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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
4章 下克上
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イースサイド8

人化の訓練を開始して数ヶ月程経った。


正直こんなにキツいとは思わなかったよ!


まだ一切手掛かりも掴めてないし。


そして今ある問題が発生している。


めちゃくちゃ暑いんだ!


季節は夏、現代の日本はクーラーが無いと生きていけないと言われているが、この世界もそうなのか………。


いや、僕はそれほど気にしてない。


普通に氷を生み出せるし。


因みにナイトは骨だし暑さは感じず、ミルに至っては実体がないから関係無い訳だ。


だが、現代にいる動物のような魔物プレイヤーはそうはいかない。


暑さは感じるし、特に毛皮のある種族はヤバいらしい。


だが、この森にいる魔物は慣れているのか通常通りに動いている為、離れた所に行って普段では負ける筈の無い魔物に殺され、リスポーンしたりしている。


大多数の人が世界樹さんに頼んだんだけど、


『ダメだ、それではわしが毎年面倒を見なくてはいけないじゃないか、我慢だ』


って言われて皆頑張ってそれぞれの術で暑さを凌げるように練習している。


あ、因みにミルとは人化の練習の時に話して仲良くなった。


ミルはずっとこの集落に居たんだけど幽霊だから世界樹さん以外に気付いて貰えなかったんだって。


で、ずっと世界樹さんに術の使い方とか聞いて、闘技大会の時には見られない特性を利用して倒しまくって、時には逃げて、トーナメントに出れた。


そこで僕と戦って負けた。


その後願い事で自分が指定した人には姿が見える用にする事を願って僕達が姿を見る事が出来た訳だ。


そこで僕は気になって積極的に話し掛けて仲良くなった。


あ、そういえばこの前ナイトとミルと集団でのチャットでこんな事を話してたんだよね。



チャット


「ねぇねぇ、そういえばどうしてミルは幽霊なのかな?」


「え?私は…………地味だからかな?」


「俺はオリジンモンスターだった頃の行動が影響してると思うぜ」


「え?なんで?」


「いやー、俺な、オリジンモンスターだった時50回位死んだんだよな」


「なるほど、沢山死んだから骨になったって事か」


「って死に過ぎでしょ!!何があったの?」


「いやー、近くの木を軽く揺すったら鳥の巣が落ちて来てな」


「あー」


「展開が予想出来るわ」


「そのままその巣が落ちて卵が割れたんだ」


「最低ね」


「ナイトひど!」


「俺もそんな所に巣があるなんて思わなかったんだ!」


「で、タイミングが良いのか悪いのか親鳥が帰って来てめちゃくちゃ怒ってな」


「あーあ」


「終わったわね」


「そのまま俺は殺され、その巣の近くに居たから親鳥が殺し損ねたと思ったのか何度も何度も殺して、それが大体50回位って訳だ」


「完全にナイトが悪い」


「私もそう思う」


「ま、まあそれは今は良いだろ、ミルは?」


「わ、私は…………大体、100回とか」


「100回!?」


「おいおい、俺より断然多いじゃねーか。何やらかしたんだ?」


「何もしてないわよ」


「まず、このゲームに来た瞬間猪に退かれて死んだわ」


「あーあ」


「それは運が悪いな」


「それが群れでね」


「もしかして………」


「ええ、復活した瞬間に殺されるのを何回もしたわ」


「このゲーム打撃耐性とか無いから打たれ損だな」


「勿論それだけじゃないわ」


「その後鳥が何故か私の事を持って連れて行ったの」


「それじゃあ人間プレイヤーの集落とか分かるのか?」


「ええ、でもそれはまた今度」


「そして私は暫くしたら何故か落とされて、復活した時にはそこに狼の群れが大量に居て、そしてそこで残りの回数分殺されたわ」


「運悪過ぎじゃないか?」


「元から?」


「いえ、そんなに運が悪い記憶は無いのだけど」


「じゃあどうやって進化したの?」


「そうね、殺される時に痛みが無い事からメニューを発見してそこから掲示板を見て少しずつ虫を殺して………ふふ」


「あれ?どうしたの?」


「本当の地獄を味わったわ」


「御愁傷様」


「イースはどうなの?」


「僕?僕はね……………」

……………………………

…………………

……


「へー、あなたは全然苦労してないのね」


「ま、それが普通だろうよ」


「うん、ごめんね」


「そろそろ人化の訓練しないとだな」


「そうね」


「頑張らないと!」



ってな感じ。


また今度一緒に話そうかな?


さて、じゃあ僕もそろそろ人化の訓練をしようか!

…………………………

………………

……


あれから数ヶ月の時が経った。


今日は10月31日、ハロウィンだ。


だけどそれより言わせて欲しい。


どんだけ人化に時間が掛かるんだ!


もう始めてから大体5、6ヶ月掛かってるよ?


そろそろ良いって言われてからこんなに経ったんだよ!


それもう人化の練習するのが早すぎただけでしょ!


おかしいよ!


でも今日それを言ったら、


『ほっほっほ、そんなに早く人化が出来るとは思ってないわ、なんなら変化なんて十年位掛かるんじゃないか?』


って返されたんだ。


だったらもっと早く言って欲しいよ!


っていう感じで今日は朝から怒ってたんだけど、それよりも今はイベントだ。


今日の20時からお化けが出るから22時まで仮装してばれない用に。


成功したらプレゼントを貰える。


要約するとこんな感じだ。


後見つかったら何かが無くなるって。


うん、その何かがよく分からないけどプレゼントを目指して頑張るぞ!


じゃあちょっと仮装して来よう。



40分後…………


いやー、仮装する内容は30分位で決まったんだけどそれがスライムじゃ着られないってなってね。


着れる中で探したら思ったより時間掛かっちゃったよ。


で、僕の仮装は魔女!


帽子とローブを羽織ったを持ったね。


本当は女の子の衣装を着るのは嫌だったんだけどもう一つの候補だと被っちゃうからしょうがなくね。


そして今度はナイト!


一緒に仮装した衣装をミルが見せ合おうって提案したから今一緒にいる。


ナイトはもう骸骨って時点でお化けなんだけどそこに包帯をぐるぐるに巻いたミイラだ。


うん、目の部分?は開けてるんだけど眼球無いから怖さが増してるよ。


あ、僕が候補としてたのはこっちじゃないよ?


僕が候補としてたのはミルと同じ幽霊だったんだ。


いや、ミルは幽霊なんだけど何かよくあるじゃん、目の部分だけ開けて布を被った奴。


それが仮装としてあったんだ。


ただ、これが凄くてミルは幽霊だから物体は透過するのにそれは被れるようになってたんだ。


他のものではする抜けちゃうから必然的にそうなって、それだったら僕は被るよりも魔女になるかって決めたんだ。


はぁ、自分で女装してるみたいで恥ずかしいよ。


ん?あ、もうすぐ始まるな。


3、2、1、スタート!


うーん、どこだ?


は!危機感知に反応が!


因みに危機感知は新しくあれで買ったスキルだ。


水かけて来たーー!


っていうか水かける道具バケツじゃん!


いや、とにかく防がないと!


創造魔法で、低温を創造!


パキパキッ


この創造魔法はお願いをする時に「魔法が一々別々なのが面倒だから一つにして!」って頼んだんだ。


勿論その前に「この世界から出して下さい」って頼んだよ。


ダメだったけど。


で、もっと良いって言われたから今度は「吸収スキルが食事しか活用出来て無いから使い易くして」ってたのんで今度は種族固有スキル、万能吸収を手に入れたんだ。


このスキルは吸収では出来なかった力を吸収する事が出来るんだ。


実際魔力感知で前までは身体の中心?しか感知出来なかったんだけど今はその周囲に漂っているものがあってそれを吸収出来たんだ。


恐らくあれも力だと思うし、それなら簡単に魔力を回復させる能力を手に入れたって事でしょ?


かなり使えるようになったよ。


後はあれで触手の活用法っていうのを買って戦い方を学んだって感じかな。


因みにナイトは剣の知識を貰ったらしい。


今まで独学でやってたんだけど負けてそれじゃあ足りないって思って貰ったらしい。


今も頑張ってその練習をしているよ。


まあ、それはさておきかなり危険だったよ!


何これ!これがハロウィン!?


これを後2時間防ぎ続けろって?


一回しかやられてないけどもう無理だって分かったよ!


うわ!今度は泥?


酸生成スキルで酸を出して触手に塗って溶かしながら移動!


これも触手の活用法に載ってたんだ。


スライムは移動が遅いから避けると間に合わないんだよねぇ。


周りを見てみると阿鼻叫喚だった。


うん、見なかった事にしよう。

………………………………

……………………

……


に、二時間経った………。


これはキツイよ。


プレゼントは「ボンッ」うわ!


えーっとお菓子とカボチャのランタンか。


お菓子はともかくランタンはありがたいな。


この集落には明かりは無い。


まあ、作れる訳…………あ!


僕造れるじゃん!


何してんだよ僕。


すっかり忘れてたよ。


あれ?だとするといらない物じゃないか?


お菓子は味を感じないし、ランタンは自分で造れるし。


うん、お菓子は誰かにあげよう。


ランタンは………考えないようにしよう。

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