番外編 イースの苦行
生産職大会が始まり、皆がそれぞれの戦闘職の役割を果たす中、僕は…
「はーい、もうちょっと笑顔でねー」
何故か大会の一つの部門である、アイドル部門に参加させられていた。
勿論強制的にね!
うん、運営は酷いと思う。
今回の大会の条件的に僕の魔力のごり押しを禁止にしたいのは分かるけど、なんでこの部門に強制参加なんだよ!
おかしいよ!
普通に魔力を戦闘以外で使用禁止とかにすれば良いのにさー…。
そう心の中で愚痴を溢すが、現実は変わらない。
うーん…どこで道を間違えた?
やっぱり安易に…っていうか僕は許可した覚えはないんだけど「アイドルになる」ってあの戦争で宣言をしたのがダメだったかな?
そう考えてみたが、それよりも前にまず僕が姿変えてあの国に侵入すれば良かったという根本的な事に気付いた。
なんであのままの姿であの時訪れたんだよ…普通は少し位変装するだろ!
そう昔の自分を叱咤するが、
……あの時スパイだーって調子に乗ってたからなぁ。
そう昔の自分の状況をすぐに思い出した。
で、その後に今度はあの歌姫とか言われてる蝙蝠ちゃんに追われてたのがアイドルと僕を直接的に結び付けられた全てのキッカケだった。
……完全にあの蝙蝠ちゃんが悪い。
そう思うものの、なんだかんだで彼女は良くして…
そう思おうとすると、同時にあの時の事を思い出す。
無理矢理服を着替えさせられ、新しく出来た写真機能を使って撮られ、色んな人にばら撒かれた事。
現実でしたら犯罪案件だが、昔はそれほど法律が整備されてなかったから特に音沙汰なし。
あの事件によってかなりの人に注目されるようになった。
……やっぱり彼女は別に良くしてくれてないな。
っていうか逆に僕がいじめられてる。
こういうのを性悪って言うんだよなぁ。
「それじゃあ今度はこの服着てみよっか」
そう言う彼女に僕は言ってやった。
「性悪蝙蝠」
「……よし、この服じゃなくてこっちを着てみよっか」
そしたらあからさまに僕の嫌がる女の子っぽい服を着させようとして来た。
やっぱり彼女は性悪だ。
……でも、彼女と一緒に居ると姉を思い出せる。
僕が唯一関係を保つ事が出来た親類であるあの人。
まあでも今となっちゃ会うことは出来ないんだけどね。
…だから、僕は彼女と居るのが嫌いじゃない。
まあ嫌いなんだけどね。
矛盾だって?
分からないなー。
さてと、それじゃあ頑張りますか。
そう思い、頑張って練習を続けた。
後にアイドルの採点方法を知り、後悔するのであった。
ブックマーク数100人、ありがとうございます!
いやー、こんな事言うと…減りそうですね。
とはいえ一つの目標である100人にいけて嬉しいです。
ありがとうございます。
今後も完結までお願いします。




