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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
12章 神薬の錬金術師
150/177

到着

ザクッザクッ


ザッザッ


ザクッザクッ


ザッザッ


………疲れた…


そう俺はヘトヘトになりながらも()()続ける。


地上がダメなら地下、モグラ戦法だー!


そう思っい、俺は掘り始めたのだが、かなり厳しい。


カールさんの思惑通り、かなりの時間稼ぎをされている。


それにしても……キツい。


いやだってこの穴ちょっとでも上掘ったらさっきの溶岩落ちて来て終わりだよ?


例え下の方掘っても非効率だし、それにマグマ溜まりが多分あるから終わりなんだよ。


だから俺はギリギリをずっとせめてる。


……いや、待てよ。


俺はとある事に気付く。


噴火二連続って自然に起こり得る事じゃないよな?


だとしたら無理矢理カールさんが()()()()って事。


だとしたらマグマ溜まりにマグマ…殆ど残って無いんじゃ無いか?


だってそうでしょ、噴火っていうのはマグマ溜まりのマグマが出てくる事を言うんだから。


……中から行った方が確実に早い。


よし、ちょっと見てみるか。


そう思ったが吉、すぐさま下へと掘り出した。


うーん…狼状態の方が絶対掘りやすい。


そう思い、泥だらけになりながら、掘り続けた。

……………

………


バコッ


そう音を立てて土が崩れる。


そしてそこから見えるは眩い光。


暫く土の中に居た俺にとってはかなりキツい光だ。


段々と目が慣れてくると、漸く下の光景が見えてくる。


中はキラキラと眩い鉱石の壁があるが、肝心の下には少量のマグマが水溜まりのようにある、ただそれだけだった。


よし、これなら行けるな。


そう決心した俺は、気絶したケイ達を連れに来た道を戻るのだった。

………………

………


「うーん……ここは…」


戻って来ると、ケイが目を覚ましていた。


………これで少しは負担が減るな。


そう思いながら、ひとまず状況を説明した。


「…なるほど、ってことはレイヤ、ありがとな」


そして一通り説明すると、ケイがそう言葉をくれた。


……??


俺はその言葉に若干の疑問を抱いたが、次の言葉で納得した。


「気絶してる間、相当世話になった」


あー、それか。


まあ…大変だったからなぁ。


「それじゃあ行こうか」


「そうだね」


そう返事をし、俺はイースを手渡した。


………よし、面倒事から解放だ!


そう喜びながら。

………………

………


そしてあのマグマ溜まりの中へと来た。


「ここがマグマ溜まりか」


「……幻想的だなぁ」


そう言葉を残した。


……確かに綺麗だ。


マグマの熱によって出来た様々な鉱石がキラキラと輝いて、まさにファンタジーって感じだ。


まあ、こんなに暑くなければそんな感想を残せたんだがな!


そう、ここは一応マグマ溜まり、暑いんだ。


本当、マジで暑い。


よくそんな感想を残せるなって思うよ。


「それじゃあ、行くよ」


そう勢いよくケイはイースを持って降りて行った。


それに続き、俺も降りる。


ドサッ


上を見上げるとかなり上の方に火口が見える。


…………これ、よくよく考えたらさっきまで登って来た分無駄になったよな。


そう若干降りた事を後悔しながら、考える。


どうやって登るかを。


…………ロッククライミングは無謀だよなぁ。


先程も言った通り、ゴツゴツと色々な鉱石があり、それを使って登れない事もない。


ただ、正直それはかなり厳しい。


段々と火口に近付くにつれ、角度が急になって来る。


「よし、行くか」


そうケイは言うと、この断崖絶壁を登り始めた。


……行くんだ。


いや、確かに俺も行けない事もないよ?


でも正直もうヘトヘトで動きたくないんだけど…


そう俺が悩んでいると、どこからか声が聞こえた。


『……様』


ん?


『主様ー!!』


この声は…フォスか!


「ケイ、俺は疲れたからちょっと休んでから行くよ」


「え?あ、分かった」


そう俺はケイに連絡し、掘って来た穴へと戻る事にした。


……あれ?結局穴まで登って行かないとじゃん。


そう再び降りた事を後悔しながら。

………………

………


俺が掘った穴の外へと出ると、


『『主様!』』


そう言い、フォスが飛びかかって来た。


そしてそれに耐え切れず、俺は押し潰された。


「グハッ」


「主様!?」


確かに普段なら耐えられる状況だが、流石に今は無理だった。


「大丈夫ですか?」


そう心配そうにムシュが聞いてくるが、


「ひとまず降りてくれ」


フォスが乗っかった状態で話を進めないでほしい。


もう既に俺は虫の息だ。


「あ、すいません」


そう謝罪しながらフォスは俺から降り、そして落ち込んだように頭を伏せた。


ふぅ、……それにしても…


俺は溶岩で覆われた先への道を見る。


()()()()()()()!!


そしてそう叫んだ。


いやだってね、もしケイが起きずに来てくれればささっと二人連れて頂上まで連れて行けたんだよ?


もうちょっと早く来てくれれば俺もわざわざモグラになる必要も無かったし。


いや、まあありがたいんだよ?


本来来てくれなければ俺は疲れ果てた状態で登らないとだったし。


え?フォス達が来る事を予想してたのかって?


勿論。


こんな非常時に主である俺が居なかったら心配になるだろうし、それに今まで数多くそんな事があって、()()()()()()状態なのは初めてだっただろうからね。


軽い気持ちで外に出た時は恐らく念話繋がってなかっただろうし、今回はプレイヤーが居なくなってない事からイベントって線もなくなったからね。


そうなったら俺の方に来るでしょ。


念話は常に俺となんか線みたいなのが繋がってるから居場所は分かる。


となったらこっちに来るよ。


うん、まあ正確な時間は分からなかったけど。


二匹が魔物に戻る為の時間もあっただろうからね。


まあでも結果的に来てくれた。


となるとあれをしてもらわないと。


「それじゃあ二人にお願いだ」


「俺を魔物の姿に戻してくれ」


「「はい!」」


そう二匹が勢い良く返事すると共に、俺の身体は形を変える。


………あれ?そういえばムシュの力って……


「主様!制御が出来ません!」


ヤバい、終わったかも。


……その後、レンが元の姿に戻るのにかなりの時間がかかったとさ。






「ケイ、来たか」


「どうしてこんな事を…カールさん!」

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