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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
13章 地底の陰謀
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交渉

数多の闇人がひしめく中、俺はそれらを殺し、進んで行った。


あれ以降、他の人間と会う事も無く、ただただ進むだけだった。


途中から闇人の強さが一変した事から、やはり俺が殺していた奴らはプレイヤーだったのだろう。


あの津軽弁のプレイヤー達は、俺達を手駒としてここに送り込んでいるのは間違いない。


この先に彼らは何を求めているのか。


……分からない。


憶測に憶測を重ねようが、それはただの空想だ。


何の情報も無い今の状況で、推測をする事は出来ない。


だから俺は、ただ奴らを殺して、前に進む事しか出来ない。

…………………

…………


数日が経過した。


空腹や脱水は、いくら我慢出来ても、身体が追いつかなければ意味が無い。


闇人の強さも、どんどんと強くなり、次第に身体に残る傷の数や、度合いが大きくなってくる。


勿論、進まなければ生き長らえる事も可能かもしれないが、それでは意味が無い。


ただ、ひたすらに進むのみ。

…………………

…………


虚無の理解者を使い、思考を最適化させた。


しかし、それと同時に自我が薄れる感覚がある。


無駄な事を考えたりが、出来ないからかもしれない。


前よりも圧倒的に進むスピードは早くなり、虚無によって敵を倒す事により、苦戦もしなくなった。


……それにしても、これだけの量を殺して、レベルが少しも上がらないのは何故だろうか。

…………………

…………


身体が朽ちた。


骨が崩れた。


脳が…溶けた。


絶食を続け、動けなくなった俺は、最終手段として……奴を食べた。


闇人と呼ばれるそれを。


その時、俺の中の何かが壊れ、それと同時に身体がどんどん壊れていった。


今思うと、それは魔回路…魔術が壊れたのではないかと思う。


魔回路は生命を保つ為にもあり、それがなくなったから、俺の身体は……


そして気が付くと、俺はあの場所へと戻った。


俺達の作ったあの居住地へ。


……やっぱりリス地は固定されていたのか。


そう思うと同時に、ゆったりと動いていた思考が、活性化する。


!!……ケイ達は?


そう思い、周りを見渡す。


ドアがあった場所には、鉄格子が嵌め込まれている。


………やっぱりそういう事かよ。


俺達を、逃さないつもりなのか。


一応この鉄格子を壊す事は可能だが、そうする前に考えないと。


ここから出て、どうするか。


まずここからは出られない。


そう実際に試してはいないが、そんな不確定要素に身を委ねるのは危険過ぎる。


今一番必要な物、それは情報だ。


………ケイ達に聞くか。


そう考え、俺はチャット機能を開いた。



「無事?」


そう送ると、数分後…


「無事だよ!」


「連絡を取れなくて心配してたんだ」


ケイは勢いよく返信して来た。


そして少しの沈黙の後、こう聞かれた。


「………知ってる?闇人の正体」


……知ってたんだ、ケイ。


そう少しの心配を抱え、俺は返答した。


「知ってるよ」


と。


すると、ケイは「やっぱりか」と言い、俺に忘れていた事実を突きつける。


「半年も失踪してたもんな」


……半年?


そう混乱しながら、思い出す。


外界は、時の流れが違う事を。


すなわち、半年もケイはあの場所に行き続けたって事だ。


どの位入ったのかは分からないが、確実に複数回は入り込んでいる。


闇人の正体を知ってるのに……?


知ってたらそんな事にはならないよな?


ケイは疎い奴だが、こんな事に気付かない阿保では無い。


「一応聞いておくが、闇人の正体は何だと思ってるんだ?」


「え?死んだ人の魂でしょ?」


そう何とも無い様子で答える。


………あー、そうだよなぁ。


本当の事言う筈が無いか。


……まあ、あの人が嘘を吐いた可能性もあるけど。


いや、でもあれが嘘である必要性無いしなぁ。


「今どこに居る?」


「ん?広場かな」


その答えに、俺は一つの確信を得た。


あの真実を得た事を、奴らは監視していた。


ケイが広場に居るって事は、要は監禁状態じゃないって事だ。


すなわち真実を知った俺だけに向けられたもの。


長期間の失踪中にで家の中を弄る事なんて簡単だっただろうしな。


そう考えていると、鉄格子の向こう側から、誰かの顔を覗かせる。


……あの男性だ。


「……取り引きをしない?」


そう言う彼は、松明を持っている。


この家の材質は一応木だ。


すなわち……選択肢は一つって訳ね。


とはいえ、


「話を聞いてから決める」


何も知らずに首を縦に振る事は出来ない。


「……分かった、内容を話そう」

……………

………


彼の言う内容は単純明快。


苦しみたくなければ、死にたくなければ協力をしろ。


内容は、反乱分子になり得る人材の、殺害だそうだ。


………俺のあの男性の殺しを見て、殺しへの罪悪感が無いとでも思ったのか?


取り引き内容から、俺はそう受け取った。


とはいえ、これは一方的な取り引きだ。


スポーン位置を特定されている以上、断ったら殺され続けるのは目に見えてる。


ここの情報が少ない今、抵抗した所でどう転ぶか分からない。


「……どうする?」


そう聞く彼に、俺は質問する。


「もう少し、情報をくれないか?」


「君達の最終目的とか…ね?」


そう聞くと、彼は心拍数は…少しだけ、早まった。


まあここのプレイヤーの目的がただの闇人殺しの筈が無いからな。


「………良いだろう」


暫くの間沈黙が流れ、そして彼は許諾した。


「俺達の……いや、俺の目的は……」


そして彼は、彼自身の目的を話し始めた。

……………

………


「………そうか」


中々な目的だった。


()()()()とか……まあ確かにこの世界なら出来る可能性あるけど。


「で、返事は?」


そう彼は俺の話を催促する。


「……交渉決裂だ」


そして俺は、そう答えた。


「なっ!」


第一、俺が()()に協力しても、メリットが一つも無い。


「お前の生死は俺が握ってる!」


そう焦った様子で彼は諭す。


確かに俺の生死は握られてる。


とはいえ、俺にとってはそれは大きなデメリットにはなり得ない。


……それに、ここで協力するより、ケイ達に任せた方が良いと思ったしね。


「……じゃあな」


そう言うと、彼はどこかへと歩いて行ってしまった。


……さてと、それじゃあ俺は、事が起こるまで休憩しますか。

えーっと……ちょっと今日から暫くの間、投稿をお休みします。


理由としては、まあ新小説の原案を考える為ですね。


今小説は一応成り行きとかは決めて書いてはいたんですが、やっぱりちゃんと決めないとダメだなって思い、休ませて貰う事にしました。


まあ多分一か月程で戻って来ると思うので、その時また会いましょう。


では!

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