ケイサイド11
この世界に来てから大分経った。
一番の進歩としては国造りを達成出来、色々な機能が追加された事だな。
まず一つ目としては教会だ。
教会はこの世界で信仰されていた神様では無くこの村で昔から信仰されていた神様を祀っている。
本当は俺達の出身、日本の有名な神様である天照大神様とか月読命様とかを祀ろうかと思ったんだけど。
この村人達が絶対にネリア神様を祀るって言ってね。
前に言った天変地異もそのネリア神様のお陰で生き延びられた。
なのに別の神様を祀ったら祟りが訪れるってめちゃくちゃ一生懸命言って来たんだ。
流石にそこまで言われたらしない訳にはいけないからそのネリア神様を祀る教会にしたんだ。
だけどライによるとネリアってこのゲームを開発した会社の名前らしい。
うん、そんなに会社の名前をアピールしたいんだって思ったわ。
因みにこの教会の構造としては鉱山から白い石を取って来て、それをカールさんが樹術で繋げて石工の人がそれを磨いたりしてって結構手間が掛かったんだよね。
外観としてはいかにもな白い教会になっている。
中も凄くてたくさんの長椅子を木工の人が作ってそれにレインさんが編んだタペストリーを掛けてっていう感じだ。
うん、めちゃくちゃそれっぽい。
そして中央にはネリア神様の像がある。
正直この像は村人が考えるネリア神様の像なんだけどこれを見た時めちゃくちゃ驚いたわ。
これ、ステータス時に説明してくれたえーっとリサ?っていうAIにそっくりだったんだ。
うん、まさかだよね。
まさか過ぎたしこの教会に来た人達もかなり驚いてたわ。
そうだ、それと新しく追加された職業があるんだよね。
それが神官。
その神官っていう職業になると自動的に力が神力に変わるらしいんだ。
因みに神力の概要としては、端的に言うと相手を回復させる為の力なんだけどカールさんによると成長の促進効果らしい。
で、回復は自己治癒能力の促進っていう一部の効果でしかないんだって。
うん、良く分からないな。
それと今頃神官になろうっていう人は殆どいないらしい。
その職業になるとその教会の管理もしないといけないらしいからだね。
うん、人気が無いのも納得だ。
今度また差し入れでもしようかな。
さて、教会についてはこんな感じかな。
後他に追加されたのは法律だ。
法律は単純明快、現実世界であるのと同じだね。
あ、因みに法律を作る為に必要な城はとりあえずこの国の一番奥の方に作った。
まあまだ小屋なんだけどね。
さて、それじゃあ法律の作り方を話そうか。
まず誰かが法律を提案したとする。
そうしたらそれをこの国に居る人を全員集めてその提案を発表する。
うん、この時点で大変だな。
そしてその提案に7割当たりの人が賛成したらその法律は正式に法律となる。
因みに現在ある法律はこれ。
法律
他人の私物の窃盗を禁じる。
人殺しを禁じる。 他人を騙す事を禁じる。
他人に障害を与える事を禁じる。
こんな感じだ。
因みにこの法律は新しくメニューに加わった法律リストにある。
そしてその犯行をしたという現場を見たら法律を破ったという事になる。
でも犯行をしていてもそれが犯行だと気付けないと法律を破ったっていう認識は無いし、この法律はこの国限定だから国の端にある柵を越えた先の犯罪は分からない。
結構欠陥も多いんだよね。
そしてその法律を破った人、犯罪者は空いてる小屋に入れると出れなくなる。
なぜかそこでは食欲が無いみたいだからわざわざ食事を出したりしなくても良いっていうのは便利だよね。
そしてそこから出る方法は2通りある。
まずはその犯罪の懲役を果たして出る方法。
そして二つ目は国のリーダーである俺が許可する方法なんだよね。
うん、これって簡単に犯罪者とか俺が許可したら出せるから結構責任重大なんだ。
あ、それと懲役については警察みたいな役割の人に犯罪の質、数で決めて貰っている。
そしてその懲役と罪状はこっちに送られて来る。
うん、大事な事だからリーダーである俺が見ないといけないのは分かる。
けどこの量は無いでしょ。
毎日それを見るのに合計で大体2時間位掛かるんだよ。
多すぎでしょ!
はぁ、まあ法律についてはこんな感じかな。
え?他に追加された事?
そうだなー…………あ!
仕事っていう役割も追加されたな。
これは一人一人この国に住んでる人に課せられる仕事が勝手に決めて貰えるんだ。
あ、因みにこの国に住んでるっていうのは住民登録している人の事ね。
それと住民登録っていうのは条件としてその国に居ればメニューから簡単に出来るみたい。
誰でも簡単に登録出来るって事だね。
まあその住民登録された住民リストが俺のメニューから見れるんだけど、めちゃくちゃヤバい。
なんてったって量がもう十数万人とかあるんだもん。
それに何かこの国に住んでる村人………あ、もう国だから国民?臣民?まあ何でも良いんだけどその人達も含まれてるんだよね。
しかもこの国で子供とか生まれたら自動的に住民登録を親が出来るみたいだし。
数がヤバくて全部管理は無理!
あ、大分話逸れたな。
えーっと追加された仕事だっけ?
その仕事は何やら運営が勝手にそれぞれの行動、職業からその仕事を振り分けてるらしい。
そしてその仕事をの量や質によって経験値が貰える。
つまりそれほど損は無い訳だね。
あ、因みにその仕事が嫌だっていうクレームはしたい仕事をしたいっていう感じの事だけで仕事が嫌だっていう感じのはないね。
うん、あの量の人数の住民を全て的確な仕事を配分する運営凄いよね。
さて、追加されたのはこんな所かな。
あ、因みに今俺は木を切ってる。
それが今日の仕事だね。
普通は仕事が変わるなんて事ほとんど無いらしいんだけど俺は毎日のように変わるんだよね。
木を切るのは特に必要な事が無い時の仕事だ。
いずれ運営がこうやって勝手に仕事を決めなくてもこっちでそういう事管理出来るようになれば良いなー。
だってこのままだとこれから生まれて来た子供とかの将来を勝手に決める事になっちゃうからね。
職業の自由とかも保証しないと。
あ、そういえば話して無かったけどサボっても特に影響は無いみたい。
何故かサボりが出ても仕事の内容が変わってそのサボりをカバー出来る用になるらしい。
まあでも普通に狩りとかするよりも経験値は多いらしいから仕事をしない人は少ない。
それこそ一日中狩りをしまくったりしない限りその経験値を越える事は無い。
それにサボると周りとの関係とかも悪くなるからね。
うん?チャットが来た。
チャット
「怪しい奴が来た。今すぐ作業を中止して収容所に来てくれ」
怪しい奴………ソロプレイヤーか?
ソロプレイヤーが来る事はまあまああるんだけど怪しい奴っていうのは初めて聞いたな。
とりあえず行ってみるか。
……………………………
………………
……
「お、来たか」
「はい、ヤナセさん」
目の前には金髪の男性がいる。
門番をしているヤナセさんだ。
「実はな……………」
「…………って訳なんだ」
ヤナセさんから事情を聞いた。
「なるほど、めちゃくちゃ怪しいな」
「私もそう思う」
「そうだな」
そしてその間にシズクとライが来た。
たまたま通り掛かったそうだ。
「とりあえず呼んで来るから待ってろ」
うーん、そんなに怪しい人どんな感じなんだろう。
女性っぽい男性って聞いたけど。
暫くするとヤナセさんが黒髪の女性を連れて来た。
「お、君がイース?」
めちゃくちゃ女の子じゃん。
「女の子にしか見えないわ」
「そうだな」
ライとシズクもそう思ったみたいだ。
「それで、僕に対する処遇はどうするの?」
お、結構口調強いな。
「ああ、イースは俺達と一緒に行動してもらう」
一先ずさっきの話を聞いた時にヤナセさんに話した結論を言おうか。
「つまり24時間監視されるって事か」
「えーっと………」
物凄く直球に言うとそうなるけど流石に認めずらい。
「そうだな」
「ちょっとライさんそんなはっきり言って」
「あ?誤魔化した所で変わらねぇだろ」
「そ、そうですけど」
あー、ライ………まあ確かに誤魔化した所で変わらないけど………いやでもそこは包んで言った方が。
「それじゃあこれからよろしくお願いします」
え、直ぐにイース………君?は承諾した。
そんなに簡単に決められる事かなぁ。
まあ人それぞれの考え方があるしな。
とりあえず、
「ああ、とりあえず今日は住んでる家で自己紹介でもしようか」
「そうだね、じゃあこっちに付いておいで」
そう言って俺達は家へ案内した。
「ここだよ」
「まあ正確に言うとここはケイの家で俺達は違うんだがな」
うん、そうだね。
「じゃあどうぞ」
うーん、こう改まって家を紹介するの恥ずかしいな。
中には机と椅子があるだけで他には細かい道具が散乱していた。
やっべー!急だったから掃除してねー!
「汚いね」
うっ心に刺さる。
「ああ、普段から片付けろって言ってるんだがな」
「だって収納するスペースが無いしわざわざ出すの面倒臭いじゃん」
面倒臭がりなんだよ俺は!
「いい加減タンスでも買ったら?」
あー、そうした方が良いかもな。
「うーん、そんなに物多く無いから必要無いって思ってたけどそろそろ買わないとだな」
……………あ、イース………君?の事忘れてた。
「っとごめん、自己紹介ね。俺の名前はケイ、この国のリーダーをしている」
自己紹介、こんな感じで良いかな。
「俺はライ、役割としてはサポートみたいな所だな。一応この中だと最年長だし頼ってくれよ」
「私はシズク、私は精霊使いね」
「えーっと僕の名前はイース、ソロプレイヤーだったんだけど色々考えてこの国に来た亜人だよ」
「因みに僕は男です!」
凄く主張が強い。
うん、全然そう見えないけど。
「あ、ああ、分かった」
「うーん、これは洋服とか整えたら可愛くなりそうね」
「女…………女か?」
あー、ライもシズクもそこは気遣って認めて…………いやまあ確かに認めずらいけど。




