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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
11章 生産大会
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ケイサイド28

遂にこの時が来てしまったか……


まだ()()していないのに。


だが、始まってしまったものは仕方ない。


必ずこの大会を優勝し、()()への足掛かりを作らなければ……


レイン、不甲斐ない夫ですまない。


だが、必ずや完成させてみせる!


そう闘技大会前日に意気込む、カールが居た。

……………………

……………


闘技大会が始まり、俺達は無事カールさんと合流した。


めちゃくちゃ探したけど。


「二人はどの部門に出場するんですか?」


そう主にレインさんに向けて質問した。


「勿論我は薬部門だ」


あー、やっぱりそうか。


「私は……どうましょうか」


レインさんは何でも出来るからなぁ。


悩むのも仕方ないか。


「私は料理にしようと思うわ」


料理か……レインさんの料理美味しいもんな。


あれ?そういえば、


「この大会って複数の部門に同時出場とかってできないんですか?」


「複数の部門に同時出場?多分出来ると思うけど…」


けど?


「私が出場しちゃったら他の人が優勝出来ないじゃない」


……凄い自信だな。


「まあだが部門の中でも枝分かれした一つのものをするのだったら別に良いんじゃないか?」


そう言うライ。


「うんうん、良いと思うよ!」


そしてそれに賛成するシズク。


「それじゃあそうする事にするけど……あなた達は大丈夫なの?」


大丈夫?


「その分素材を集めるの大変になるけど」


あー、そっか。


この大会ではペアを組んだ戦闘職の人が素材を集めなければいけない。


だから出場する部門が多ければ多い程素材集めが大変になる。


確かに出場する部門の数は気をつけないとだね。


「そういえば大会っていつ始まるの?」


「一週間後よ」


一週間!?


「大分短いですね」


「そうね」


生産職の人達は、いわば職人のような人達だ。


一つの作品をひたすらに完成させる為に頑張る。


それを一週間。


いや、素材集めの時間も考えたら一週間も無いな。


かなり厳しくないか?


「まあだが我はレインの行く方向へ付いて行くから大丈夫だ」


え?


「素材は?」


「大丈夫だ。そこら辺にあるものから作る事は可能だ」


そこら辺にあるものから作り出す事は可能?


って事は、


「新薬を作るって事ですか?」


「ああ、適当な素材を使い、そうしようと思っている」


新薬って確か作るのに何年も掛かるんじゃなかったっけ?


あれ?


「まあ良いか、それじゃあ早速行きましょうか」


「素材集め開始ね」


……まあマップ見てからじゃないとなんだけど。

……………………

……………


まず始めに行くのは魔物の庭園。


まあ名前の通り色んな魔物が居る場所だ。


ただ庭園とは名ばかりで、実際はひたすらに生存競争を繰り広げている場所なんだけどね。


それにしてもレインさん達を置いて行けなかったのは大きい。


レインさんもカールさんも体力無いからおんぶして連れて来たし、そんなカールさん達をこんな危ない争いの渦中に居るのは危険過ぎる。


「ガオォォォォォォォォ!!」


「グアァァァォォォオオオ!!」


うん、本当にヤバい。


「ここで、倒す、魔物って、何でしたっけ!」


「え?何?」


「ここで、倒す、魔物って、何でしたっけ!」


周りがうるさ過ぎて全然声が聞こえない。


「えーっと、私が欲しいのは、小麦粉を出す、怪鳥よ!」


怪鳥……鳥……


「キエェェェェエエエ!!」


「ピー、ピー」


「カー、カー」


鳥めちゃくちゃ居るから分からないよ。


いや、まあ鳴き声的にはキエーの奴っぽいけど……よし、


「とりあえず、鳥は、片っ端から倒すぞー!」


「「おー!!」」


そう皆んなで意気込み、鳥を片っ端から倒し始めた。

…………………

…………


そして数時間掛け、俺達は漸く目当ての鳥を仕留める事に成功した。


「はぁ、はぁ、はぁ」


「疲れた……」


かなり大変だった。


うん、片っ端から倒していったのに全然当たらなかったよ。


鳥って事もあって鶏肉が出たのは良いんだけど、羽とか口ばしとか完全に装飾品じゃん。


これ料理に使うようなものじゃ絶対無いよ。


そして漸く、漸く目当ての怪鳥見つけたかと思えば、そいつめちゃくちゃ強かったし。


……これが続くのかぁ、キツいなぁ。


そう弱音を吐いていると、レインさんが意気揚々と言った。


「それじゃあ次の場所、行きましょうか」


………ちょっとは休ませて欲しいわ。


まあでも複数の物を作るなら休んでる暇なんて無いか。


「小麦粉だけじゃなくて、()()も手に入れられたから、大分余裕が出来たしね」


あれ?


「さてと、それじゃあ次は、畑の方にいきましょうか」


そして俺達は畑へと歩いて行った……

…………………

…………


ここでは野菜関連の頼み事を受け、達成しないと野菜を貰えないのだ。


まあ簡単に言えばクエストエリアって言えるね。


クエストを受け、そしてそれを達成すれば褒美に野菜を貰える。


「出来れば沢山の野菜が欲しいから、皆んなで別れてクエストを受けましょ」


そうレインさんは言うが、俺は一つ、疑問に思った。


「チームでバラバラになって行動出来ないんじゃなかったの?」


この世界では一度チームを組むと、その人達と離れる事は決して出来ない。


ならばバラバラになって行動なんて出来る筈が無い。


そう考えたのだが、


「このクエストエリアではね、その制限が一時的に解除されるのよ」


「え!そうなんですか!?」


「ええ」


ここだと解除されるのか。


「それじゃあ早速バラバラになってクエストをこなしていきましょう」


そして俺達は一時的に離れ、クエストをこなす事にした。

………………

………


俺が応募するクエストはニンジンだ。


という事で早速聞いてみた。


「あのー、ニンジンをくれませんか?」


すると、


「何言ってやがんだよ、ニンジンをくれだと?」


「はい」


なんか喧嘩腰で返された。


「それならお前、俺の…」


俺の?


「俺の大事な大事なペットを取り返して来てくれ!」


「ペットを取り返せ?」


「ああ」


ペット盗まれちゃったんだ。


「俺の大事なゴンタが朝起きたら居なくなっててな」


「どうか、探し出してくれ!」


そう言って農家の人は俺に泣きついて来た。


「ゴンタって種族何ですか?」


まあ探し出すのは良いとして、何の動物か位は知らないとだよな。


そう思い、聞いてみると、


「ああ、ゴンタは……メデューサだ」


………メデューサ!?!?

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