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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
10章 入れ替わり
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フォスサイド4

そして私は人間の国の目の前にまで来た。


…………そういえば主様、かなりの時間居なくなっていたわよね。


このまま入って良いのかしら。


そう少し疑問に思ったものの、


まあ堂々と入らないと入れ替わりにはならないわよね。


そう考え、私は門の前に並んだ。


そしてその最中に中に居るムシュと打ち合わせする事にした。


『ムシュー、私主様と入れ替わる事になったんだけど、どうすれば良いと思う?』


『え!?入れ替わりですか?っていうか主様帰って来たの!?』


『え?うん、さっき連絡があって』


まだムシュには話してなかったんだ。


『で、どうすれば良いと思う?』


そう疑問を、投げかけると、ムシュはこう答えた。


『そうですねぇ、まず主様は名前をレイヤって偽名を使ってます』


『そうなの?』


『はい。そして、レン様は約20年程帰って来てないので、帰って来たとなるとかなり驚かれると思います』


驚かれる……大丈夫かな?


『とりあえず先に私と合流しませんか?』


あー、その方が良いかも。


『じゃあそうする。じゃあね』


そして念話を切り、同時に思った。


ムシュの喋り方がめちゃくちゃ丁寧になってる!


前は所々普通でおかしかったのに今は普通に凄い!


これは姉眷属?として行ったら褒めてあげないと。


まあ年は多分ムシュの方が断然上だろうけど。


そう考え事をしていたら、自分の番が回って来た。


「えー、それじゃあ名前をお願いします」


「名前?えーっと……」


これは私も偽名で入った方が良いのかな。


いや、入れ替わりをするんだ!


「私の名前はレイヤです」


「レイヤ?えー」


幻妖術、幻身化!


「ああ、はい、レイヤですね」


この術は自分自身を変えるのではなく、自分自身への認識を変える。


すなわち私は今門番からは主様に見えているっていう事だ。


「それじゃあどうぞ」


勿論それだけではなく、ある程度の都合の悪い事は見過ごしてくれる。


まあただ問題点があるとすれば……


「レイヤ……レイヤっと」


「え?レイヤが来たの!?」


「はい」


その被害を受けた当人しか効果がない事だろうか。

………………

………


『入れたよ』


『え?入れた?』


『うん』


『それじゃあちょっと向かいに行きます』


『はーい』


そして数分後…


ムシュが現れた。


なんか変な格好で。


「何その格好」


「え?ああ、これは紳士服って言うんだって」


紳士服……戦いにくそう。


「で、これからどうするの?」


「とりあえず一緒にどっかに観光しに行こ?」


「分かった」


観光…街…そういえばダンジョンのお手伝いの約束をしてたなぁ。


「あ、これお土産」


そしてムシュは袋を渡して来た。


その中には、大量のお菓子が。


「ありがとう!」


お菓子、お菓子…


そしてさっき考えていた事を忘れ、観光に行くのだった。

………………

………


「まずはここかな」


そして案内されたのは大きな商店。


「服とか色んなものあるから自由に買い物して来たら」


「え?良いの?」


「はい、良いですよ」


そして私は中に入った。


数時間後…


ムシュは酷く後悔していた。


主様の知識にも女の買い物は長いって言ってたのになんで最初に進めたんだろう…と。


折角主様の知識にある戦う執事になって来たのに居なくなっちゃうしなぁ。


そう考えていると、とある疑問が頭を巡った。


そういえばなんで我は…()()()()()()()してるんだろう。


しかし、その疑問を考える前に、


「おーい、ムシュー」


「あ、漸く来た」


フォスが帰って来た。


「もう遅いし家に帰りましょうか」


「そうだね」


そして再び、その疑問は脳の奥底へと消えて行くのであった……

…………

……


その後、夜中に連絡を入れ、主様を助けに行く事となり、そして……


レン……否、レイヤとして海に一緒に行く事となった。


ひとまず国へ戻ろうとしたが、国に入った瞬間…私は拘束された。


ムシュと一緒に。


そして暫くして…


「今までどこに行っていたのかな?レイヤ」


そう怒りの形相でケイが聞いて来た。


………これは引っ掛けているわね。


心拍数とかは正常、特に怒ってはいない。


となると私が本物のレイヤかどうか確かめているっていう所かしら。


まあここは普通に返答をしよう。


そう考え、私はこう返した。


「内緒」


主様必要以外の事話さないからこんな感じでしょ。


「……はぁ、これは本物だ」


「ですから本物だとおっしゃったでしょう」


「いやムシュとグルで騙している可能性も十分あると思ってね」


あ、上手くいったみたい。


「……だが、本物と分かったからには容赦しないぞ」


…?心拍数が上がってる


「居なくなるなら連絡位寄越してから行け!」


「どれだけ心配したと思ってるんだ!」


………えー!?主様何も言わずに行ったの!?


こんなに月日が流れてるのに!?


普段の主様ならこんな下手打たないと思うんだけど……どうしたんだ?


とりあえず、


「ごめんなさい」


謝っておこう。


「で、結局話す気は無いの?」


「うん」


っていうか詳しい事は私も知らない。


「はぁ…まあでも無事で良かったよ」


「本当に死んだのかとも考えちゃったし」


……プレイヤーは死なない。


ただそれはあくまで基本的には、だ。


世界樹と呼ばれたあの魔物を助ける為の戦いで、実際に死んだ人が多くいる。


主様だって……死ぬ可能性がある。


「丁度海に行こうとしていた所だけど、一緒に行くか?」


「行く」


主様の為にも頑張らないとだ。


「明日の9時にお城の前で…じゃあね」


そしてケイ達は去って行った。


…………あー、緊張したー!


明日か…頑張らないとだな。

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