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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
3章 闘技大会
34/177

???サイド2

ナイトサイド


次は俺か。


正直一対一は得意分野じゃないから勝てる気がしないな。


「ナイトさん、第六回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「カタカタ」


喋れないから取り敢えず歯を鳴らした。


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第六回戦が始まりました」


「六回戦目に出場するのは、このお二人!」


「ナイト選手、この魔物(ひと)は幾人ものプレイヤーを残虐な手法で殺し、その姿を見た者は生きて帰らなかったとか何とか」


「殺された人は畏怖を込めてこう彼をこう言った!!」


地獄の兵士(ヘルソルジャー)と」


「わあぁぁぁーー!!」


「対してこちらはゆみ選手!」


「この人は相手を傷付けじわじわとなぶり殺し、それが手法ではなく只傷付いている姿を見たいという真正のサディストだーー!!」


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第六回戦開始!」


俺の力は呪力。


呪いの力だ。


性質としては操作だろうが何を造ろうが何でも出来る。


これだけを聞けばかなり強いと思うだろうが、この力には重大な欠点がある。


それはその力の持つ者の言う事を聞かないのだ。


通常力というのは性質がそれぞれ違うが、それでも術者のやりようによっては使える力なのだ。


その術者が何かをしたいと思えばそう出来るし、出来なくてもそれは術者の技術が足りないだけ。


だが、呪力は何かをそうしたいと考えても中途半端に変化するがそれまでといった感じだ。


それではまるで役に立たない力と思っただろうが、そこで鍵になるのは死んだ人だ。


死んだ人には暫くの間残留思念という思念が残る。


これは死んだ人のやり残した事、最後に考えた事が主なものだな。


この残留思念には呪力が反応する。


それを呪文として思念に沿った形で自身の思念を乗せると漸く呪術が発生する。


この残留思念に沿らないと発動出来ないのが注意点だな。


それにしても残留思念の内容が分かるのは何故だろうか。


いや、今考える事じゃないな。


さて、もう気付いただろうが、一対一だともう呪術を使う事は無理だ。


すなわち純粋な剣による勝負になってしまう。


…………うん、負けたな。


相手の方が短剣の扱いが上手いしこっちはもう傷だらけだ。


はぁ、俺はもう無理だから頑張れよ、イース。











イースサイド


はぁ、ナイト負けちゃったか。


ナイトの仇を討る為にも頑張らないとだ!


「イースさん、第七回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「はーい」


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第七回戦が始まりました」


「七回戦目に出場するのは、このお二人!」


あれ?相手どこだ?


「イース選手、この魔物(ひと)は数多の魔法をつかってプレイヤーを殺し、その魔法の美しさはまるで夜空に光る星」


「そんな彼を人々はこう言った。賢者と!!」


なんか言い方が詩人みたいだなぁ。


「わあぁぁぁーー!!」


「対してこちらはミル選手!」


「この魔物(ひと)は霊体であり、周りは見えず、物理攻撃無効!!」


「その特性を使った暗殺によって幾人のプレイヤーを殺したまさに死霊(デススピリット)


え!?物理攻撃無効?


どうしろと…………ああ、こうすれば良いのか。


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第七回戦開始!」


僕の魔力感知は魔力だけでなくあらゆる力を感知する。


僕はその幽霊を力の塊と予想した。


恐らく近付いたら感知出来るだろう。


……………居た!


それに魔力塊で攻撃!


「試合終ー了!」


「わあぁぁぁーー!!」


「あーあ、また超短時間じゃん。あー、もっと長く戦ってくれないかしら」











ケイサイド


次は俺か。


ログアウトする為にもここで勝たないと………。


「ケイさん、第八回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「分かりました」


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第八回戦が始まりました」


「八回戦目に出場するのは、このお二人!」


「ケイ選手、この人は人間プレイヤーのリーダーであり、人々の希望!まさに言うならば勇者!」


勇者って…………俺は大事な時に動けなかったのに………。


「見事に勝ち進んでログアウトをする事が出来るのか!」


「わあぁぁぁーーー!!」


「対してこちらはケント選手!」


「この人は荒々しく力強い拳で敵を倒し、数多くのプレイヤーを倒したトップクラスのプレイヤー!!」


「ライを鬼剣とするならばこちらは鬼拳と言えるだろう!」


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第八回戦開始!」


正直俺より強い人なんて沢山いるし、皆ログアウトしたいだろうから俺がわざわざ勝たなくてもログアウト出来ると思う。


だけど何故だろう。


勝たないと、勝ち抜かないといけない気がするんだ。


だから俺は勝つ!


皆をログアウトさせる為にも。


戦いは苛烈を極めた。


相手は仙術の類いは一切使わなかったが、熊の亜人だけあり、力はあの鬼と互角といった感じだ。


だが、それ以上に相手は荒々しさの中にも巧みな技術があり、そう簡単に勝てる相手ではなかった。


仙術と今ある技術でどうにか互角といった感じだ。


だが、終わりは唐突に来た。


やはり持久戦は合わなかったのだろう。


変なタイミングで攻撃を仕掛けてしまい、その隙を突く事によって勝ちを取った。


テッテレ~

『ケイの回避スキルのレベルが6になった!』

『ケイの予測スキルのレベルが6になった!』


「試合終ー了!」


「わあぁぁぁーー!!」


やっぱり殺す感触には慣れない。


あんなにプレイヤーを殺したというのに。


「そいそう、こういうバトルを見たかったんだよ!」


これから先この人以上のプレイヤーと戦う。


「……………ははっ勝てる気がしないな」


大きな不安を残してこの試合は幕を閉じた。











レンサイド


次は俺の番か。


正直負ける気がしないな。


毒耐性のお陰で毒はほとんど効かなかったし。


ただ、この戦いで持ってくる毒がどの位強力かが鍵になる。


まあ、拘束された時に我の毒で殺せないって言ってたし、多分一通り試したと思うんだよなぁ。


「レンさん、第九回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「分かりました」


考えても仕方ない、実戦で如何に動けるかだな。


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第九回戦が始まりました」


「九回戦目に出場するのは、このお二人!」


「カール選手、この人は毒薬を巧みに扱い付いた名は神薬の薬師!」


「その名の通りに毒を巧みに使い、こいつを打ち倒す事が出来るのか!」


「わあぁぁぁーー!!」


「対してこちらはレン選手!」


「この魔物(ひと)は数多のプレイヤーを倒し、付いた名は地獄の狼(ヘルウルフ)!!」


「その名の通りの地獄を相手に見せられるのか!」


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第九回戦開始!」


さあ、相手はどう出る?


カールはそのまま両手を上げ、


「降参します」


そう言った。


まあ、そうだよな。


毒薬はあの時に試しただろうし、薬造ってたんだから肉弾戦は無理だろうし。


更に言えばああいう人は無駄な事はしない。


まあ、俺にも言えるけど。


「降参したーー!!カール選手この大会初の降参をしましたーー!!」


「なのでレン選手の不戦勝だーー!!」


「なんで全然戦わねぇーんだよーー!!」


そんな事言われてもな。











シズクサイド


はぁ、次は私の試合ね。


正直あの鬼と闘うのが怖いの。


しっかりイメージ(・・・・)はしてるんだけど…………。


「シズクさん、第十回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「分かりました」


大丈夫、イメージ通り(・・・・・)すれば。


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第十回戦が始まりました」


「十回戦目に出場するのは、このお二人!」


「サキ選手、この魔物(ひと)は数多の人間を喰らった食人鬼(グール)!」


「この鬼は聖女の血肉を喰らう事が出来るのか!!」


「わあぁぁぁーー!!」


「対してこちらはシズク選手!」


「この人は精霊を使った魔法で数多のプレイヤーを殺したプレイヤー!」


「精霊は見えないものの会話をしている姿が幻想的で数多のプレイヤーを虜にした聖女だーー!!」


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第十回戦開始!」


深呼吸、落ち着きなさい。


あの鬼が動くパターンは決まってる。


イメージ(・・・・)通りに動いてる。


よし、そしてそこから予想出来る場所に精霊術を!


「精霊さん、あそこに火をお願い」


ボッ


「ギャガーーーー!!」


バタリ


うっ断末魔。


これ、私がやったのよね。


「試合終ー了ー!!」


「勝者シズク!」


「ああもう、なんで毎回こんななの!もう嫌!」


今まで殺した人は痛覚を0にしてる人が多くて実感がなかったけど、殺すってそういう事よね。


この世界で生きるにはそれに慣れないといけない。


ケイ君の手助けをする為にも。











ライサイド


シズクは勝てたか。


俺は恐らく負けるだろう。


「ライさん、第十一回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「分かった」


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第十回戦が始まりました」


「十回戦目に出場するのは、このお二人!」


「ライ選手、この人は鬼のように力強い剣から別名鬼剣!」


「その力強さでサディストを殺す事は出来るのか!!」


「わあぁぁぁーー!!」


「対してこちらはゆみ選手!」


「この人は相手を短剣で傷付けてなぶり殺し、それ悦を感じるという生粋のサディストだーー!!」


「その手腕で鬼剣を殺す事は出来るのか!」


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第十回戦開始!」


まず、満足に剣を扱えてない奴が満足に短剣を扱えてる奴に勝てる通りがない。


今はとりあえず強引だが防げてる。


しかし、無理に動いてるからか体力の減りがヤバい。


いずれ防ぎ切れずに殺されるだろう。


シズク、ケイ、どうにか勝ち抜いて皆をログアウトをさせてくれ!











ケイサイド


ライさんが負けちゃったか。


俺の相手はあのスライム。


正直魔物は基本人間よりも強いし、勝てる気がしない。


スライムってゲームでは弱いのにこういう時は強いよな。


「ケイさん、第十二回戦が開始するので、付いて来て下さい」


「分かりました」


「わあぁぁぁーー!!」


「さあ、第十二回戦が始まりました」


「十二回戦目に出場するのは、このお二人!」


「イース選手、この魔物(ひと)は魔物プレイヤーのリーダーである、魔王と言っても良いだろう!」


魔王!?


俺達の協力を断った相手だって言うのか?


「数多の魔法を使うその様は賢者そのもの!!」


「勇者に勝つ事は出来るのか!?」


「わあぁぁぁーー!!」


「対してこちらはケイ選手!」


「人類の希望の星であり、勇者!」


え!?


「いや、その清純さ清らかさを言うならばこう呼ぼう!聖者と!」


いやいやめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!?


「勇者VS魔王、人類と魔物の代表の戦いがここにあり!!」


「わあぁぁぁーー!!」


「それでは第十二回戦開始!」


魔物プレイヤーのリーダーというなら尚更勝たないと!


ついでに勇者っていう呼び名を無くしたい!


戦いはかなりの困難を極めた。


通常、人間は数の力、魔物は個の力が強い。


それでも直ぐに決着が着かなかったのは一重に彼の精神力故だろう。


だが、身体がそれに追い付かなければ意味がない。


「ガハッ」


くそっ目が霞んで見えない。


思考も朧気だ。


後は頼んだ…………シズク………。

次回は掲示板です。



トーナメント

         優勝

         |

     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

  | ̄ ̄ ̄ ̄|       | ̄ ̄ ̄ ̄|

  3     7     12    13  

                

                   


倒されてない選手      負けた選手   

3レン 7シズク   1ハイド 2カール  4 サン

12ゆみ 13イース  5サキ 6ミキ 8ミーン

          9ライ 10カイル  11ナイト

          14ミル 15ケイ 16ケント

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