???サイド4
ゆみサイド
雰囲気が変わった。
何よあの瞳。
最初はただの強い人かと思ったけど今、この瞳を見て分かった。
この人は私達と同じ、同類ね。
ふふ、そう考えると良い方向に進められるかも。
あの人を私のように傷付けるのを好きなサディストに堕とせば良いのよ。
ああいう人は快楽を求める。
それを傷付ける事にすれば………。
ふふふ、私はより傷付け易くなるわ。
なら今からその計画でも立てようかしら。
恐らく私達のように過去にそうなる影響があったのでしょうからそれを刺激して…………
フォスサイド
ああ、この雰囲気は…………。
いつもよりも冷酷で、冷淡な、そんな雰囲気。
そして同時にその雰囲気が瞳にある。
その瞳で見られたら、私は私は………。
ダメね、そんな事を考えては………。
私は主様に捨てられたく無い。
また捨てられたら私はもう壊れてしまうかもしれない。
ならするべき事は一つのみ。
主様に嫌われ無いように、捨てられ無いように使えるようにならないと。
そう改めて彼女は主の冷酷さを見て決断した。
ムシュサイド
我の名はムシュ。
現在お留守番中だ。
はぁ。
このお留守番中に何度吐いたか分からない程したため息を繰り返す。
流石にずっと竜力の感知と操作を鍛えるのはキツイよ。
あー、我に竜術などなければ見に行けたのだろうか。
いや、恐らく竜術が無かったら殺されてたな。
そう考えても呪わずには居られない。
はぁ、するしか無いか。
結局訓練をするしか無いという結論に至り、再び訓練をするムシュであった。
この国の国民の一人サイド
なんだよあの戦いは………。
俺達との戦いでは一切本気を出して無かったって事かよ…………。
はは、ここまでの強さだと笑けてくるな。
はぁ、とはいえ俺達はこいつに下った。
なるべく良い奴だと願うしか無いな。
ま、国を滅ぼした奴が良い奴な訳ねぇか。
シムサイド
この国を滅ぼす!?
そうこの白髪の彼はそう言った。
正直その言葉を聞いた時は少し期待してしまったが無理に決まってる。
そう思ってた。
だがあの狼が彼だと聞いた時は可能なのかと思った。
思ってしまったのだ。
勿論嘘の可能性もあったがもう俺達は滅ぼしたいと、滅ぼすと考えた。
例えどんな願いだろうが俺はここまで付いて来てくれたミシルとヒスイが大丈夫なら良かった。
だがミシルは守られるのは嫌だと言ったから最低条件としてヒスイが痛い思いしなければ良いと。
そう決めた。
だが現実は非情で抵抗をするなと言われ抵抗をしなかったら意識が無くなった。
あの時あんな好都合な提案がある訳無いと思考を巡らせれば良かった。
後悔が山のように沸いてくる。
だけど既になってしまった事だ。
だから俺はそれを挽回する為に行動しよう。
それが俺が出来る唯一の償いだ。
???サイド
あの人なら…………あの人なら。
僕達を救ってくれるかもしれない。
いや、僕はいい。
皆をこの地獄から救ってくれるかもしれない。
僕がどうなろうとも皆を救ってくれるなら。
よし、ならお願いしに行こう。
皆を救って下さい、と。




