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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
6章 混沌
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ストロマサイド1

師匠達は去って行った。


めちゃくちゃ唐突で心の準備も何もあったもんじゃ無い。


とはいえいつまでも呆けても意味が無いしとりあえずこの国の………言い方は悪いけど支配者が変わった事を伝えないと。


そう思って僕はとりあえずこの命令権を利用して異界者を集め、動けなくした。


「何だよいきなり集めやがって」「やんのか?」……


うん、こんな人達を集めてた師匠は恐怖政治とはいえ凄いよ。


集めた相手が僕だって分かった瞬間に強気だし。


それに正直僕はこいつらを今すぐ()()()()


だが成功する筈が無い事は明らかだ。


第一異界者は殺しても生き返るからね。


でも………母さん………


いや、今こんな事を考えている場合じゃ無い。


とりあえず僕が支配者になった事を言わないと。


「レン達一行はこの国を出て行った」


「何ぃ!そうなりゃこんな労働からはおさらばだ!」


「よっしゃー!とりあえず誰か殴らせろ!」………


やっぱり戦闘職の人はこうなったか。


だけど生産職の人は、


「…………」


比較的落ち着いてる。


中には一応暴れる人も少数だけどいる。


だが、それ以上に皆静かだ。


この国は元々生産職は格好の的であり、虐待されやすかったからね。


またそんな日々が訪れるんじゃ無いかって思ってるんだろう。


そんな事を僕はさせない!させる訳が無い!


「静まれ!」


そう言い放った瞬間、ピタリと音が止んだ。


「その為僕が代わりにこの国の支配者になった。だからこそ皆こう思うだろう」


「こいつを殺して成り代わってやろうと」


「だから僕はそれに受けて立とうと思う」


僕は皆を怖がらせるなんて事は例え圧倒的な戦力があっても出来ない。


そういう人間なんだ。


「今、この場で僕に反抗しようと言う者」


だから僕は皆の前に障害として立ち塞がろう。


「行動を許可する」


障害として立ち塞がっても僕が相手なら皆は何度も殺そうとしに来るだろう。


それで良い。


僕が敵となれば他の人に危害が及ばない。


ただその方法では僕が死んだ瞬間、意味が無くなる。


師匠がそこまで考えていたのかは分からないけど、僕は鍛えて貰った。


こいつらをいっぺんに相手しても勝てるレベルの強さに。


僕は皆を守る。


そんな目標に今だと目の敵にしていた異界者が含まれている。


僕は皆を守る為に皆の敵になる。


一つの目的があれば自然と共通の目的を持つ者同士で協力するって昔お母さんに聞いたな。


今がまさにそれだね。


さて、考え事はここら辺にして戦おうか。


万象の魔眼、起動。


魔術、火炎槍(ファイアーランス)


並列起動。


「うわっなんだこれ!」…………


発射!


魔術、生命力強奪(エネルギースティール)


魔術とは、魔素を利用し、魔回路を作った物。


それを攻撃等に利用する事を魔術と言う。


あ、因みに体内の魔回路は生体回路って言うんだ。


そしてこの魔回路とは、


「ぐっ力が抜ける」…………


万象を原理関係無しに起こせる。


例えば何でも好きな物を無条件で生み出せる魔回路なんていうものも作ろうとすれば作れるのだ。


だが、この魔回路は非常にシビアで少しでも回路が違うと全然違う効果になる。


しかもその効果は試してみないと分からないっていうね。


それにこの魔回路、大きな効果を起こす程複雑になるんだ。


今僕がまともに使える魔術で最も大きい回路はこれ。


魔術、自然(ネイチャー)操作(コントロール)


「ん?空に模様が」


雷!


ピシャーーーーン


竜巻!


ゴゴゴゴゴー!


「あ、やべ」


今のでこのプレイヤーは全て死んだ。


そしていくつかの建物も大破した。


因みにこの魔術の副作用としてはランダムで数週間やばい呪いが掛かるっていうよく分からない副作用がある。


まあ他にも一定時間経つと魔回路が自壊するっていう感じの制約がいくつかあるんだけどね。


え?どうやってそれを知ったかって?


それは僕の固有スキル、万象の魔眼さ。


この魔眼は魔回路の内容をどういうものか視るだけで知る事が出来るっていうね。


そしてその魔回路の構造も完全に記憶出来る。


この能力やばいよね。


さて、そんな事よりも。


…………建物どうしよう。


僕の支配者としての生活の初めての仕事はどうやら建物の修復のようだ。

………………

…………


ひとまず僕は生産職の人にこれらの建物の修復をお願いした。


その時にまた何人か襲い掛かって来たけどまあ一応僕格闘術も出来るんだよね。


師匠には剣を渡されたから主流は剣だけど。


まあそうは言っても師匠は剣使わないから我流なんだけどね。


そうしてその人達は殺した。


あ、因みにその建物に住んでた人には仲の良い人の所に泊らせたよ。


うん、とりあえず後でお詫びの印にお肉でも渡しておこう。


さて、これでひとまずこの問題は片付いた。


次は師匠達の政策を真似しないと。


流石に新しい政策を今から考えるのは大変だしもしその政策に穴があったら大変だからね。


でもあれには必ず監視をする人と制裁を下す人が必要で、更に言うとその人達には圧倒的な戦力が必要っていうね。


あ、それだけじゃなくてその人達は自給自足が出来ないといけないんだった。


その人達は完全に法律やこの国のシステムとは切り離されるからね。


いや、でもその条件だとかなり無理があるよな?


うーん……………どうするか…………

…………………

…………


よし、考えが纏まったな。


僕の考えとはさてはこうだ。


まず三つの派閥の中央になんか大きな建物を作ろう。


今は毎日僕がそれぞれの派閥の代表に物資とかを渡してるんだけど、それをそれぞれの代表に渡せば良いんじゃ無いかな。


だけど勿論戦闘職の人は……えーっと確か十段階で階層が別れてるんだよね。


まあ戦闘職のトップの人を代表としてその人に横領を禁止に命令すれば良いかな。


後々は紙に記録とかを書いてそんな事をわざわざする必要を無くすとかしたいな。


僕達異界者じゃない派閥の人達は完全に異界者と隔離されてるんだよね。


その隔離は無くしたくはあるけど今はまだそんなに強くは無いから当分先になりそうなんだよなぁ。


あ、因みに今僕達の派閥は生産職の人はその能力の向上。


戦闘職の人は戦闘能力の向上をめちゃくちゃさせてる。


圧倒的とまではいかなくてもある程度の戦力があれば一緒にしても大丈夫でしょっていう師匠の考えでね。


うん、これなら………って管理者決めるの忘れてた!


うわー、なんで本題を忘れるかなー僕は。


ひとまずゆみさんは制裁を下す人で良いでしょ。


え?絶対拒まれるって?


まあそこはなんとかするよ。


そして肝心の監視をする人…………


そうだ!


うん、そうすれば………いける筈だ!


とりあえず僕が考えたシステムで今まで僕が負担していた渡す作業の簡略化。


そしてそれで空いた時間に()()()()()()()………。


まああの建物の修復が終わってから頼む事になるだろうしその間の監視は僕がしようか。


あー、大変だなぁ。


そう思いながらも僕は頑張って仕事をこなし続けた。

…………………

……………


あれから数ヶ月位の時ぐ経ち、漸く完成したぞー!


いやー、まさか三つの派閥の中央に師匠の建物があるなんて思わなかったよ。


とりあえず師匠の建物を地下に移した。


下の士やら岩やらを魔術で消してね。


ただ、そんな荒工事だと壊れるかもしれないから補強もして。


うん、大丈夫な筈だ。


さて、それじゃあこのシステムが成功するかを試してみましょうか。

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