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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
13章 地底の陰謀
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入り口

国に着き、イースが離れ、そして俺達は再び集まり、出発した。


例の場所へ。


思えば色々と違和感はあった。


俺が転移させられた場所でもあるあそこには、殆ど魔物が居なかった。


森とかだとしょっちゅう襲われるっていうのに。


そして何より……あの場所何も無さすぎだ。


うん、だってこの世界の大部分がただの草原ってゲームとしては雑過ぎるし。


いや、まあ色々と雑だった運営ならあり得ない事は無いけど。


ただ……


俺はちらりと横を見る。


楽しげに会話しているケイ達の姿を。


……うーん、言って良いものか。


俺の予想だと、この草原に入り口は無い。


だってあったらとっくのとうに見つけてる筈だしね。


ここ、戦争でも使われた場所だからもう結構前に荒れてた筈だし。


だから調べるべきは、今まで殆ど情報のなかったあの火山だと思う。


いや、だって明らかにおかしくない?


この間初めて行ったあの場所の情報が殆どなくって、しかもそこにカールさんの書記があったんでしょ。


最終地は草原だって。


そしたらもうそれしか考えられないじゃん。


え?それならなんで言わないんだって?


いやー、実はね……義手が、外れましたー!


本当、長い付き合いだった。


もう見たくもない。


ストロマの魔術のおかげでそれを解除でき、そしてまた火山に向かうケイ達の姿を確認して、俺はそこについて行った訳だ。


ん?結局なんでか?


あー、そんなの一つしか無いでしょ。


妖力でその場所を確認する為。


妖力で地下を確認出来れば、そこから確実に入れる場所を確認出来るし、今まで小難しい事考えていた必要がなくなるんだ!


まあもう火山にあるって予想ついちゃってるんだけど、それはまあ気にしない事に。


それに……


ケイの後ろに居るライの執事を見る。


うん、なんか殺気が出てる気がしてる。


余計な事したら殺されそう。


これ、確実に俺がレンだってバレてるよな。


まああんないい加減な設定だったらいつかはバレると思ってたんだけど、この様子だとライにもバレてそうなんだよ。


別にバレても良いんだけど…後々が面倒。


と、まあそんな訳で、俺達は例の場所へと向かって行った。

………………

…………


「ここら辺だよな、あの草原って」


そう呟いたケイの声を聞きながら、俺は地下へと妖力を広げて行く。


……ヤバい。


俺がそこまで妖力を広げた感想はそれだった。


地下には何百人もの人が暮らしており、なんならその人達はそこに文明を作り上げていた。


もうプレイヤーっていうか地底人になってる。


いや、それ以上にやばいのはこの場所の広さだ。


今までよく気付かなかったなって思える程の広さ。


いや、っていうかマジで誰もこれ気付いてなかったの?


………情報屋は何か知ってそうだな。


そう思いながら、ここへの入り口を探し始めようとした。


その時、ケイはとんでもない事を言った。


「ここ掘るか」


「「え?」」


うーんと、聞き間違いじゃないよね?


ここ掘るの?


頭壊れた?


地下何メートルもあるここを?


「まあ確かに掘れば確実に着く筈だ」


うん、そうだけど、もっとやり方あるでしょ?


「私も頑張るわ」


いや、頑張るじゃなくて……


「それじゃあやるか!」


……えー?決定ですか?


………はぁ、ライに怒られたくないし、仕方ないか。


そして俺達は色々な力を駆使して掘り始めた。


ケイは聖魂力により、土を消滅。


ライは剣をスコップにして掘ってる……うん。


シズクは精霊達と一緒に掘ってる。


スコップはなんか精霊達が作ってくれたらしい。


え?俺?


俺はもう仕方ないからサイコキネシスみたいに土浮かしてやってる。


……絶対もっと良い方法あった。


そう思いながら、俺は掘っていった。

……………

………


数日の日が経ち、漸く目的地にたどり着いた。


ドスン


まあ当然掘っていったんだから上から落ちて来たんだけど。


そして同時に何故か草原の上の方は再生していってる。


まあ、ここまで認知されなかったって事はそれ位の事はあるよな。


そう納得しながら、俺は立ち上がり、周りを見渡す。


「おお、新人が現れたぞ!」


「リーダーを呼べ!」


彼らは慌てていると、ゆっくりと後ろから一人の女性が現れた。


「あの、初めましてプレイヤーのケイです」


そう礼儀正しく挨拶をすると、彼女は…


「わっきゃひょうかがだ」


そう返された。


……なんて?


そう突然の言葉に戸惑っていると、後ろからそっと声をかけられる。


「リーダーは青森生まれなんで、津軽弁なんですよ」


ボソリと呟かれたその声に納得し、ケイは再び話を続ける。


「えーっと…」


「リーダーの名前は、ヒョウカです」


「ヒョウカさん、ここでは何をしてるんですか?」


そう後ろにいる彼にアシストされながら、ケイは話を続ける。


「わんどはこのせがいのひみづさぐってらの」


「私達はこの世界の秘密を探っているの」


あー、やっぱりそんな感じなのか。


「後日他の人達を呼んで、その探索の協力をさせてくれませんか?」


「??何言ってらの?」


「……え?」


「この場所からは出らぃねじゃ?」


えーっと…なんて?


「この場所からは出られないよ?」


…………やっぱりかー!!


いや、そんな気はしてたよ?


こんなに分かりやすい場所なのに今まで情報の一つも無かった事から、二パターンは分かってた。


入ったら死ぬか、入ったら出られないかの二択。


まあ、良い方……なのか?


死ぬよりかは良いと思うけど。


「ええ!?本当ですか!?」


「嘘はづいでね」


…まあ、ケイにとっては結構ショックな情報っぽいけど。


「なぁ、出る方法はあるのか?」


そうライが切り出した。


確かにそれは気になるな。


「方法は一づ、鍵をあつめるだげだ」


鍵を……集める?

うーん…方言書くの、面倒臭い。

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