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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
2章 修練の森
18/177

ケイサイド4

う、うーん。


俺は何を…………していたんだ?


えーっと確か木を切りに森に行ってそれで…………それで…………そうだ!


俺は死んだのか?


っていうかここは……………ヒシリーさんの家?


俺は一度シズクと一緒にここで魔力について学んだ。


まあ俺は既に職業の設定を行っていた為見習い下級精霊使いになれなかったけど。


そうこう考えていると、


「おう、大丈夫か坊主!」


誰かが話し掛けて来た。


この声は俺が気を失った時に聞こえた…………誰だ?


「ケイ、目を覚ましたか」


「ケイ君大丈夫?」


ライとシズクが現れた。


「ライ、シズク、うん、あれからどれぐらい経った?」


「大体1日位だ」


1日か、結構長い間気を失ってたんだな。


「本当に大変じゃったのだからな」


そう言ってヒシリーさんが現れた。


「ヒシリーさんもありがとうございます」


「それよりもお前を俺の弟子にしてやんよ」


すると気を失った時に聞こえた声の人がいきなり凄い事言い出した。


「これ、目を覚ましたばかりの子に何言ってるんじゃ」


「貴方は誰なんですか?」


「俺か?俺は剣士だ」


剣士?見習い戦士の次の次の次の職業かな?


「ちゃんと自己紹介せい、こいつの名はライル、この前武者修行から帰って来た剣しか考えてない馬鹿じゃ」


「ははは、本当の事しか言ってないから言い返せねぇ」


うーん、つまりは凄腕の剣士って事で良いか?


「それよりもケイ、お前ステータス見てみろよ」


「ステータス?」


「おう、あの猪を倒したんだから相当上がっているはずだぞ」


そうか、ステータス



ステータス


名前 ケイ

性別 男

種族 人間

職業 見習い戦士LV10(転職可能)

状態 普通

生命力 23/23

魔力 23/23

スキル

剣術LV3 避けLV2 魔力感知LV2 魔力操作LV1

斧術LV2 NEW 予測LV2 NEW

耐性スキル

気絶耐性LV1 NEW

称号

勝利の立役者 ジャイアントキリング

九死に一生を得た者



うわー、色々増えてるな。


まあ、スキルとかの詳細を見る事が出来ないし詳しい事は分かんないけどな。


とりあえず転職が可能な事を言うか。


「はい、かなり上がって転職可能です」


「ほー、それは丁度良いな」


「丁度良い?何がですか?」


「ん?ああ俺はお前を弟子にするって言っただろ、だから丁度良いんだよ」


え?弟子にされるの決定?っていうか何が丁度良いんだ?

「はぁ、すまないねぇ、この人一度言い出したら諦めないのよ」


えー、弟子になるの決定ですか。


「ケイ、もうそんなに上がったのか。俺はまだレベル6だぜ」


「私もまだレベル5です」


あれ?前聞いた時より結構上がってるな。


「早速だが訓練を始めるぞ」


えー、それはちょっと


「お断りします」


「え?何でだ?俺はこう見えても武者修行中何度も弟子入り志願されたんだぞ?」


「まだ俺は住居の建築をやってないから無理です。」


「住居の建築だぁ?そんなの他の奴に任せりゃ良いだろ!」


「いえ、俺が言い出しっぺなので」


ここは一気に逃げるか。


「ヒシリーさんありがとうございました」


よし、じゃあ続きをするか。

………………………

………………

……


お、皆今日も木を切ってるな。


「おーい、皆集まってくれ!」


「なんだ?」「どうかしたか?」………………


このまま木を切り続けても住居を作る時間が更にかかるから、


「木を切る係と住居を建築する係の二つに別れて行くぞ!」


「割合は半々で別れてくれ!」


「はーい」「分かりました」「OK」……………………


「木を切るのは変わらずよろしく!」


「住居を建築する係はこっちに来てくれ!」


よし、じゃあ建築の仕方を説明するか。


この前俺はこの村の人に建築をする人を聞き、やり方を聞いた。


勿論本格的な物を作るとなると職人じゃないと出来ないが、小屋程度ならやり方と図面と道具があれば出来るそうだ。


勿論一人では無理だけど。


まず見本となる図面を大量にコピーした。


勿論コピー機もないし紙もないから木の実を潰して作った染料で木の板に手書きして1日かかった。


さらに床の形と柱の形、屋根の形と図面で使われる形の模倣と道具を借りるので大体合計一週間位かかったわ。


勿論長さの単位なんてないから形を見て比較して模倣しないといけないんだ。


大変だったなぁ。


「これらの形は床、屋根、壁、柱、土台の長さ、幅を表した物だ。それぞれの行程に別れて作ってくれ!」


「更に他にそれぞれの物を組み合わせるのにも別れてくれ!」


勿論釘なんてないからがないから組み手を使う為、もっと面倒なんだよね。

………………………

………………

……


最初の内はかなり上手くいかず、木を切れずに無駄にしてしまったし、形を壊されて泣きそうになったけど数日経てばかなり上手くなって良かったな。


あれ以上壊されてたら泣いてたな。


しばらくするとライルさんが木を切りに来て、


「さっさと弟子にして鍛えてやるからなー」


って言った。


まさか剣で木を一刀両断するとはな。


凄かったわ。


そのおかげで木を切る人が多くなって住居を造るのに人を回す事になったんだよね。


大体住居を造り始めて1ヶ月が経ち、漸く完成した。


『国造りクエストのサブクエスト、住居造りが完了しました。経験値が配布されます』


そしてなんとサブクエストの成功に当たって経験値が貰えたのだ!


勿論俺はまだ転職をしていなかったため、経験値が無駄になり、落ち込んだ。


そしてメニューにお知らせというものが増え、そこにイベント、闘技大会一週間後というのがあった。

…………………………

………………

……


俺は今ヒシリーさんの家にいる。


闘技大会がある事に気付いたライルさんが俺を鍛えると言って呼び出したんだ。


俺としてもログアウトする為にイベントには積極的に参加するつもりだったため、この時はラッキーとしか思っていなかった。


因みにライとシズクも一緒にいる。


誘ったら「一緒にやる」、とすぐに返事をした。


俺と同じ考えのようだ。


「それにしてもライルさん遅いなぁ」


「そうだな。まあ、鍛える準備でもしてるんじゃないか?」


「そうですね、何をしているんでしょう?」


そうこう3人で話しているとライルさんとヒシリーさんがやって来た。


「よう、待たせたな」


「すまないねぇ、倉庫から道具を探していたら時間がかかってしまって」


「いえ、俺達が使う道具を探してくれたんですし、謝る必要は無いですよ」


「じゃあ、早速お前らを鍛え上げるとするか」


「シズクはこの婆さんに教わりな、精霊使いだからな」


「はい、分かりました」


あ、そうだ!言っておかないと。


「あの、俺も魔法習いたいんですけど」


「ああ?精霊使いになるって言うのか?」


「いえ、二つ共やりたいんです」


そう、俺は魔法剣士をやりたいんだ!


やっぱり憧れるよねー。


「それは厳しいと思うよ、少ししたらその理由も話すから一先ずは剣術を習いなさい」


「?分かりました」


何か問題あるのかな?


「そうだな、一先ずは置いといて剣を学べ!」


「はい」


「じゃあお前らはこっちに来い」


「分かりました。シズクも頑張ってね」


「分かった、シズじゃあな」


「はい、二人共頑張って」

…………………………

………………

……


「それでは基礎訓練を始める」


「お前らは筋力が足りない、それでは剣術が上手くなるまで戦えないだろうから筋力の向上と技術の向上を同時にやる事にした」


「そこにある剣を持て!」


「うわ、重っ!」


「重いな」


「お前らが使っている剣は軽過ぎる、それでは相当な筋力と技術がないと相手を切る事は出来ない」


「なので将来的にはこれぐらいの重さの剣を使って戦ってもらう」


「この剣は切れ味が悪いから訓練には丁度良いだろ」


「あの、なんで持てない位重い剣を今使うんですか?少しずつ重くしていけば良いと思うんですけど」


「良い質問だな!ずっと同じものを使い続けると手に馴染む、その重さに慣れちまうんだ」


「そうなるとその重さの剣を使う事により他の剣よりも上手く扱えるようになる」


「さっき言ってた方法だと馴染ませるまでの道が遠く、時間がもったいない」


「後持てない程重い剣を使う理由だが、その重さが剣を振るうというより俺達にとって都合が良いからだな」


「なるほど、これからもずっと使い続けるなら最初から重い剣を使う方が時間を有効活用出来るって事か」


こんなに重い剣を使う理由についてはよく分からないけど。


「そうだな、だからお前らはその剣で素振りをしろ」


「ダメな所があれば注意しよう」


「分かりました」


「分かった」


「まあ、一週間しかないから素振りをするだけじゃ時間の無駄だ」


「え?」


「お前ら、魔力感知は持ってるか?」


「俺は持ってます」


「俺はねぇな」


「そうか、じゃあ魔力感知を持って無い方、この剣を使え」


そう言って豪華そうな剣を渡した。


「この剣は魔力をたっぷり含んでるからな、魔力感知が習得しやすいぜ」


「んで、魔力感知を持ってるお前は魔力操作はレベル何だ?」


「えっと1です」


「そうか、んじゃこの剣だな」


そう言って普通の剣を渡した。


「この剣に魔力を纏わせるまで素振りを続けろ」


「お前は魔力感知が習得できたらこの訓練に変えるぞ」


「はい」


「それじゃあ訓練開始だ」


さて、まずはこの剣を持つ所から始めないとな。


かなり重いけど持つ事は出来る。


この状態で素振りかぁ出来る気がしない。


ブンッ


ドカッ


やっぱりそのまま振りきっちゃったよ。


「ふむ、構えから直さないとだな」


「足の構えは右足が前で左足が後ろ」


「その間は拳一個分だ」


えーっと右足が前で左足が後ろ、その間は拳一個分


「剣を持つ手はまず左手の小指、中指、薬指で握り、他の指は添えるだけで良い」


「右手も同じようにして左手の親指をへその前に持って来いそうすれば基本というより基礎の構えは大丈夫だ」


えーっと右手と左手の小指、中指、薬指で握り、他は添えるだけ。


それでへその前に持ってくる。


うわ、違和感が半端ないな。


いずれ慣れるのかなぁ?


「その状態で前に少し進んで素振り、後ろに下がって素振りを繰り返せ」


「因みにこの素振りを前進後退正面素振りと言うが、教えたりしない限り使わないから覚えないで良いぞ」


ブンッ


ドカッ


「くっ」


普通に重くてキツイのもあるけど何よりこの姿勢がキツイな。


「そうだ、それを繰り返しながら魔力感知、魔力操作にも集中しろ」


え!?すっかり忘れてたけどそれもやるの?


キツ過ぎでしょ!

………………………

……………

……


テッテレ~

『ケイの剣術スキルのレベルが4になった!』

『ケイの魔力感知スキルのレベルが3になった!』

『ケイの魔力操作スキルのレベルが2になった!』


結局それぞれのスキルのレベルが1ずつ上がっただけで、あの後二人共30分位しか続かず、ライルさんにダメ出しをされながら座学を教えて貰う事になった。

組み手って言うのは木に窪みを作り、それとまた別の窪みと組み合わせてくっつける方法です。


後、この素振りと構えは剣道を参考にしましたが、あまり私自身は知らないので違和感等ありましたら感想等で書いて下さい。

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