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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
1章 始まりの森
7/177

ケイサイド1

ケイside


俺の名前は山崎(やまざき) (けい)


普通の高校生だ。


そんな俺は今CMで話題になっているVRMMOが家に届いたから早速始めてみたんだ。


今、漸く自分の設定をし終わってプレイしてみたんだけど、


「初期スポーン位置が森ってどうなってるんだよ

運営ーー!」


思わず叫んでしまった……。


それにしても初期スポーン位置が森ってどうなってるんだ、このゲーム。


そんなことを考えてたら魔物が来てしまった。


「ガオーーーー!」


熊だ!…………けどこれだけは言わせてくれ!


「普通弱くても良いから武器ぐらいくれよーー!」


どんだけ叫んでも意味はない、そう思っていても叫んでしまうのは何故だろうか。


「とりあえず逃げよう!」


武器無しで戦うことなんて出来る筈がない!


そう考えて走って熊から逃げることにした。


走って、走って、走って。


そして気がついたら……熊が居なくなっていた。


「やった……。俺は逃げ切ったんだ」


生き残った……。そう考えるととても嬉しくなった。


その感傷に浸りながら走っていると村が見えた。


これでもう俺は安全なんだと考えて無我夢中で走って行った。


だが、そこにいた人達はとても痩せ細っており、その姿がこの世界の現状を物語っていた。


そして同時に改めて悟った。


ここは安全な日本とは違う世界なのだと。


「お前さん異界者だろ?」


そしてその中に居た一人の老人が話掛けて来た。


因みに異界者とはこの世界の住民から見たプレイヤーの事だ。


プレイヤーと言っても異界者と住民側には聞こえるとサポートAIさんが言っていた。


「あ、はいそうです。よく分かりましたね」


「そらそーだ、そんなに健康的な体に服を

持った者なんて異界者ぐれーなもんだ。」


「国の者や貴族なんかは居ないんですか?」


「国なんて大分前に滅びた、あの天災でな」


「あの天災?何かが襲って来たりしたんですか?」


「ああ、そうだ。自然って言う人が抗うことの出来ないモンスターにな……」


「そこからは衰退の一途だ。人類なんて後数年ぐれーしたら滅んじまうかもな。」


「そんなときに変な言葉が聞こえてきたんだ。

『これから異界者を送ります、その者らはこの世界に少なからず善き影響や悪しき影響を与えるでしょう』ってな」


これは恐らく運営がこの世界の住民に渡したメッセージだ。


だが、そんなことはどうでも良い。


俺はこの世界の住民に酷く同情してしまったようだ。


この世界で人類のために戦うことを決意した瞬間だった。


「とりあえずこの村に泊まっても良いですか?」


「ああ、良いぞ。儂らに残された希望は異界人だけじゃからな」


「まあ悪しき影響も与えるとも言っておるから完全に信用はせんが」


おじいさんはニコリと笑ってそう言った。


「とりあえず空き家を貸そう。その家にしばらく住んでいてくれ」


「有り難うございます」


俺はこの家に住むことになった。


とてもボロかったが、周りの家も同じようなものだったのであまり気にはならなかった。


そして俺は家でこの世界の人類を救うにあたり、何を為せば良いかを考えていた。


そして暫く考えていると俺は国を造ろうという発想に至った。


国を造ればある程度プレイヤー達も活動できるし、軍やライトノベルで良くある冒険者組合等を造れば魔物達の襲撃に備えられると。


そういう結論に至った。


そしてその時、外が騒がしいと思って外に出たら同じプレイヤー、異界者がいた。


茶髪で大柄な男性だ。


「こんにちは、プレイヤーの方ですよね」


「ああ、そうだ。俺はライって言う者だ、よろしくな」


「よろしくお願いします、ところでライさん……」


そこで俺は今考えている国造りについて話した。


「……それは面白そうだな、掲示板で書き込んで

みたらどうだ?」


「掲示板?」


ここで俺は始めてメニューの存在に気付いた。


そしてその後、掲示板で国造りについて話したら、

沢山のプレイヤーと村人が集まり、国造りや魔物の対処、始めての魔法なんかも教えてもらった。


途中でログアウトが出来ないと騒いでいた人もいたが俺達はそれよりも一先ず国造りを優先した。


『人間プレイヤー達はワールドクエスト、国造りを開始した』


こんなことも知らされ、運営にも認められたと思った。


そしてある日、


「盗賊ですか?」


「ああ、そうだ。プレイヤーの盗賊が現れている

らしい。だがプレイヤーは死なないからなるべく

捕縛して無理だったら殺してしまって構わない」


そうこの村に住んでいる一人の男性からお願いされた。


「人殺しか……」


人殺しはいけないことだ。


例えゲームだからとはいえ、相手が死なないとはいえやはり抵抗はある。


「そんなに思い詰めんな」


「ライ」


「シズクもな」


ライの言葉によりシズクも同じように思っていることに気付いた。


「人殺し……」


こんな時に俺は…………声がかけられなかった。


「そんなに暗くなるなって、動物だって殺せた

だろ?」


「そんな簡単な事じゃない!」


俺は怒鳴った。


この前、動物を初めて殺した。


例えゲームとはいえこと世界で生きてる生き物を殺した。


それでも俺はそれほど抵抗が無かった。


それがとても怖かった。


いずれ何も思わなくなって殺しをしてしまうんじゃないかと。


そして今回は人間。


人殺しをするのだ。


そんな簡単な事な訳が無い!


「さっきの暗い顔よりかは大分明るくなったじゃないか」


その言葉ではっと気付いた。


暗いムードを自分が悪役になることで断ち切ろうしたことを…………


「ネガティブなことを考えてちゃあ出来るもんも出来なくなっちまうぞ」


「「ありがとうございます」」


「おう、こういう事は最年長の俺の仕事だ」


やっぱりライさんは最年長なだけあって頼りになるなー。


「助けてくれー!」


「ん?何だ?皆、声のする方に行ってみよ、

今回のターゲットかもしれない」


俺達は皆でこっそりと声のする方に向かった。

…………………………

………………

……


「このゲームは良いよなぁ。なんたってPKしても罰がないんだもんなぁ」


「しかもドロップアイテムは持ち物全て」


「これでPKしないほうがおかしいだろ」


これは…………例の盗賊の声か?


「こんなことが許されるとでも思っているのか!」


「許される?誰に」


「罰がないんだから許されてるに決まってるだろうが!」


誰かを襲っているみたいだ!


「助けにいくぞ!」


「おう!」


「はい!」

…………………………

……………

……


「助けに来たぞ!」


「良く持ちこたえてくれた」


「私達が居れば安心だよ!」


そう言って小柄な男性の前に飛び出した。


やっぱりこういう事言うのは恥ずかしい。


「ケイさん!来てくれたんですね!」


「俺達は無視かよ。」


「ライさんとシズクさんも!」


「何ぺちゃくちゃ話してんだ」


「生産職の足手まといも連れてる癖に勝てると思うなよ!」


うん、そうなんだよね。


人を一人守りながら戦うのは普通よりもキツい。


けど奥の手としてシズクが使える精霊魔法があるからまだ大丈夫かな。


因みに精霊魔法っていうのは精霊って言う自然の欠片に魔力をあげて代わりに魔法を起こしてもらう魔法の事だ。


自力で魔法を起こせないのかって聞いてみたんだけど人間にはこれが適してるって言ってた。


一体どういう事だったんだろう?


「4人も倒せば大量にアイテムがゲットできるん

だからラッキーだと思う事にするぜ!」


「侮るなよ!盗賊に落ちたプレイヤーなんか簡単に倒せる!」


「へっやってみろ!」


けど、小説や漫画のように救いに来たって言っても守らないといけない人がいるのにそんなにうまくいくわけがなく、やられそうになってしまったので隙を作って、


「今だ!シズク!」


「ファイアーボール」


そうシズクが言った瞬間、火の玉が現れ、三人の内の一人に当たった。


「くそっ何だこれは!」


「魔法を使う方法あったのか?」


上手くいった…………倒せた…………そう思ったのに…………


グサッ


「えっ」


バタリ


気が付いたらシズクが殺されていた。


その事に動揺した俺は動けなくなり、その隙を突かれて死んだ………

因みにこれがケイのステータスです。



ステータス


名前 ケイ

性別 男

種族 人間

職業 見習い戦士LV3

状態 普通

生命力 16/16

魔力 16/16

スキル

剣術LV2 避けLV1 魔力感知LV2 魔力操作LV1




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― 新着の感想 ―
[気になる点] なんか設定がガバガバな気がするんだよね。ログアウトできないけどリスポーンはできるんだよね?何を追い詰められてるのか分からない。
[一言] このライって人は、動物か魔物を殺した時に、相手がプレイヤーだったらもう戦えなくなるのかな?人殺しと変わんないしねw
2020/05/24 16:18 退会済み
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