LV3 妖力精密感知LV3
妖力精密操作LV3 鑑定LV2
狼爪術LV3 狼牙術LV2 回避LV3 見切りLV3
変異LV2 念話 妖狼術LV3 瞬歩術LV3
疾駆術LV3 隠遁術LV3 眷属化LV4
気配探知LV3 気配偽装LV3 予感LV2
危険感知LV2 飛翔術LV1 冥術LV6
天駆 空弾 鑑定感知LV1 鑑定偽装LV1
威圧LV7
魔法スキル
無属性魔法LV1 火魔法LV1 水魔法LV1
回復魔法LV7
耐性スキル
激痛耐性LV3 倦怠感耐性LV2 失神耐性LV1
猛毒耐性LV3 飢餓耐性LV3 睡眠耐性LV3
泥酔耐性LV3 麻痺耐性LV3 掻痒耐性LV3
狂乱耐性LV3 幻耐性LV3
固有スキル
虚心の解析者
称号
PK PKK ジャイアントキリング サバイバー
虐殺者 狂人 一騎当千 国落とし 地獄の狼
地獄を生きる者 心無き者 災罪の種火 独裁者
眷属
フォス ムシュ
んん?これもバグってるじゃん。
ライルさんやストロマと同じように。
いや、っていうかあれは意図的に削除されたように書いてあったから違うか。
これは災罪の種火と同じような感じだな。
っていうかもう俺死にそうじゃん!
何かこれ痛みとかもランダムなんだよね。
めちゃくちゃ痛いと思ったら無くなったりって。
あ、そうだ!
ケイはどの位なのかな?
鑑定!
ステータス
名前 ケイ
性別 男
種族 仙人
職業 見習い中級仙霊闘剣士LV8
状態 「※!∈%⁂?
生命力 23/76
仙力 30/76
スキル
刀術LV2 回避LV2 仙力精密感知LV2
仙力精密操作LV2 斧術LV2 仙気術LV2
見切りLV2 神霊術LV1 変異LV1 危険感知LV1
予感LV2 解剖LV2
耐性スキル
痛み耐性LV8 気絶耐性LV1
称号
勝利の立役者 ジャイアントキリング
九死に一生を得た者 勇者 聖者
………え?弱くない?
そう思った数秒後、俺達は………死んだ。
テッテレ〜
『レンは「※!∈%⁂?×∵をされたので、「※!∈%⇔∂の称号を手に入れた!』




