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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
13章 地底の陰謀
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闇人

短いです。すいません!

周りには先程居た筈の彼らが見当たらない。


というか俺一人だった。


そして前にはうじゃうじゃと……闇人だっけ?


が居る。


こいつらを倒して前に進んで行けば良い訳でしょ。


……いや、前戦った時とか全然倒せなかった思い出があるんだけど。


とりあえず狼形態へと変わり、俺は爪でそいつを切った。


…………あれ?バラバラになったままだ。


ん?前戦った時ってこんなに瞬殺出来た?


俺が強くなったのか?え?


いや、ここ数十年間特にそういった修練……まあ日々の特訓とかはしてるんだけど、特別何かした覚えなんてないよな。


ん?闇人さん、弱くなりました?


そう疑問に思いながら、ひとまずここら一帯に居る奴らを妖術で一掃する。


見えざる死(インビジブルデス)ってね。


というかこういう戦い自体も久しぶりな気がして来た。


そうして俺は周りに居る闇人と呼ばれる彼らを倒し続け、気がつくと……別れ道にまで来た。


いくつも道が枝分かれしている。


いや、正確に言うと俺が来た方向にいくつも枝分かれしてて、行ってる方向に道は一つしかないんだけど。


………この枝分かれしてる道って俺達プレイヤーが来る道じゃないか?


そう俺は予想する。


だって行く方向が同じじゃなければ、何の為にこの先に行かせるんだって話じゃん。


いくつも道があったらまずこんな風な送り方はしない。


確実にどこかへ行けば良いかを計測する筈だ。


勿論なんらかの装置を使って見られてる可能性もあるが、その予想を裏付けるある情報があった。


隣の道から、微かに気配がする。


人間の……プレイヤーのね。


ってな訳で俺はその道へと逆走して行った。


すると、大勢の闇人の集団の中に一人の男性が佇む様子が見える。


身体はぼろぼろで、意識も朦朧としているようだ。


というかなんなら……ここで死のうとしている気すら感じる。


……ひとまず助けてみるか。


そう思い、俺は周りに居る闇人を殺し、そして質問した。


「この場所で、何があったんだ?」


するとその男性は震えて、こう言った。


「俺の……友達を、よくも殺したな!!」


……え?


その言葉に、俺は呆気を取られた。


友達……殺した……ん?


「つまり、この闇人と友達だったって事?」


「違う!」


そう俺が予想した答えすら、彼は否定する。


んん?どういう事?


訳が分からなかった。


「……もしかして、知らないの?」


そう先程とは変わって落ち着いた様子で彼は聞く。


いや、知らないって聞かれても。


「何を?」


「このエリアで複数回死んだら……俺達は闇人になるって」


彼は、そう断言した。


………え?いや、どういう事?


前に俺が外へ出た時、あの時俺は一つの予想を思い浮かべていた。


真っ黒な異形、闇人は人間っていうか生物からなってるんじゃないかってね。


まあほぼほぼ確信してたんだけど。


でも、それはこの世界の住民だけだと思っていた。


通常、プレイヤーは死なない。


例外はあっても、基本的にはそうなのだ。


だが、それがこの外で死ぬと闇人になる。


俺は一回、ケイを巻き込んで死んでる。


……いやー、知らない方が良い事実ってあるんだなぁ。


そう思いつつ、俺は楽しんでた。


闇人……か。


「……ありがとね、助けてくれて」


突然彼はそう礼を述べた。


「でも、俺はもう、無理なんだ」


彼はそう、力無く言った。


「後は頼んだよ」


そう言い、ポケットナイフを取り出し、首に当てる。


ザクッ


彼は自身の首を掻っ切った。


それと同時に彼はどんどん変色していく。


気付いた頃には、先程山のように殺して来た闇人へと変化した。


……面倒事を押し付けないで欲しいな。


目の前で闇人になったら、殺すしか無いじゃん。


俺は妖術で、一瞬にして彼を木っ端微塵にする。


……異様に今まで戦った闇人が弱かったのは、こういう理由か。


なるほど、だから説明したリーダー達はこの装置に入らなかったのか。


………はぁ、とんでもない所だな。


初期のクライムよりも酷い気すらする。


ケイは、この事実に耐えられるのか?


分からない。


ただ、俺は進むしかない。


この先にどういったものがあるのかを、確かめるしかない。


死なないと多分あの地底人の場所には戻れないだろうしね。

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