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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
13章 地底の陰謀
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イースサイド28

えー…二日休んだ件ですか。

……はい、宿題に追われてました。

すいません!

「鍵の持ち主の一人、それは…」


「それは?」


まあ、皆知らないとは思うんだけど。


「第四級の管理者、ミネラルだ」


「……水?」


そう首を傾げながらミルが答える。


「いや、名前なんだけど」


そして僕がそれを否定する。


第四級って言われても、やっぱり分からないか。


「…クライムか?」


「正解!」


少し時間をかけて、ナイトが答えた。


クライムの国政の階級。


最上位の階級から最下位の階級があり、その中の四級。


まあ、大体真ん中あたりだね。


そいつが鍵を持っているらしい。


うん、かなり意外だった。


「でも、なんで盗むの?」


そう混乱するミルに、僕は説明した。


「他国だからだよ」


と。


「クライムの住民である彼に交渉を持ちかけるとなると、国を跨いだ貿易、すなわち輸入とか輸出の話になってくる」


「え?でもそれってあの国の王様、ストロマに許可を取れれば……」


そうミルが言った瞬間、気付く。


「そうすると、僕達の国が、他国に借りを作った事になるんだよ」


もうそうなったら色々と面倒な事になる。


「面識があればなんとかなったかもだけど、誰もないでしょ?」


そう聞くと、皆が一様に顔を見合わせる。


うん、無さそうだ。


「となればもう盗むしかないじゃん」


「え?でもバレたら…」


そう不安気にミルが呟く。


「当然国家問題になるだろうね」


「……まあ、当然だな」


冷静に考えるナイトとは裏腹に、ミルは顔を真っ青にして怖がる。


ただ、それ以上に、第四級のミネラルの、噂も気になる。


他の管理者とは違い、相当の暴虐者らしい。


「作戦は?」


そう聞くムシュに、僕は小声で話す。


バレたら終わりの、作戦を。

…………………

…………


深夜、皆が寝静まる頃、僕達は動き出す。


クライムの戦闘職達の活動エリアは、中に行けば行く程級が上がるシステムとなってる。


すなわち四級のエリアへ行くには、最下級エリアから五級エリアまでを、通り抜けて行かなければならないのだ。


うーん、キツい!


まあ当たり前なんだけどね。


まずは侵入時にフォスさんの幻術にて、僕達はこっそりと侵入をした。


うん、意外と気付かれなかった。


……それにしても酷いな、最下級。


そう思い、周りを見渡す。


色々と危なそうだし、なんなら現在進行形で喧嘩とか勃発してるもん。


質の悪いプレイヤーが集まってるって聞いてたけど…本当、ストロマさん大変そうだな。


そう若干の心配をしながら、僕達はこの層を突破への道を考える。


次は九級。


侵入口は一つ、最下級の管理者の居る場所を通り抜けないといけない。


ただ、結構厳しいんだよな、それが。


一本道な事もあって、かなりバレやすい。


だから俺達は、塀を越える。


呪力の使いやすいこの場所で、ナイトに浮かせて貰ってそこへ行った。


無事成功し、その先も同じように進む事となった。


……その後、順調に九級、八級、七級はどうにかなったんだが…六級は無理だった。


「……?そこになんか気配が……」


そう小さな違和感に気付かれ、危うくバレる所だった。


フォスさんの機転を効かせた注意取りで、なんとか難を逃れた。


六級ですらこうだ。


恐らく五級はもう厳しいっていうか無理だろう。


ってな訳で、ミルにはその注意を引いて貰う事となった。


冥獣…だっけ?が、そこを荒らす事によって僕達は安全に入る事に成功した。


ただ、ミルは冥獣の近くに居ないといけないから、そこで離脱。


四人であの人と戦う事となった。


「……あいつか」


「うん、多分そう」


そう問答を交わし、確認する。


四級の管理者、ミネラルを。


見た目はかなりの大男で、風貌もなんか山賊みたいな姿をしていた。


ひとまず鑑定をしてみた。


ステータス


名前 ミネラル

性別 男

種族 人間

職業 見習い格闘王LV2

状態 普通

生命力 110/110

魔力 110/110

スキル

精神統一LV1 魔力感知LV3 魔力操作LV1 

武術LV9 柔術LV9 回避LV1 見切りLV1

歩法LV8 気配探知LV1 気配偽装LV1 予感LV1

危険感知LV1 覇気LV1

耐性スキル

激痛耐性LV1 気絶耐性LV2 飢餓耐性LV1

泥酔耐性LV1

称号

PK PKK 暴虐者 虐待者



うん、完全に武力特化のステータスだ。


強いかどうかは…どうなんだろ。


とりあえず、警戒すべきスキルとしては、気配探知かな。


多分六級の人にも若干バレかけてたし、このレベルだと完全にバレちゃうんじゃないかな。


ただ、それさえ気をつけていれば後はもうただの脳筋って感じだし、多分大丈夫だと思う。


そうこう考えていると、彼は再び建物の中へと入って行ってしまった。


「それじゃあナイト、よろしく」


「了解!」


そう元気よく返事をし、ナイトはどこかへと去って行った。


今度はナイトが陽動をするって事になった。


ガシャーン!!


……なんか凄い物音が聞こえたけど、気にしない事にしておこう。


「あぁ!?なんだぁ!?」


そう機嫌の悪そうに、彼は扉を開けて出てくる。


それを少し離れた位置から僕らは観察する。


彼が離れて行った事を確認し、僕達は入り込む事に、成功した。

………………

………


「うわー、趣味悪いなぁ」


中にはおびただしい数の頭蓋骨が並べられており、その中には人間とも思える骨もあった。


こんなに骨を集めて何をしたいんだ?


そう疑問に思いつつも、僕は探す。


「………あった」


僕が必死に探す中、彼女は少し目を閉じて、見つけてしまったようだ。


うん、凄い便利。


僕はその鍵を取り、そして出ようとした。


しかし、その時、予想外の人間が入り込んでしまった。


「おーい、居るか?ミネラル」


姿はまるで子供のようだが、そんな生温い人間ではない。


ストロマ、この国の王様だ。


僕は咄嗟にスライムへと姿を変え、隠れた。


しかし、フォスとムシュは動かない。


何をしてるんだ?いくら幻で惑わしてもバレるぞ?


そう混乱する中、落ち着いた様子で彼らは話し掛けた。


「久しぶりね、ストロマ」


「久しぶりだな」


「ん?フォスか……なんでこんな所に居るんだ?」


そう彼らは疑惑を向けられる。


だが、それ以前に……なんでそんな親し気なんだ?


僕は混乱を極めた。


え?ストロマと知り合い?え?


そんな中、彼らは自然にはなし続ける。


「主様の命令で」


「……そうか、師匠が、か」


「まあ程々にしとけよ、僕はミネラルを探しに行く」


そう言ってストロマは去って行った。


……師匠って何?


ん?レン、もしかして君何かこの国でした?


え?んん?


そう混乱しながらも、窮地から脱出出来たのは確かだ。


ただ、


「知り合いならもっと簡単に手に入れられただろ」


そう言わずにはいられない。


ストロマと知り合いなら、二人でくれって言ってくれば良い話だったじゃん!


こんな時間をかける必要なかったじゃん!


「……知り合いって言われても…」


しかし、二人は顔を見合わせてそう言った。


うーん…僕の知らない間に何かがったのな?


マジでもう訳が分からない。


………とはいえ、これだと時間かかり過ぎだよな。


僕は考える。


なるべく早く彼らは出たい筈だけど、一個手に入れるだけで三日はかかり過ぎだ。


……よし、ここからは分担作業といくか。


そう決め、僕達はそそくさとバレないようにこの国から出て行った。

今日にて毎日投稿終了!

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