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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
13章 地底の陰謀
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えー、先日は宿題に追われて……すいませんでした!

鍵について彼女が説明しようとした時、


「彼らは一応ここに来たばかりなので、一度部屋に案内したらどうですか?」


そう先程通訳してくれた彼が言った。


「分がった」


「おみゃーらついでごい」


そう言われ、俺達は言われるがままについて行った。


「こごがおめらの家だ」


………え?


目の前に見えるのはただの壁。


そして周りにあるのは大きな穴。


………これって。


「掘って家作れって事ですか?」


「そうだ」


そう元気良く返事すると同時に、ツルハシが渡された。


………やっぱりプレイヤーっていうより地底人だろ。


そう突っ込んでしまったが、そうとしか思えない。


「それじゃあ、詳しい説明は後日に」


青年はそれだけ言うと、リーダーと呼ばれる彼女と一緒にどこかへ行ってしまった。


「……行っちゃったね」


「そうだな」


そう呟くライ達を見ながら、俺は妖力を使って壁を立方体にくり抜いた。


「とりあえず家はこれで良い?」


そう聞くと、どうせならもっと良いものにしようという事になった。


聖魂力はもうイースの魔力レベルで何でも出来る為、とりあえず俺は穴を掘り、ライはそれを固める整地を。


そしてシズクとケイで装飾。


ライの執事さんは話を聞きに行った。


完成する頃には深夜を迎えていたが、寝る前にひとまず執事さんの手に入れた情報を聞く事になった。


「私が聞いてきた事としては、カールさんについて、そしてあのリーダーについて、最後に鍵についてです」


……この場所については聞かなかったんだ。


まあ明日説明されそうだけど。


「まずカールさんについての事ですが、彼は火山に通じていた道からこの場所に、入らずに脅したそうです」


入らずに……脅した?


まあ入ったら出られないから、入らなかったのは分かるんだが、脅したってなんだ?


「彼は毒ガスを入る直前で見せびらかし、情報をくれなければ毒ガスをばら撒くと、脅したそうです」


……やっぱりカールさんって結構クレイジーだよな。


「そして一通りの情報を持ち、戻って行ったそうです」


へー……どうやって入ったら出られないって分かったんだ?


まあ、確かに予想出来ない事は無いけど……うん、やっぱりカールさんはヤバい。


「さて、次はあのリーダーについて」


「彼女は最初にここに辿り着いた人であり、今の環境を整えたプレイヤーらしいです」


……ケイみたいな感じか。


「そして側に居る彼も、その最初期に居た人の一人で、かなりの腕前らしいです」


なるほど。


かなりの腕前……は!そうだ、もう俺鑑定出来るんだ!


もうかなりの間使えなかったから忘れてた。


……明日会う時使うか。


「最後に、鍵について」


「この世界には、色々な場所に隠しクエストとして鍵を集めるクエストがあり、その鍵を全て集めればこの場所から解放される」


………鍵ってあれだよな?


俺は前に半強制的に行かせられたあの場所を思い出す。


あれ……外じゃん。


どうやって行けば良いんだよ。


えー…集めるの無理じゃない?


「基本的にそれらの鍵は外にある為、集めるのは不可能だ」


だよな。


「………終わり?」


「終わり」


ええ!?それ出るのは諦めろで終了じゃん。


嘘でしょ?


「……明日聞くか」


「そうだな」


「そうね」


そうして、詳しい事は明日聞く事となった。


それぞれが自分の部屋へと向かう中、俺はこっそりと移動し、念話を使う。




『フォス、ムシュ、大丈夫か』


『『はい』』


よし、それじゃあ、


『イースと合流し、鍵を探せ』


『鍵……ですか?』


まあ、物が分からなければ探しようがないか。


『クライムにある俺の家の引き出しの中にそれがある』


『後はイースに聞いてくれ』


そう俺は言い、念話を切った。


後は……ここか。


俺は先程、穴を掘り終わった時、ついでに情報を聞こうとした。


その時に先に聞いていた執事さんの相手を見たんだ。


とても親切に答えているようには見えなかった。


先程から思っていたが、ここの人達は俺達を歓迎しているようには思えない。


明日、リーダーである彼女達が何を言ってくるのか。


それが重要だ。


そう考え、彼らの目的が何なのかを思いながら俺は眠りに落ちた。

………………

………


次の日


俺達はリーダーの彼女の付き人と思われる人達に呼ばれた。


そして俺達はその人達に連れられ、彼女の家へと来た。


外装は特に変わらない。


ただ、色々な装置がそこに並べられていた。


「これは…」


そう驚きを露わにする俺達を見ながら、彼女は言う。


「おめらには今がらそどに行ってもらう」


「…外?」


「この世界の境界線の、外側の事だ」


……俺が行った所か。


いや、でもあそこは…


「出たら死にますよね?」


「……!!」


「おべであったのが」


おべ?


「あの…おべって…」


「ここからは私が説明しよう」


うん、そうしてくれると助かる。


もう面倒だ。


「ここにある機械を使い、その悪影響を無効化させる」


「そしてその後、君達には、そこにいる闇人と我々が呼んでいるそれを、倒していって欲しい」


「それを毎日行うのが君達のここでの義務だ」


……義務。


クライムと同じような事をしてるって訳か。


「今日から毎日、頑張ってそれをしてもらう」


「それじゃあ早速、行って貰おうか」


…………鍵の説明は?


一応昨日するって事で離れたんだけど。


昨日一応執事さんから聞いてたから、皆もあんまり気にしてないみたいだけど、なんでこいつらは説明しないんだ?


……まあ、盗聴だな。


忘れている可能性もあるけど、それにしたっておかしいしね。


何人も居るこの場で誰も説明を忘れてるのは。


カチャッ


怪しげな装置の中に入れられ、鍵を閉められる。


なんだ?


そう疑問に思っても、押さえつけられ、動けない。


そして暫くすると、再びそこは開けられた。


そこには先程居た部屋の景色はなく、俺が……外へ出た時に入った研究所のような場所に辿り着いた。

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