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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
10章 入れ替わり
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ケイサイド27

まずは海の整地からだな。


えーっと荷物の中に確か……


俺は背負っていた荷物を下ろし、そして漁り出した。


「あった!」


そして皆に人数分のサンダルと袋を渡した。


「はい、多分今の靴は防水が出来てないだろうし、このサンダル履いて」


「で、海藻とかの邪魔になりそうなものは袋に、後で何かに使えるかもしれないからね」


「「了解!」」


それにしてもやっぱりこうなってたかぁ。


俺はとりあえずどこまでが大丈夫なのかを調べて、侵入禁止の看板をそこに立てておこう。


その後は海に入って何の影響があるか、そして海の中の生物を調べて……大変だなぁ。


「それだったら僕が一気に片付けた方が良いんじゃないの?」


あー、確かにイースなら簡単に出来る。


でも、


「魔力は後でたっぷり使って貰うからね」


それまで温存して貰わないと。


「それじゃあ清掃開始!」

………………

………


数時間が経ち、ある程度は片付いて来た。


俺は端から端まで見回り、どこまでが限界なのかを把握して来た。


更に、海に潜り、レインさんに頼んで渡して貰った水質検査用の紙を使って水質が大丈夫かを調べて等等……っていった事をしてた。


とりあえず言える事は一つ。


めちゃくちゃ深い!


いや、まあ奥の方まで行けばの話だけど、明らかに一部分だけが深い!


俺が予想してた通り何かあったって事だ。


とはいえ泳いで行っても水圧や空気、後光の問題で普通には辿り着けないから一般人が辿り着く事は多分無い。


あったらもうそいつは一般人じゃない。


今は国全体に海への侵入に規制を掛けてるから勝手に入られる心配はないけど……うん、早く対処しないとだな。


止められても後数日。


暫くしたら多分お店とかも沢山建つ事になるだろう。


その時までに解決出来なかったら誰かがこの先の鍵となるあの場所を壊されたりするかもしれない。


………急がないと。


「集合ー!」


そう俺は陸に上がり、叫んだ。


すると順調に皆が集まって来た。


「とりあえず一通りは片付いたから……海底に侵入する」


「海底に?」


「ああ、何かありそうなんだ」


「どうやって行くの?」


お、やっぱりその質問来たか。


「ここでイースの出番だ」


「呼吸、水圧、視覚、全てに対処してくれ」


「了解」


「あ、俺は大丈夫」


聖魂力の力はなんとなく分かった。


イースに無理させる必要は無いからな。


「でもその前に、海の中に入るなら水着に着替えないとじゃない?」


「あ、確かに折角買ったのに使わないのは勿体ないわね」


え?俺水着準備してないんだけど。


「じゃあちょっと近くに更衣室作っとくからそこで着替えようか」


「そうだな」


え?完全に着る流れじゃん。


俺持って来てないよ?


いやだってもう魔法で乾かしたりとか出来ちゃうんだから必要無いでしょ。


いやでもこの流れで持って無いって言うのはちょっと気が引けるし……。


「俺水着持って無い」


そう言うかどうか迷っていると、レイヤが水着を持って無いと切り出した。


「それなら僕が作ってあげるよ」


そしてそれにイースが返事をする。


「俺と爺も持って来てないから頼むわ」


よし、この流れなら…


「俺も持って来てないからお願い」


そしてそう俺も頼んだ。


「了解!」


しかしその瞬間、女性陣から思わぬ言葉を発せられた。


「大丈夫、どうせそんな事になるだろうからって男性陣の皆に水着を買って来たから」


………だからそんなに時間が掛かってたんだ。


水着ってそんなに大事?


いや、それでも遅刻には変わりないけど。


「………嫌な予感がする」


そうボソリとイースが呟いた。


え?


なんだ?と疑問に思ったが、すぐにその答えが分かった。


順々に着替えて行き、イースが出て来る。


「どうせこんな事だろうとは思ったよ!」


……完全に女物の水着じゃん。


「ふふん、これは特注で作って貰ったからね」


完全にイースが玩具化してる。魔王なのに。


その後無事皆着替えを終え、最後にイースに魔法を掛けて貰う。


「それじゃあ皆に魔法掛けるよ」


「……………」


「はい、掛けた」


「え?もう終わり?」


……うん、やっぱり掛かった気にならない。


まあ俺掛けて貰ってないんだけど。


エフェクトって大事なんだなぁ。


そう思いながら、


「それじゃあ早速行こうか」


そう皆と海の中へと入っていった。


「そうだね」「ああ」「はーい」……

……………

………


俺は願う。


前を見させてくれ。


俺は願う。


押し潰されないようにさせてくれ。


俺は願う。


呼吸を出来るようにしてくれ。


全ては、この先の為に!


そう願うと、俺は呼吸が出来るようになり、水圧にも負けず、前が見えるようになった。


聖魂力とは意思の力。


脆弱なものではダメ。


強固なものではないと。


俺はこの先も皆を守りたいという意思により、願いを叶えて貰った。


一つの確固たる意思、信念の為にしか使えないこの聖魂力。


しかし、その意思が強ければ強い程その力は強くなる。


………もしこの意思が折れてしまえば、それはこの能力の損失となる。


俺はこの先、この意思を貫き通さなければならない。


「あ、見えて来た!」


段々と周りの景色が変わり、目には巨大なシェルターのようなものが見える。


「これは……何?」


「さあ?中に入ってみましょうよ」


危険な予感しかしないが、それは元より承知の上だ。


「それじゃあ入ろうか」


「了解、それじゃあ開けるね」


そう自然な流れでイースが言い、そして……目の前の壁が抉り取られた。


……いや今のは強行突破って意味じゃなくて入り口を探そうって意味だったんだけど。


そう呆気に取られている内に次々と皆中へと入って行く。


まあ入れたし良いか。


そして俺もその中へと入って行った。

………………

………


壁が壊れたのに、中には水が一滴たりとも入ってはいなかった。


まあ深海の奥深くで壁が壊されたら水圧で普通建物壊れちゃうからね。


恐らくは何か術みたいなものを掛けてるんだろう。


「それじゃあ早速調べて行こうか」


「ああ、そうだな」


そして早速探索して行こうとしたその時!


「……ごめん、私……」


バタンッ


「シズク!」


シズクが倒れた。


「う……うぅ」


うなされている。


シズクは一体どうしたんだ……

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