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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
10章 入れ替わり
132/177

イースサイド26

検定受けてました。

何?こいつ…


そう疑問に思っていると、そいつはこちらに向かって襲い掛かって来た。


早い!!


ドゴンッ


「危な!」


後もう少し回避遅れてたら……スライムだから意外と物理攻撃強いんだよな。


大丈夫だったか?


いや、まあ食らわないに越した事は無いからな。


……で、こいつは何だ?


姿は全身真っ黒で、身体の形が凄い。


まさに異形だな。


ボウッ


「火を出した?」


火の術系は熊だが……どうにもそうは見えないよな。


一応火、水、風等の奴は訓練でも手に入れられる事が最近分かったんだけど、多分違うよなぁ。


よく分からない。


とりあえずこいつを倒さないとだよな。


魔力は節約したかっだが、仕方ない…。


切断!


スパッ


僕は切断という事象を出し、奴を切った。


……やっぱり事象を出すのは魔力使うなぁ。


そして奴は活動を停止した。


さてと、それじゃあ上に繋がる場所を探しますか。


僕は再び探索を始めた……


そして数分後……


「これ、だよなぁ」


活動停止をしたエレベーターを見つけた。


ボタンを押しても何ともならないし、入っても上がったりしない。


完全に壊れてるな。


うーん、どうしよう。


魔力を使って無理矢理直しても別に良いんだけど、さっきので大分使っちゃったからなぁ。


ここは……こうするか。


吸収だー!


そして僕はスライムへと変化し、エレベーターごと全てを飲み込んだ。


よし、回復完了!


壁とか床はなんか吸収出来なかったけど、エレベーターの出口なら吸収出来るかなって思ってね。


え?じゃあなんでさっき爆破したのかって?


………よし、繋がったしこれで大丈夫!


「おーい、イース!」


あ、ケイが上から顔出してる。


「よいしょっと」


そしてケイはそう言いながら降りて来た。


「それじゃ、返して!」


世界樹さんの宝玉!


「はいはい」


そしてケイからそれを手渡された。


これは………分からん。


「大丈夫大丈夫、それ本物だから」


本当か?


まあでもここで疑ってたら切りがない。


「行くよ」


「ああ」


この世界がどうなったのか、その真実の追求を。


そう意気込んだその時!


『ビー、ビー、ビー、緊急自壊装置が発動しました』


「「え?」」


『速やかにご退出下さ……い』


『侵入者よ』


あれ?声が変わった?


『この世界を』


『救ってくれ……』


そしてその声が消え、再び、


『速やかにご退出下さい』


アナウンスが聞こえた。


「緊急自壊装置が発動…」


さっきまで発動してなかったのにいきなり……あ!


これ、エレベーター壊したせいか?


他に思い当たらないし。


「とりあえず急いで逃げないと!」


「ああ、そうだな」


そして僕達は外に出た。



少し前…


やばい、意外と苦しくいわ。


そう思いながら落ちて行くレンが居た。


水圧はこの義手で守れたんだが、意外と息がやばいわ。


そう思っていると、一つ、気付いた。


糸が……付いてる。


さっきまでは無かった筈の糸が義手にくっ付いていたのだ。


やっぱり振りだったか。


俺は一回あいつと戦った事があるから、あいつはあの程度で俺を拘束出来るとは考えてない筈だ。


なのにあの場を離れた。


何故か?


それは恐らく、その場所に案内して欲しかったんだろう。


情報屋だから有益な情報だけでも貰って行こうって魂胆だな。


あー、糸切っても良いが……やめておこう。


この糸は多分後で利用出来る。


そう考えながら俺は海の底へと沈んで行った。

………………

………


そしてもう意識を手放す寸前あたりで、遂に予想していた施設へと着いた。


「はぁはぁはぁ」


いやー、マジでギリギリだったー!


「さてと……それじゃあ呼びますか」


そして俺は残していた糸を手繰り寄せ、情報屋を呼んだ。


「…へー、ここがイースの言ってた場所かぁ」


「海底の研究所みたいだなぁ」


研究所……見えるか?


「ま……イー……」


「…そ……な……」


ん?何か話し声が聞こえる。


そういえば俺達が入った場所、明らかに誰かが壊したような感じだったな。


って事は壊して入ったのか。


やるとしたら……サキか?


まあ良いか。


「さて、俺が言いたい事が分かる?」


「言いたい事?……あ」


情報屋はイースと親密な関係にある。


そしてこっちに来る人を止める役割を任されてた。


でも今ここにいるって事は、


「バラされたくなかったら手伝え」


その約束を破ったって事だ。


まあ俺もバレたくない立ち位置にあるけどあの様子だと俺が同行してるのはバレてないと思う。


「はぁ、なんでまた脅される事になんだよ…」


うん、前のは悪かったよ。


「で、何をしろと?」


お、飲んでくれたみたい。


「宝珠を多分イースが持ってるからそれを盗んで来てくれ」


「………」


あー、やっぱり友達の物盗むのは嫌……


ニヤリ


ああ、そういえばこいつこういう奴だったな。


「それじゃあ行って来るわ」


「ああ」


それじゃあ後は情報屋に任せようか。


そう思い、俺は情報屋を見送った……



情報屋、彼はスリルを好む。


そんな彼が任されたのは宝珠を盗み出す事。


そして彼はその仕事で極めた気配消し、歩法等等。


それらを使い、こっそりと中へ入る。


……だが、その時、彼の視界には一つの玉が見えた。


(……いや、これじゃない、これはケイが持ってるから違う…)


そう思い、自分を誤魔化すが、


「それにしてもイースが大事にしてるこれ、なんなんだろうな」


そう、決定的な一言が言われた。


(スリル……感じる暇も無く終了じゃねぇか!)


そして偽物とケイの持っていた宝珠を取り替えた。


……だが、こんな所で終わる情報屋では無い!


(さてと、宝珠も手に入れたし、情報を探ってこれ持って逃げよう)


そう考え、そろりそろりとあちこちを歩き回った。


そして……彼はやってはいけない事をした。


「これで全部かな」


天井に付いている酸素供給機。


これについてはイース達は監視カメラか何かと思っており、スルーしていたのだが、情報屋である彼は貴重なものである事を見分け……取り外し、全て回収していたのだ。


それにより、酸素の供給が一定に行き渡らなくなり………


『ビー、ビー、ビー、緊急自壊装置が発動しました』


『速やかにご退出下さ……い』


『侵入者よ』


『この世界を』


『救ってくれ……』


そしてその声が消え、再び、


『速やかにご退出下さい』


そう告げられた。


情報屋は急いでレンの元へ行き、


「この話は内密に!」


そう言って逃げて行った。


そして、海底の研究所は壊れていった。

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