イースサイド6
闘技大会が始まって数時間が経過した。
始まった当初は勝てるかどうかとか結構不安だったけど人間プレイヤーが思ったより弱くて「これなら勝てる!」って思ったんだけど。
あー、ヤバい人達に喧嘩売っちゃったな。
襲った相手の男女がめちゃくちゃ強いんだよねぇ。
うーん、勝てるかなぁ?
触手での攻撃は全部避けられて逆に相手の攻撃が全部当たってるんだよね。
それだけだとすぐ負けそうだけど吸収スキルで死体を全部吸収したからか今僕はかなり強くなってるんだよ。
だからそんなにダメージは無い。
それにしても強いなぁ。
多分このままだと持久戦になって負ける。
だからこそ切り札を使う時が来た!
魔法だ!
だけど僕が今使える魔法で有効なのは…………あれを使うか?
よし、じゃあこの魔法だ!
クリエイトアイス!
この魔法はただ単に氷を造る魔法だ。
今僕は魔力感知で相手の魔力を感知出来て、その感知圏内には何でも生み出せるんだ。
だから僕は相手の体内に氷を生み出した。
遠ければ遠い程操作がやりずらいから火とか生み出せないんだよね。
体内に生み出した場合そこにあった物を押し退けるらしい。
すなわち
「うっぐっゴバッ」
身体の血管がぐちゃぐちゃになった筈だ。
「ライ!?大丈夫?」
よし、今だ!
触手で女性の方を攻撃!
「精霊さん、火を出して」
うわ、熱っ!
今まで動かないと思ったら魔法使いだったのか。
ん?精霊使ってるから精霊使いか?
「ライ、大丈夫?」
「ああ、これで大丈夫な筈だ」
そう言って何か煙みたいな物が身体から出て来た。
煙?熱…………氷を溶かしてるのか!
「ふぅ、それじゃあ借りを返すとするか」
「そうね、今度は私も参加するわ」
ヤバいヤバいヤバいヤバい!
さっきでもギリギリだったのに二人同時は無理!
でも逃がしてもくれそうにないし…………。
すると神様のいたずらか、魔物が現れた。
これだ!
触手を伸ばして、掴んで吸収しながらその魔物を地面に叩き付けた!
「な、何をしているんだ?」
ああ、疲労した時にする吸収ってこんなに気持ち良いんだ。
いや、それは良い。
「魔物を喰ってる?いや吸収してる?」
ごちそうさま!
ああ、力がみなぎるな!
これなら勝てそうだ。
魔力も生命力も回復した。
行けるぞ!
触手に熱魔法を掛けて攻撃だ!
バシンッジュウゥゥゥ
テッテレ〜
『イースの触手スキルのレベルが3になりました』
「ヤバ、こいつヤバいぞ!剣が溶ける」
「精霊さん、氷を出して、風で飛ばして!」
それならこっちも風で対応だ!
風魔法!
これは僕が魔法を飛ばす実験をしていた時に思い付いた魔法だ。
結局浮遊魔法と移動魔法で細かい操作は出来なかった。
だからこそ別の案を考えた時、再び風魔法を使う事が出て来た。
だが、何度も言うように結局風は空気の流れでしか無いのだ。
そこで僕は閃いた。
風も火と同じように起きる原理を作れば良いんじゃないか?
そう考えたら吉、早速試して見た。
えーっと風は確か気圧の違いで起きるんじゃなかったっけ?
気圧は空気の圧力でしょ?
圧縮する魔法を作れば良いのか?
えーっと圧縮を………生み出す?
圧縮もどちらかというと操作にならないか?
いや、やってみないと分からない!
圧縮魔法!
……………………あれ?
あ、圧縮する対象を指定してなかった。
じゃあそこの空気!
ビュウービュウー
テッテレ~
『イースは圧縮魔法を生み出した!』
『イースは圧縮魔法を手に入れた!』
『イースは風魔法を手に入れた!』
うお、凄いっ!出来た!
これを解放して、
パンッ
うわ、うるさいな。
皆に注目されちゃったよ。
まあ、風魔法を手に入れたし良いか。
細かい操作出来るかなぁ。
ってな感じで風魔法を手に入れたんだ!
まあ、風魔法を細かく操作するのに結構時間掛かったけどね。
ってな訳で風魔法で防ぐ!
「あれ?飛ばない?飛ばして!」
よし、防げたけどもう魔力がヤバい。
「おい、シズク。ケイから「助けて」だとよ」
「え、早く行かないとじゃん」
え?離れるの?流石にこのタイミングは許さないよ。
何の為に戦ったと思ってるのさ。
「ああ、だが逃がしてはくれそうにないな」
「シズク、お前も霊力もうないだろ?」
「う、うん。どうしよう」
よし、それなら行けるか?
「なら俺も切り札使わねぇとだな」
切り札?まだあるの?
対応出来る自信ないよぉ。
「身体強化!」
うわ、速い!
これは避け…………られる?
あれ?さっきよりも早いのに避けれるんだ?
あ、さっきよりも剣が下手だ。
これなら勝てる!
すると横から氷が飛んできた。
ぐっ何だ?
咄嗟に触手で防いだが完全に男の方から意識が逸れてしまった。
ドカッ
がっ!
「これで止めだ!」
風魔法、失敗した時を参考に。
ビュウービュウー
「ん?何だ?」
パンッ
「うお、何だ?」
驚いた隙に逃げる!
「待っぐっ…………」
「ライ、大丈夫?」
「ああ、ただの筋肉痛だ」
「とりあえずケイを探しに行きましょう」
そう言っていたのまでは聞こえたが、その先は聞こえなかった。
ふぅ、はぁーーーー。
疲れたーー!
強過ぎだよ!
こんなに苦戦するなんて思わなかった!
霊力がもうないって嘘だったのか。
はぁ、ちょっと休憩しよう。
因みにイースのステータスです。
ステータス
名前 イース
性別 男
種族 下級魔吸粘体(幼体)LV2
状態 普通
生命力 40/40
魔力 65/65
スキル
吸収LV5 酸生成LV2 触手LV3
魔力感知LV6 集中LV5 魔力操作LV6
予測LV5 避けLV4
魔法スキル
水魔法LV3 物質創造魔法LV3 熱魔法LV4
複合魔法LV3 火魔法LV2 並列起動LV3
浮遊魔法LV2 移動魔法LV2 無属性魔法LV1
氷魔法LV3 圧縮魔法LV2 風魔法LV2
耐性スキル
疲労耐性LV5 痛み耐性LV2
因みに圧縮魔法は浮遊魔法、移動魔法と同じものですね。
今回はケイサイドで助けに来たライ達の裏側みたいな感じでした。
次回は初のフォスサイドです。




