生産職の大会
イベントの開催予告から2日後、イベント開催日になった。
いやー、クライムでゆっくりしてたら過ぎちゃったねぇ。
あ、因みにまだ完成しないらしい。
あー、この呪縛から解き放たれるのはいつになるのやら。
まあ戦闘系のイベントさえ起こらなければまだ大丈夫だろうからね。
あ、因みに大会の詳細はこれ。
本日開催する生産職達の大会は各部門に分かれて行います!
芸術部門、武器部門、防具部門、家具部門、服部門……と、まあここで全部言うとかなりの数で読むのを諦める方もいるかもしれないので、先に説明だけしちゃいます。
今回の生産での大会では、戦闘職の方々にも活躍してもらいます。
生産職には何が必要か……ずばり素材です!
その為、今回の大会では素材集めを戦闘職の方々に頼んで下さい!
勿論知り合いが生産職にしかいないという人も強制です。
9時から大会が始まるので送れないように。
芸術部門 武器部門 防具部門 家具部門 服部門
アクセサリー部門 家部門 薬部門 料理部門
農作物部門 小物部門 ペット用品部門 アイドル部門
うん、こんな感じ。
それにしても農作物ってどうするんだろう。
それにアイドルってもはや生産職じゃないよ。
因みにこれ、大雑把な部門だからまだ細かくなるよ。
多すぎるでしょ。
まあ俺はあんまり関係無いからね。
お、そろそろ始まるな。
『これより、プレイヤー皆さんを転移させます』
そう言われ、俺はどこかへと飛ばされた。
………………
…………
…
目の前には沢山の人が居る。
そんな中、一人だけ高い所に居る。
運営だ。
『こんにちわー、プレイヤーの皆さん』
『今から生産職大会始めます!』
『因みに戦闘職の方々、生産職に協力するのは強制となりまーす』
『それでは!』
そう言うだけ言って運営は居なくなってしまった。
………最後の最後で爆弾落として来たよ。
これ俺関係無いって思ってたけど役職によってはヤバいでしょ。
特に料理とか魔物倒さないとじゃない?
いや、もうこれ普通に嫌なんだけど。
………あれ?でもこれ別に身体操られてる訳じゃないからサボれるんじゃないか?
そう思い、俺は座り込み、ジーっとしていた。
そして……
『一定時間経ったので強制的に動かします』
そうアナウンスが経ち、そして一人の女性の目の前に転移させられた。
「!?…何?」
いや、今のアナウンス聞こえなかった?
………あれ?どこかで見た……金平糖の従業員じゃない?
っとそう考える前に逃げ…逃げ……動けない!?
そう思って動こうとしたが、身体が地蔵のように固まり、動けなかった。
えー、酷くない?
「えーっと……何?」
これ、チームになろうって誘わないとだよな。
そう思い、渋々誘った。
「えー、俺に手伝いをさせて下さい…」
しかし、
「………嫌よ」
断られてしまった。
嫌!?
これ俺動けないんだけど。
「あれ?あなた…」
あ、気付いた。
「いつもケーキ一個だけ食べて帰る…」
あー、やっぱり珍しいのかな。
「まあ良いわ」
そう興味なさげに答える彼女の了承のような言葉が聞こえると、
『チーム認証、完了しました』
そうアナウンスが言った。
……完全な誤認証じゃん。
「………え?……ちょっと、これ解約してくれない?」
「いや、俺に言われても」
どうしろって言うんだよ。
あー、でも動けるようにはなったわ。
あ、それなら、
「それじゃあ俺は別の場所行くよ」
離れれば良いんじゃないか?
「……分かったわ」
離れれば関わってないのと同じようなものだからね。
そう思って数歩進むと…動けなくなった。
「どうしたの?」
「動けない…」
面倒臭い仕様にしたなぁ、運営。
「とりあえずちょっと話そうか」
「……しょうがないわね」
このまま犬猿してたら一向に話が進まないからね。
まあ俺は別にそれでも良いけど。
「………私は、この大会で優勝しなければならないの」
しなければならない?
そんなに重要な何かが…
「優勝しないと…」
しないと?
「自分の店を出す許可が貰えないのよ!」
………ま、まあ重要な事は人それぞれだしね。
「だから私は冒険者組合で有名な人をリストにまとめて、片っ端から声を掛けていったの!」
「なのに誰も了承してくれなかったのよ!」
あー、まあ有名な人だったら凄い生産職の人と知り合いの人とか多そうだしね。
「そしてそんな中あんたが来た」
そう言い、俺の姿を見る。
「………絶望的ね」
俺そんなに弱そうに見える?
「まあでも一応戦闘職なんでしょ?」
一応って…
「それなら協力してちょうだいね」
「……分かった」
成り行きだけど仕方ないか。
そう落胆しながら、俺と彼女は移動した。
作るものを集める為に……
…………………
…………
…
「えーっと…」
この世界は広い。
めちゃくちゃ広い。
森林エリアに採掘エリア、色々な素材集めのエリアがある。
「私がまず集めたいのは、砂糖」
砂糖か。
「まあ正直砂糖さえあればなんとかなるわ」
……え?
砂糖さえ……わたあめとかか?
「砂糖は……ヤバいわね」
そう呟きながら、彼女は砂糖がどこにあるかを検索した。
「……毒沼エリアのボスね」
毒沼エリアのボス……砂糖って毒か?
あ、因みにこの世界では群生してる植物からも材料は取れるけど、基本的にはドロップアイテム方式だ。
「あなたで倒せるかしら」
そう言いながら俺を見る。
やっぱり弱く見えるんだな。
仮面してるけど強く見えないの?
「まあ良いわ、とりあえず行きましょ」
「了解」
そして俺達は毒沼エリアへと進んだ……のだが。
「はぁ、はぁ、はぁ」
彼女の体力が着く前に切れた。
っていう訳で、
「え?何してるの?」
仕方ないから彼女をおんぶして進む事にした。
………………
…………
…
「着いたよ」
「!!…着いたなら早く降ろして!」
なんでそんな怒るんだ?
まあ良いか。
「……周りには唐辛子が生えてるわね」
「使う?」
「なんで砂糖求めてるのに唐辛子使うのよ!」
……怒られた。
まあ良いや、適当に二、三個持っておこう。
そう思い、唐辛子を数個取った。
そして暫く探索していると……
「はぁ、はぁ、はぁ」
彼女が息切れして来た。
多分これは……体力とかじゃなくて、毒だな。
「なるほど、この地の主は…そういったやり方か」
そう言って後ろを見る。
俺の気配探知は誤魔化せないぞ。
まあ直前まで気付いてなかったんだけど。
「ゲロゲロゲロ」
………まさかのボスがカエル。
「ちょっと待っててね」
すぐ、殺すから。
ちょっと連休が続くので、毎日投稿また頑張りたいと思います。
……と、昨日宿題に追われて執筆出来なかった作者が申しております。




