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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
10章 入れ替わり
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入れ替わり

『えーっと……主様…』


『どうした?』


『あの……実はまだあの場所から抜け出せてないんです』


あの場所……あ、あのゴーレム倒せてないって事か!


あー、それじゃあ、


『今着てる服って予備とかない?』


『家のタンスの中にありますけど……』


よし、それなら……


『その家ってどこだ?』


『え、あ、表札があるので多分行けば分かります』


『これといった特徴がないので…』


うん、入れ替わり出来るな。


『フォス、今から俺はフォスとして魔物の国に行く、だから抜け出せたら人間の国の方に行ってくれ』


『え?え?わ、分かりました』


……さてと、それじゃあ早速行ってみるか。


まあそうは言ってもこのまま行ける筈もない。


身体の形を変えられても色は変えられないからなぁ。


うーん…よし、それなら狼形態で行けば良いだろ。


前まで角とか出したままだったんだけど、今なら簡単に出したり出来るし。


これならバレる事無く中に入れるだろ。


そう考え、魔物の国の方向に行くと、とある事に気付いた。


門番が……鹿だ!


解力で力を見られたら終わりだ。


前もレベルアップした時鹿の亜人に、


「お、レベルアップしたのか、強そうな感じになっあなー」


って言われてめちゃくちゃびっくりしたからなー。


鹿は要注意過ぎる。


力の変化したってバレるかもしれないし。


マジで鹿は危ない。


こんな所で躓くとは思わなかったなぁ。


うーん……!そうだ!


そして何かを思い立ったように俺はどこかへと去って行った。


数分後……


「今日の朝外出を申請したミナルだ」


「はい、ミナルさんですね…………」


「………」


「その、背中に背負っている中身って何ですか?」


「ああ、これはさっき狩ってきた魔物だよ」


「もしかしたらそいつらの力がまだ残っているかもしれないけど、ちゃんと殺してあるから大丈夫だよ」


そう言う彼の声も聞かず、その鹿は人へと化け、そしてその背負っている鞄の中を除いた。


しかし……


「確かに動物の死骸だけですね」


そこにはそれ以外何も無かった。


「私の勘違いのようでした」


「どうぞお通り下さい」


そしてミナルは中へと入って行った。


…………危なかったー、バレる所だった!


俺が居たのはさっきの人が言う通り、その死骸……ではなく、この鞄だ。


いやー、マジで緊張したわ。


念の為竜力を使って力乱したっていうのに凄いよ。


いやー、やばかった。


さて、それじゃあ隙を見てフォスの家に行こう。


そう考えた俺は、元の鞄に死骸を戻して鞄から人間の姿へと戻った。


そして探そうとしたその時!


とある店を見つけた。


「ケーキ専門店、金平糖」


俺は方向転換をし、そしてその店の中へと入った。


店内はそれほど混んではおらず、すんなりと中に座る事が出来た。


……さて、これで分かったと思うが、俺は……甘党だ。


現実世界でも食事にはあまり興味が無かったのだが、お菓子や甘いもの、スイーツが何故かめちゃくちゃ好きだった。


だが、この世界には砂糖というものが無く、それらしいものがあっても完全に現実世界と同じという訳にはいかなかった。


しかし、この店名!金平糖だぞ?砂糖の塊だぞ?


さぞかし美味しいものがあるのだろう。


そう考えてこの店に入った。


正直なんでケーキ屋なのに金平糖って名前かは分からないが。


その後、俺はケーキを注文し、そして食べ、感動した。


それと同時に後悔した……だって、俺飢餓耐性上げる為に全然食べてなかったから……少食になっちゃったんだ。


勿論コスパがめちゃくちゃ良いから今まではそれで良かったんだが……くそー。


はあ、まあしょうがないか。


現実世界でもそんなに食べて来なかったし。


そう考え、お金を払おうとしたその瞬間、ヤバい事に気付いた。


俺、この国の金持って無い。


甘いものに釣られて来ちゃったからそこまで考えてなかった!


どうしよう……


そう悩みながら、他の人の会計を見ていると、とある事に気付いた。


あれ?この貨幣人間の国と同じじゃん。


そういえば確かフォスが人間の国にスパイが居るって言ってたな。


もしかしてその影響か?


まあ良い、これで会計が出来る!


そして俺はお腹いっぱいケーキを食べ、本題を思い出した。


俺、まだ家見つけてないじゃん!


もうすぐ夜になる。


早く探さないと野宿になる!


そして俺は血眼になってフォスの家を探した。

………………

………


あったー!


そして漸く家を見つけ、中に入ると…


部屋が、めちゃくちゃ汚かった。


そういえばフォス野生動物だったな。


そう思いながら、俺は一晩中片付けをする事となった。

………………

………


あー、徹夜だー。


そう思いながらフォスの服、仮面を装着した。


俺をモデルに人化をしたから身長や体型はほぼ同じなんだよな。


さて、それじゃあ()()()()にあった大樹を調べてみるか。


そして俺が外へ出ようとした瞬間、


「おーい、フォスちゃーん」


そう言いながらドアを開け、誰かが飛び付いて来た。


「今日もダンジョンモンスターよろしく!」


え?いや誰?フォスの友達って事は分かるけど。


そう混乱しながら、俺はフォスに念話を繋げた。


『おーい、フォス』


『え?あ、ええ!?は、はい』


驚いてるな。戦闘中か?……まあ良いか。


『今フォスの家になんか人が来てるんだが、フォスの友達か?』


『あ、そういえば約束してました!


『彼女はチズルちゃん、鹿の魔物です』


………………え?


『鹿?』


『鹿』


……いきなり大ピンチなんだけど!?


そう混乱と驚愕を繰り返していると、彼女が手を掴み、こちらへこちらへと引っ張っていった。


そして着いたのは森の奥の洞窟。


「それじゃあ行くよ!」


そう彼女が言うと、地面が光り、そして目の前には大量のモニターのある部屋へと移動された。


「じゃあいつも通りよろしく!」


……えー、どうしろと?


そして今度は俺だけ飛ばされた。


ここは……ダンジョンの中?


とりあえず敵を倒せば良いのか?


そう訳が分からなくなってとりあえず進んでみると、そこには……宝箱があった。

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