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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
2章 修練の森
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イースサイド3

うーん、えーっとなんだっけ?


ああ、運営に呼ばれたんだ。


『おお、漸く目を覚ましたか』


あ、そういえば謎の声の奴と話してたんだったな。


そう考えていると続々と仲間達が目を覚ましていった。


運営と会う前から考えていたが、これは恐らく外部の者だろう。


『おいお主』


人間プレイヤーか?いや、それだと姿を見せないのは怪しい。


警戒してるのか?


『おい』


それに会話する手段もないし………うーん、一回皆と話し合ってみるか。


『聞いているのが分からないのか!』


え、もしかして僕に言ってる?


『そうじゃ、というより他に誰がいる』


えー、何で会話出来てるんだ?


『それは後で聞いとくれ。今はさっき出来なかった自己紹介をするのじゃ』


それだったらさっきと同じように皆に言ってくれ。


『そうじゃの』


『わしは世界樹(ユグドラシル)じゃ』


いきなり声が聞こえたからか皆驚き固まっていた。


ユグドラシル………世界樹?


心当たりがあるのは……………もしかしてこの木?


『ほっほっほ正解にたどり着いたようじゃな、このデカイ木がわしじゃ』


え…………えーー!


集合場所に使った場所にそんなヤバそうな魔物がいたのか。


皆その事実に気が付いたのか固まっていた。


『ほほ、そう警戒するもんじゃない、わしはただ永き時を生きたただの木に過ぎないのじゃからな』


『危害なんて加えはせんわ』


その言葉に多少安心したのかチャットによる会話が来た。



「ねぇ、こういう時どうすれば良いの?」


「どうしよう、どうしよう」


「会話して!誰か会話して!」

.

.

.



うーん、やっぱりリーダーだし率先して解決しなきゃダメだよね、はぁ。


心の中なのにため息をついてしまう。


とりあえず会話…………出来るか分かんないけどするか。


あのー。


『おお、お主が一番に会話してくるとはな』


『さっきから使っているこれなんですか?』


うん、危害を加えるかとかを聞いても口だけでは何とでも言えるしやっぱりこれを聞くのが良いよね。


『これ?ああ、念話の事か?』


念話………これを使えば一々チャットで会話する必要が無くなるな。


『はい、僕達にも使えますか?』


『ふーむ、練習すれば使えるようになるがおすすめはせんぞ』


『なんでですか?』


『うむ、理由としてはこの技術魔力を結構消費するのじゃ』


なるほど、ならある程度レベルアップして魔力を増やしてからが良いか。


それまではお預けだな。


他か………知りたい技術もあるけど最優先で衣食住を整えないとだな。


となるとやっぱり何をするにも人型になるのが良いよね?


この姿でそうやって行動するのはキツい。


うーん、住居を造るとしても食を整えるにしても人型の魔物が少なすぎる。


となると、


人型になる方法ありますか?


『ほう、あるぞ人化という技術がな』


おお!


だがその興奮は一瞬で


『だがそれはまだ使えないぞ』


え?なんで?


『それは基本である魔力操作の技術がないからじゃのう』


魔力操作?


『その前に魔力感知も必要じゃがの』


魔力感知?


『そうじゃ、魔力感知も魔力操作も魔力を扱う基本じゃからな。念話にも必要な技術だぞ』


なるほど、それは皆と一緒にその技術をゲットしたいな。


『ふむ?なるほどその技術を皆に教えて欲しいと』


あれ?心読まれた?


そういえばずっと読まれていたな。


まあ、良いか。


お願いします。


『別に良いぞ。じゃあその事をお主の仲間に言うのじゃ』


『そこのスライムと話した結果を話すぞ』


そうして集団訓練が始まった。

………………………

………………

……


『おい、そこの蛇、集中が途切れておるぞ』


ビシンッ


まあ、かなりスパルタだけどね。


いやー、まさか根を動かすとは思わなかったなぁ。


『ほら、そこのスライムも何を考えておる』


ビシンッ


痛っ!


っていうかスライムに痛覚あるんだ。


痛覚設定はあるけど痛覚がしっかりとあるなんてどういう身体の仕組みなんだ?


まあ、それはおいといて。


このスパルタ訓練で何か集中スキルを手に入れたけどまだ魔力感知スキルゲット出来てないんだよね。


うーん、身体の中………………。

……………………

……………

……


テッテレ~

『イースは魔力感知スキルを手に入れた!』


どれくらいの時間が経っただろうか。遂に魔力感知スキルを手に入れる事が出来た。


その事を報告しようとしたら、


『む、また始まったか』


そう険しそうな声で言った。


また始まった?何だろう。


何が始まったんですか?


『これ、集中を止めるでない』


一応魔力感知スキル手に入れたんですけど…………。


『手に入れただけじゃあ使いもんにならん。まあ、お前さんの仲間達も集中が途切れておるし休憩がてら話すとするか』


お、話してくれるのか。


しかもやっと休憩だー!


『今から少しばかり休憩じゃ。その間『また始まった』の意味を少し話すから聞きたい奴だけ聞くと良い』


『今この森の中には4つの集落がある』


4つも!?


魔物チームと人間チームの2つじゃないの?


『その内二つは人間の集落じゃな』


えー!人間プレイヤーが二つに別れてたの?


ん?まてよ?残り二つってもしかして。


『そして残りの内の一つがお主らの集落、魔物の集落じゃな』


あー、良かった。


魔物プレイヤーにも僕達とは別のもう一つ集落があるのかと思ったわ。


『最後の集落、これがわしの知らない種族での、亜人の集落じゃ』


亜人かー!


僕亜人プレイヤーは人間プレイヤーと一緒にいると思ってたよ。


ん?どうして種族を知らないのに亜人だって分かったんだ?


ステータス見るスキルでもあるのか?


『それでの、今までにもわしの森の木を切って住居にしたりをする集落はいたのじゃ』


『じゃが、今回のは切り過ぎなのじゃ』


切り過ぎ?


『今人間の一つの集落が大体2万人程で一気に切ってるのじゃ』


2万人!?それ森が禿げちゃわないか?


『別に木を切るのは構わないが、そんなに一辺に切ると森を再生するのに使う力がヤバイ量になるのじゃ』


へー、世界樹さんが森を直してるんだ。


『まあ、わしがまた始まったのかって言った理由は休憩が終わったのかまた木を切り始めたからじゃ』


木を切り始めた……………あー!もしかしたらこっちに来る!?


『まあ、ここはあそこから遠いから関係ないわな』


あー、大丈夫なのか。


『そろそろ休憩を終わりにするか』


さあ、人間達にも負けないように頑張らないとだね。


『魔力感知スキルを手に入れた者もおるし、魔力操作スキルの習得方法を教えるぞ』


おお!


『魔力操作スキルは魔力感知で感じた魔力を動かそうとすれば出来るのじゃ』


そのまんまだね。


『これが出来れば魔力関係のスキルが使えるから頑張るのじゃぞ』


はーい!

………………………

………………

……


テッテレ~

『イースの魔力感知スキルのレベルが2になった!』

『イースは魔力操作スキルを手に入れた!』


おー!漸く手に入れた!


いやー、長かったなぁ。


どれぐらい経ったのかな?


『おい!集中が途切れてるぞ!』


うわー、さっきと同じ状況だ。


漸く魔力操作スキル手に入れました!


『そうか、魔力感知スキルは全員ゲットしたみたいだし食事兼休憩にしようかのお』


そういえばお腹空いたな。


『ほれ。お主らがスキルの習得をしている時に襲って来た魔物達がそこにあるぞ』


何人かが嫌がっている。


まだ生で食べるの慣れて無いんだ。


まあ、僕はスライムだし味覚がないし、大丈夫だけどね。


吸収吸収。


テッテレ~

『イースの吸収スキルのレベルが3になった』


あ、そういえば吸収スキルを積極的に使った事なかったなぁ。


これからもよく使うだろうから鍛えるか。


『食事中は暇だろうしあやつらがアイツに痛い目に合わされた話、聞くか?』


あやつら?……………ああ、人間達か。


それにしても世界樹さん喜んでるな。


そんなに人間達が痛い目に合って嬉しかったのか。


『アイツってのは猪の事じゃ』


猪?


『無論ただの猪じゃのうて巨大な猪じゃ』


巨大な猪?


『そいつはこの森を出る所にある魔力溜まりに発生する魔物での、知能はなくただただ暴れまわるのじゃ』


うわ、何その迷惑な魔物。


『しかも殺してもその代わりとして復活し続けるから性質たちが悪い』


うわー、それ迷惑所じゃないよ。


『ついでに魔力溜まりについて説明するかのお』


そうだね、魔力溜まりが何か知らないしね。


『魔力溜まりってのはこの世界の魔物を一定数に保つ為の物で、その魔力溜まりがある限りその種族が絶滅する事はない』


へー、あ、それを利用すれば家畜とか凄い楽じゃん


『まあ、そういう物じゃ』


『さあ、十分食べたじゃろう、続きをするぞ』


今度は何するんだろう?

いろんな魔物に念話使われてますね。

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