番外編 主人公達の話
書きたくなって書いた。
…ちょっと後悔してる。
「そういえば皆って兄弟とか居るの?」
そうさりげなく言ったケイの一言で、全ては始まった。
「僕は姉が一人居るけど、他は知らされてないかな」
知らされてない……か。
北条家って本当にヤバい所だったんだなぁ。
「俺は妹が一人」
そしてそれに続いてレイヤが言う。
「妹かぁ、良いなぁ俺も兄弟欲しかったよ」
「まあでももう会う事は無いだろうけど」
「こんな状況だしなぁ」
イースやレイヤも、かなり時間経ったけど会いたいのかなぁ。
「まあでも僕は姉の着せ替え人形だったから逃げられて良かったよ。ここでの立ち位置もあんまり変わらないけど」
あ、現実でもそんな感じだったんだ。
「俺も会えれば嬉しい位かな」
レイヤは……淡白だな。
「ねぇ、兄弟が居るってどんな感じなの?」
そう俺は彼らに聞いた。
「普通に良いよ、妹の為ならなんでもしてあげられるって思えるし」
……あれ?なんか愛情が強い気がするんだけど気のせいか?
「僕も!姉さんの為だったら国一つ潰せるよ」
イースも…まあ二人がそう言ってるならそんなもんなのか?
「前僕姉さんの為に姉さんの好きなブランド企業買い占めた事あった位だし」
……うんうん、これ位普通普通。
「俺も妹の為に会社壊した事あったなぁ」
…うん、これも普通……じゃねぇな、二人とも重度のシスコンだよ。
まあ普通がどんな感じか知らないけど。
「へー、二人共凄いね」
「そう?」
「僕的にはまだ出来たと思うけど」
まだするんだ。
「俺のは嘘だけど」
そっちは嘘かよ!
「流石に本当の事言ったら多分終わる」
……うん、世の中には知らない方が良い事があるって言うしね。
「僕のもあれでも優しい方だね」
え?あれで?
かなりやばそうだな。
「因みにその人達の名前って何?」
「俺は雪」
「僕は蒼華」
へー、なんか二人共珍しい名前。
「姉さんとは会いたいとは思うけど、同時にこの世界に来れて良かったと思う」
…確かにイースは環境が悪かったと言えば悪かったからな。
「これからもよろしくね、ケイ」
「よろしく」
「…ああ、よろしくな」




