???サイド1
第一回戦
カールサイド
ふぅ、一回戦目から私……いや、我の出番か。
いい加減我っていうキャラに慣れないとだな。
「カールさん、第一回戦が開始するので、付いて来て下さい」
「分かりました」
毒薬と解毒薬はしっかりと用意してある。
用意した中でもかなりの劇薬だ。
よし、これなら勝てるだろう。
「わあぁぁぁーー!!」
あれ?観戦はテレビじゃなかったのか?
「レディースアーンドジェントルマーン!」
「わあぁぁぁーー!!」
「第一回、闘技大会トーナメント戦の開幕だーー!」
「わあぁぁぁーー!!」
「実況は私、皆のアイドルシャープちゃんがしまーす!」
「わあぁぁぁーー!!」
「一回戦目に出場するのは、このお二人!」
「ハイド選手、この人はこの闘技大会開始からずっと隠れてやり過ごした凄腕隠者だーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
「対してこちらはカール選手!」
「この人は毒という薬作り出し、それを使って毒への耐性の無い者を殺し回ったまさにマッドサイエンティストーー!」
「わあぁぁぁーー!!」
「それでは第一回戦開始!」
ハイドの方は動かないな。
この気体の毒薬を投げ、解毒薬を飲む。
パリンッ
「ぐっ………あっ…………苦し……………」
「開始僅か数秒で決着が着いたー!!」
「こんな速く決着が着くと誰が予想したでしょうか!!」
「第一回戦勝者、カール!!」
「わあぁぁぁーー!!」
ふむ、やはり毒への耐性が無ければこの通りだな。
問題は毒の効かなかったあの狼がどこにいるか、か。
レンサイド
さて、一回戦も終わったし俺の番だな。
「レンさん、第二回戦が開始するので、付いて来て下さい」
「分かりました」
フォスはどうしよっか。
……………まあ、何かあった時の為に連れて行くか。
『フォス、行くぞ』
『はい』
「さあ、第二回戦が始まりました」
「わあぁぁぁーー!!」
「第二回戦に出場するのはこのお二人!」
「レン選手、この魔物は幾人もの命を奪い、更には集落を一つ落とすと言う偉業を成したまさに北欧神話に登場するフェンリルーー!!」
「そしてその側にいるのはこのゲーム初のテイムモンスターフォスーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
「対する相手はサン選手!!」
「この魔物闘技大会開始から一度も他のプレイヤーに会わなかったという物凄い事をした企画ブレイカーサンーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
え、それヤバ過ぎないか?あんなに居たのに?
「それでは第二回戦開始!」
まあ、良いや。
近寄って、チェンジ!
「がっ!?」
蛇だけど何とかなったな。
「これもまた開始数秒で終ー了ー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
「こんなんじゃ私が実況出来ないじゃないですか!!」
何故か怒られた。
うん、別に早く決着付けたって良いじゃん。
サキサイド
「はぁ、試合よね、残念だわ」
せっかく人と戦えるのに殺しても食べられないなんて………。
「サキさん、第三回戦が開始するので、付いて来て下さい」
「はーい」
殺した後急げば食べられるんじゃないかしら。
「さあ、第三回戦が始まりました」
「わあぁぁぁーー!!」
「第三回戦に出場するのはこのお二人」
「サキ選手、この魔物は沢山の人々を恐怖のどん底に落とし、それを食べるというまさに生粋の食人鬼ーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
「対する相手はミキ選手!!」
「この人は強い相手に当たらなかっただけの只の凡人!秀でた所もなく、劣った部分もないまさに普通の中の普通だーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
ふふ、それなら存分に怖がってくれそうね。
私は食べるのが困難な相手も好きだけど可愛い子も好きよ。
「それでは第三回戦開始!」
開始直後鬼は飛び出して来た。
「ひっ!」
そしてその事に驚き固まったミキを、
ドゴッ
拳で殴った。
「がっ!」
「またまた開始直後に終ー了ー!!」
ふふ、頂きまーす。
「はぁ、また実況する事がな………ってえ!?」
ビチャッグチャッ
「ちょっともう戦いは終わってるよ!?」
「警備員さーん、この人部屋までお願いしまーす!」
うーん、やっぱり人肉は最高ね。
ガシッ
「え、ちょっと放して、食べ途中なの!!」
そしてこの時、この人にも赤黒い紋が浮かび上がっていた事には誰も気付かなかった。
気付けてたら阻止出来たのだろうか。
この時は誰もこの人がああなるとは思わなかっただろう。
シズクサイド
はぁ、次は私の番ね。
皆の前で戦う何てもう緊張が凄い。
でも、私の活躍をケイ君に見られるのは少し嬉しいかも。
でも負けたら…………頑張らないと!
「シズクさん、第四回戦が開始するので、付いて来て下さい」
「分かりました」
ううー緊張するー。
「わあぁぁぁーー!!」
え!?こんなに人がいるの?
「さあ、第四回戦が始まりました」
「四回戦目に出場するのは、このお二人!」
「シズク選手、この人は数多の精霊を使い数多のプレイヤーを葬った精霊使い」
「その外見と華麗に精霊を操る所業はまさに聖女ーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
「対してこちらはミーン選手!」
「この魔物は近寄った相手にデバフや毒を掛けてじわじわと確実に殺すというやり方をし、数多くのプレイヤーを殺したトップクラスのプレイヤー!!」
「サン選手とは違ってしっかりと戦った蛇だー!!」
あ、根に持ってたんだ。
企画壊された事。
「おしくもトップ10には載らなかったが、その用心深い性格と方法はまさに北欧神話のヨルムンガントーー!!」
「わあぁぁぁーー!!」
「それでは第一回戦開始!」
開始直後ミーンは距離を詰めて来た。
ふぅ、深呼吸深呼吸。
「精霊さん、全ての霊力を使って火を彼女へ」
精霊というのは自然の欠片の用なもの。
通常その欠片が集まる事によって人格が出来、精霊は生き物となる。
だが、そんな精霊の食事として適してるのが霊力で、食べ続ける事により欠片が集まらずに生き物へと進化出来る。
この方法が確立されるまで、食糧が無く少しの間しか生物になっても存在出来ないものだったらしい。
そんな精霊に霊力をあげる事によって対価として事象を起こして貰っていた。
だが、精霊が自我を持つ程、願いを完全に聞く事が少なくなる事が分かった。
理由としてはやはり考えてしまうかららしい。
だから廃れる前の人間は自我が芽生えないように定期的に霊力を与えなかった期間があったそうだ。
霊力を与え無いと欠片同士で合わさって生き物になるのだが、それは欠片自身の意識も混ざり、新しい人格になってしまう。
生き物では無いとはいえ人格が消えるのは嫌というぼんやりとした意思があったから霊力を与えた個体はわざわざ合わさろうとはしない為、霊力をあげないという方法が効果的だったのだろう。
その事をヒシリーさんに言われて改めて聞かれた。
「貴女はこの精霊術をどう使う?」と。
私はこう答えた。
「自我が芽生えても芽生えなくても一生のパートナーとして一緒にその子と戦います」と。
その結果。
ボウッ
ジュッ
「勝っ…………た?」
沢山の精霊とパートナーになれ、かなりの強さを手に入れた。
今のは火だけでなく、いろんなの精霊の力だ。
まだ全員自我は芽生えて無いけどね。
「これもまた開始数秒で終ー了ー!」
「ちょっともっとしっかりと戦う人居ないの?」
「有り難うね、精霊さん」
姿形は見れないけど感じる。
なんとなく精霊さんは嬉しそうだ。
ライサイド
さて、闘技大会の選手か。
これで俺が優勝すればプレイヤー達を解放出来るんだが、まぁ無理そうだよなぁ。
「ライさん、第四回戦が開始するので、付いて来て下さい」
「分かった」
「わあぁぁぁーー!!」
「五回戦目に出場するのは、このお二人!」
「ライ選手、この人はケイとシズクと共闘して生き残り、頼れる兄貴分」
「言葉とは裏腹に剣を使った荒々しい攻撃で鬼剣とも呼ばれている猛者だーー!!」
そう、荒々しい攻撃だ。
通常剣はどちらかというと荒々しいというより巧みな攻撃だ。
だけど俺の攻撃は荒々しい。
俺はライルさんに剣は合ってないと言われた。
「お前の攻撃は力を重視していて剣には向かない」
正直この事を言われた時は何の為に練習してたんだって思った。
「だが、剣には向かないが斧に向いている。斧使いになれ」そう言われた。
正直良く分からなかったが、武術を使う人々が言うからそうなのだろう。
そういった事があったから斧にチェンジしようとした。
だが、この前の住居造りで斧が少なくなった。
だからか入手しずらく、結局今も剣を使う事になっている。
「わあぁぁぁーー!!」
「対してこちらはカイル選手!」
「この人は鎌という珍しい武器を使い、かなりの数のプレイヤーを殺したまさに生ける死神だーー!」
さっきからあの鎌見てるんだがどう見ても農業で使う鎌にしか見えないんだよなぁ。
「わあぁぁぁーー!!」
「それでは第一回戦開始!」
開始から同時に二人は飛び出し、激しい攻防を繰り返した。
くっ強い。
だけど、やはこの鎌は農業で使うものだったらしく、それほどの傷は負ってない。
逆に相手はかすり傷が多く、それによって動きが悪くなって来た。
技術は互角。
だが、武器の差。
それが大きく勝敗を分けた。
ここだ。
グサッ
「ぐっ…………」
「試合終ー了ー!」
「わあぁぁぁーー!!」
「そうそうこういう戦いが見たかったんだよ!」
「ただ今の勝負、勝者ライ選手!」
はぁ、勝てて良かったな。
14ミルトを14ミルに変えました。
さて、この赤黒い紋は後々どのような影響を及ぼすでしょうか。
因みにこれが現在のトーナメント表です。
トーナメント
優勝
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| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄|
| ̄| | ̄| | ̄| | ̄|
2 3 5 7 9 | ̄| | ̄| | ̄|
1112 1314 15 16
倒されてない選手 負けた選手
2カール 3レン 5サキ 1ハイド 4サン 6ミキ
7シズク 9ライ 11ナイト 8ミーン 10カイル
11ナイト 12ゆみ 13イース
14ミル 15ケイ 16ケント




