イベント開始
(自分が)忘れた頃にやってくる。
「何してんだよ…」
「いやー、ごめんね」
反省してる気がしない。
まあ良いか。
「はい、これ」
宝珠手に入れられたからね。
それじゃあ、グサリっと。
「何してるの!?」
そう驚いて俺を見る情報屋を尻目に聞いた。
『*****』
……はは、なるほどな。
流石運営、粋な事するじゃんか。
面白い……やっぱりゲームはこうでないと。
「ねぇ」
「何?」
今ちょっと悪役っぽく言ってみたのに。
「これ、イースに返す時どうするの?」
「あ……」
取り返す事ずっと考えてて忘れてたー!!
まあ良いか、仕方ない。
「それじゃ」
やるべき事果たしたし、一旦クライムがどうなってるか見に行こう。
ついでに解除が出来れば良いけど……無理かなぁ。
とりあえず行こう。
そして俺は情報屋と離れ、クライムへと進んで行った。
………………
………
…
ケイサイド
逃げて来れたけど……ぜんぜん情報を得られなかった。
シズクにも負担しか掛けてないし……上手くいかないもんだなぁ。
「はぁ…」
そう俺が落胆していると、皆も口々に、
「あー、疲れたー!」
「本当、崩れるなんて聞いてない」
そう声を漏らしていった。
……よし、
「折角来たんだし、俺のせいで全然楽しめなかったでしょ?」
「ええ、とんだ災難だったわ」
……そこまで言わなくても……じゃない、
「えーっと、それで今からだけど、俺の奢りで皆、海で遊んで良いよ」
「え!良いの?」
「ありがとね」
「ん……うん…」
ここでシズクが起きる、と。
狙ったようにしか思えないんだけど…
まあ良いか。
「俺はやめておく」
「私も執事ですので」
しかしそれをライと、その執事は拒んだ。
別に遠慮しなくて良いんだけど……まあお金が浮くなら良いか。
そう思い、皆で遊ぼうと思ったその時!
『ケイ、また怪しい奴が現れたから来てくれ』
そう連絡が入った。
……俺は仕事から逃れられぬ運命にでもあるのか?
「ごめん、ちょっと予定が入ったから抜ける」
「えー…」
「お金は置いていくから」
さてと、仕事しに行くか。
そう思い、俺は国へと戻って行った。
………………
…………
…
「すみません、いきなり呼び出してしまって」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ」
「それで、怪しい奴とは?」
この世界に来てから大分経ったけど……
「はい、この中にいます」
そう彼が言いながら、扉を開いた。
中に居たのは……
「漸くだな」
シム達だった。
顔には怒りが滲み出ている。
……忘れてたー!!!
「すいません、忘れてました」
「良いじゃん、折角助けてくれたんだし」
「そうだぞ!」
「いや、でもな…」
シム、あの時から結構濃い時間を過ごしてたからすっかり忘れてたわ。
「あの、本当に知り合いなんですか?」
「はい、すみません、迷惑掛けてしまって」
「いえ、全然……とりあえず王の友人だった。と、書いとくのでどこかでお話しでもどうぞ」
「そうですか?それじゃあお言葉に甘えて…」
そう言って俺はシム達を連れて喫茶店へと入った。
マジで忘れてた。
めちゃくちゃ気まずいよ。
「……………」
「……あの、シムさん」
「なんだ?」
「ちょっと、そんな言い方は無いんじゃない?」
「そうだそうだー!」
「いやだって……」
うーん、話に入りづらい。
「あの、あなた方はどういった関係なんですか?」
でもここで聞かなければ始まらない!
そう思い、俺は聞いた。
「ああ、俺達か」
「まず……」
そして話始めようとしたその時!
お知らせが入った。
内容は……
明後日、生産職による生産職の為の生産職の大会を行いまーす!
前回は闘技大会と、戦闘職だけの大会で、まあ苦情というものは来ないんですけど、生産職達の心の声が聞こえて来たので、生産職の大会を行います!
詳しい事は後日、それでは!
………タイミング悪っ!!
そう思ったのを尻目に、シムは話を続ける。
「まず、俺とこの女子が兄弟関係、すなわち兄と妹って事」
続けるんだ。
「で、こいつが俺の友達だ」
………えー!!運良すぎでしょ!
親しい人と一緒なんて…抽選で当たらないといけないのに。
そして俺達はその後も会話を続けた。
忘れてたー!
思い出してなかったら登場してなかったかも。




