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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
13章 地底の陰謀
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イースサイド27

………なんでだ?


僕があの国に帰って来たその時、ケイからフレンドのチャット機能を使って連絡が来た。


うん、めちゃくちゃ久しぶりで驚いた。


いや、それだけならまだ全然大丈夫。


でもその後にね、二人の魔物から同じ件で尋ねて来たんだ。


レンの眷属?だった筈。


ケイとレンから同じ件で尋ねられるなんてね。


因みにその件っていうのは、鍵を探せって。


具体的な事は色々書かれていたけど、正直僕…もう休みたい。


スパイ疲れた!


したくもないアイドル活動疲れた!


とはいえ多分この鍵探しはしないといけないんだろうね。


……面倒くさいけど。


そう言って数日位過ぎてるけど。


「早く行きましょう」ってその人達に言われてるけど。


でもやっぱり面倒くさいよ。


数十年間働き詰めだったんだから少し位休ませてよ。


うん……まあ今日行くんだけどね。


ナイトとミルに話したら乗って来ちゃってさ。


なんか流れで今日行くって事になった。


……僕の休みがー!!

………………

………


「それじゃあ行こうか」


そう言う僕に続き、彼らも進む。


「久しぶりの冒険だわ!」


「そうだな、最近ずっと事務作業だったし」


楽しげに話すナイト達を見て、僕も久しぶりにウキウキしてる。


よくよく考えたらナイト達との冒険はこれが初めてなんだよね。


今までこういう事はケイとやって来たから。


「どこに行くの?」


そう聞くムシュさんに、僕は自信満々に言う。


「やっぱり謎って言ったら彼だよ」


「「…??」」


皆の頭の上にハテナが浮かぶのが見える。


まあ、全員初対面か。


「楽しみにしててね」


そう僕は言って、彼らを連れて行った。

………………

………


僕は何の変哲もない、ただのカフェの中へと入って行った。


「ここは…」


そう呟くナイトの声を聞きながら、僕は小声で厨房の中に立っていた彼に言う。


「サイルは居る?」


「イースさんですね、こちらへどうぞ」


彼はその声に反応し、僕を奥へと案内する。


そこはカフェの裏側、厨房とはかけ離れた姿をしていた。


色々な資料が並べられたそこには、一人の男性が居る。


「また店変えたのか」


「ああ、ちょっとヤバい客に襲われちゃってね」


飄々と言う彼のその姿に、僕は安心する。


この様子ならすぐ潰れる事は無いな、と。


「それで、予約までして何を聞きたい?」


そう言った彼の言葉に、ナイトが反応する。


「待て、本題に入る前に聞きたい」


「まず、君は何者だ?」


……何者、ね。


うーん、言い方悪くない?


ナイトが聞きたい事は予想がつく。


「………俺は情報屋だ」


まあ、そういうだろうな。


ただ、多分ナイトが聞きたいのはそういう事じゃない。


「俺が聞きたいのは、イースとどういう関係か、だ」


だよねー!


僕は一応王様だからさ、ナイトとしては心配なんだろうね。


そう僕は納得しながら、サイルの言葉を聞く。


「うーん……犯罪者仲間?」


今までのサイルへの緊張は一変して、その矛先が僕に向く。


……!?


ちょっと待て、サイル、それはズルくないか?


確かに僕はサイルと会った時は牢獄に入れられてたけど、別に犯罪を犯した訳じゃないからね?


「イースー?」


そう若干怒った様子のミルに、ひたすら弁解を続ける。


「いや、僕が初めてこの国に来た時怪しまれて捕まったけど、犯罪は断じてしてないよ!」


っていうかアイドル事件を考えると僕被害者なんだけど。


そうひたすらに弁解を続けるが、


「ふーん」


一向に信じられない。


だめだ。


信じられてない。


「さてと、それで本題は?」


そう聞くサイルに、お前が脱線させたんだって言ってやりたい。


とはいえこれ以上話を広げたくないから、僕はその質問に返答した。


「真実の鍵って知ってるか?」


そう聞くと、暫くの間サイルは熟考した。


そして暫くして、口を開いた。


「………クエストか」


「うん」


「ちょっと待ってろ」


そう言って彼は周りにある資料をガサゴソと漁り、一枚の紙切れを取り出した。


「これはそのクエストについての情報がびっしり書き込まれた紙だ」


「お前は何を対価に差し出す?」


そう聞かれた僕は、一言こう言った。


「何が欲しい?」


と。


一応僕はお金をある程度持ってはいる。


でも、サイルが欲しいのは僕の金ではなく、魔物の王から手に入れられる情報だ。


「………世界樹と呼ばれるあの木の事件」


……やっぱりか。


前からずっと欲しがってたし。


それだけその情報が貴重って事か。


「ナイト、説明頼む」


僕はその時人間側に居たから、詳しい事は分からないからね。


どちらかというとナイトの方が知ってると思う。


「分かった」


そしてナイトは説明をし始めた。


フォスやムシュも同席し、それを聞く。


まあ魔物だし、プレイヤーでもなかった筈だから別に良いか。


そう考えて。

………………

………


「なるほど……ははっそんな初期にこんな事が起きてたなんてな」


そう興奮した様子でひたすらに彼はそれを書き留める。


「さて、それじゃあその情報を渡して貰おうか」


「ん?ああ」


そう言って彼はその紙を渡す。


………凄いな。


僕はその紙に書かれた情報量に感嘆する。


「ありがとな」


「ああ、こちらこそ」


そう言葉を交わして、僕は外に出る。


「まずはどこに行くの?」


そう聞くミルに僕は答えた。


「泥棒だ」


一応色々と選択肢はあった。


先に正規のクリア出来てない場所を探索するっていうね。


ただ、この持ち主が問題だった。


「「え!?」」


そう驚く皆を見ながら、僕は考える。


どうやって盗むのかを。

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