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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
4章 下克上
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イースサイド7

えーっと、ああ、戻って来たのか。


皆も続々と状況を把握している。


『ほっほっほ、漸く戻って来たか』


こっちでの時間経過はどうなってるんだ?


『呼ばれてから大体3日程かのぉ』


3日か、あれ?そんなに闘技大会会場にいたか?


『さて、中々にレベルが上がった者も多いし再び訓練を始めるかのぉ』


えー、また?そろそろ人化使えても良いんじゃない?


『ん?人化か?そうじゃな…………この中の数人なら出来るかもしれないのぉ』


本当!?


あ、でも僕じゃない可能性もあるのか………


『そうじゃな、今から名前を呼ぶから呼ばれた者はわしの下で待っとれ』


はーい。


『えー、ミーン、ナイト、ミル、イースの四人じゃな』


やった!僕呼ばれた!


ナイトは知ってる。


えーっとミーンは、確かヨルムンガントって呼ばれていた蛇だよね。


ミルは幽霊だった筈。


ん?あれミルじゃないか?


目の前には半透明の幽霊が居た。


何で見えてるんだ?


あれ?


まあとりあえず移動するか。


『今わしに呼ばれなかった者はいつも通り魔力操作を鍛えよ』


『さて、それではお主らには人化を覚えて貰う』


はーい。


『とはいえわしも初の試みだからのぉ』


!?初の?え?あれ?


『まあ頑張るのじゃ』


「人化という技術があるのじゃ」って言ってなかった?


『む?確かに言ったぞ、わしがあの時思い付いた技術で試した事はないがのぉ』


えー、一気に不安になったよ。


『さて、それじゃあ人化の方法を教えよう』


『本来人化とは変化スキルを鍛え、自力で人形に似せてするものじゃ』


『だが、お主らの記憶を見るに、元は人間だったのじゃろ?』


え?記憶を見た?


『生物は基本的に自分の身体の構造を無意識に理解しているのじゃ』


『それは記憶ではなく言うならば記録としてじゃな』


『それは身体が変わっても残り続ける筈じゃ』


『その記録を頼りに自分の力に合った変化をする』


『それが人化の方法じゃ』


うーんと、簡単に言うと記憶を頼りに自分の身体を魔力等で変えろって事か。


無理じゃないか?


『まあ、頑張るのじゃ』


そう言って終わった。


とりあえずやってみるか。


自分の記憶を辿る。


まずその時点で訳分かんないよ。


来る日も来る日もそれを続けた。


次々と人化を習える人が増えて行った。


そしてそれを続けて大体1年が経過した時、


僕は現在のスライムである身体の構造を理解した。


いや、理解出来てたものを認識した。


自分の身体は身体の中央にあるよく分からない模様がレベルアップと同時に身体を強化していた。


その度に身体の表面が固くなる。


力が強くなる等だ。


そして一定以上の傷を負うと、その模様が機能しなくなり、死ぬ事になる。


それが認識出来た。


そして開始から3年、漸く人間だった頃の構造を認識が出来た。


漸くここまで来たとめちゃくちゃ嬉しかったよ。


だが、やはりここからが鬼門だった。


どうやって人化をするか。


それが中々に難しかった。


本来魔力は造り出す事に長けており、変化はどちらかというと操作だ。


だから僕は自分の身体を生み出す事にした。


というかそれ以外方法が殆ど無かった。


だが、それはそれほど単純な話ではなかった。


次々と人化を成功させる中、僕は新しい身体を生み出す為、そしてそこに魂を移し変える為の魔法を使える用になる為に頑張って進化や練習を繰り返した。


そして漸く5年後、成功した。


「あ、あー、あー」


「成功した?うん、成功だ。やったやったやったーー!!」


「お、イース、漸く成功したか」


そこには黒髪で少しおどらおどろしい雰囲気を纏った青年が立っていた。


「うん、漸く成功したよ、ナイト!」


ナイトだ。


「えーっとイースって本当に女の子じゃないのよね」


そしてもう一人、どこかミステリアスな雰囲気を纏った女性が立っていた。


「うん、そうだよ、ミル!」


ミルだ。


さて、この問答で分かっただろう。


僕はいわゆる男の娘と呼ばれる人種だ。


昔からそれの影響で友達と言える人がほとんどいなかった。


でもそれ以上に…………いや、今それを考える事じゃないな。


「どうかしたのか?」


「大丈夫?」


今こうして心配をしてくれる友達がいる。


それだけで過去を忘れられそうだ。


「うん、さあ、人間達に遅れをとらない用に遅くなったけど国造りを始めよ!」


「そうだな」


「うん!」

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