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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
9章 犯勇戦争
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ストロマサイド3

結構短いですが許して下さい!

「さて、それじゃあ早速、犯勇戦争への対策会議を始めようか」


「今日の欠席は最上級、四級、五級、六級、九級だ」


「因みに僕にはそのクエストっていうのは聞こえ無いんだけど、起こることは間違い無いんだよね」


「ああ、この戦争は必ず起こる」


そう断言したのは二級地区の代表、カシムだ。


ここ数年で僕は市民にとっては憎むべき敵、代表者達にとっては尊敬すべき人物となった。


というのも僕が一生懸命国の為に働いている姿を見て憎むっていう気持ちがなくなったそうなんだ。


実際国は確実に良い方向に転がっているのは確かだし、多分こっちについた方が良いって判断したんだろうね。


とはいえ住民全員がそんな考えを持ってくれないとどうしても小悪党達は好き勝手するからこの体制を変える事は出来ない。


いずれは普通の国としたいからそこを直したいとは思うんだけど……厳しいよなー。


あくまでこれは一時的な救済処置、最悪僕が殺されたって見せかければどうにかなるかな。


「その戦争で私達はどう動けば良いの?」


そう質問する彼女はシャノワール。


生産職の代表だ。


「君達には補給係として後ろから支えて貰いたい」


「勿論僕達原住民の人もね」


「……分かりました」


そう渋々答える彼女は幼馴染のセーラ。


僕は正直彼女には表舞台には立って欲しくなかったんだけど……それは僕のエゴだな。


「俺達はどうすれば……」


そうおどおどしている彼は最下級地区代表のショウゴ。


腕っ節自体は五級程度の実力はあるんだけど、気が弱くて自分から最下級の管理を名乗り出たんだ。


とはいえ最下級が一番不満が溜まりやすいだろうから大変そうなんだけど。


「君達の地区の人達は一番弱く、そして操りづらい」


ちょっとした事でも反抗したりとかなり厄介だ。


「だから戦争時は七級地区のノダに代表を務めて貰いたい」


「俺が?」


彼はかなり見た目がゴツい。


すなわち、


「脅しとしては最適でしょ?」


「……そうか」


あ、がっかりしてる。


「あのぉ」


「どうした?」


悪魔ノ骸骨(イービルボーンズ)達はどうするんですかぁ?」


そう言ったのは三級地区のノラ。


彼女はまあ純粋に強い異界者だ。


ただちょっと天然なのだが。


そして悪魔ノ骨というのはこの国に反抗する反対勢力の名称だ。


最上級地区から最下級地区までの全ての住民の一部からなる組織であり、今まで僕達が見過ごして来た組織でもある。


彼らはこの国の治安維持にも結構貢献してるからね。


「………不安要素は残るが、一先ず放置で良いと思う」


しかし結局彼らは小悪党でしか無い。


特にこれといった活動もしてないし、ただ反抗をしたいだけの奴らだ。


「分かりましたぁ」


「さて、それじゃあそろそろ僕が話しても良いかな」


「「「はい」」」


「それじゃあまずこの戦争での作戦について話そうか」


おいで、フィア。


そう心の中で呼び掛けると、どこからともなく、燃えている鳥が現れた。


「まず僕はこの鳥をあちらの国へ放つ」


「それにより、僕はその国の戦略を把握し、それに柔軟に対応するつもりだ」


「なるほど……で、それが見つかってしまった場合は?」


そう質問するのは八級地区のマサヨシだ。


「その時は現在考えている戦略でいこうと思う」


「因みに君は参謀として活躍して貰うからね」


「あ、はい、分かりました」


その様子だと参謀になる事予想してたな。


「その戦略とは?」


「それは……この場では言えない」


「……なるほどな」


お、流石マサヨシは分かったか。


「この場に約半数しか居ないのは、その作戦を聞いて敵にその情報を送るスパイがいるかを見分ける為」


「こっちが同じような手を使うって事は相手もそうするかもしれないって事か」


「正解!」


「……それだと、今戦略を聞いた俺が一番怪しいとなるな」


「……そう、この場で一番怪しいのはノダだ」


その言葉に皆が緊張する


でも、


「この場には居ないから安心して良いよ」


「「「え?」」」


だってここに来た時点で魔回路を使って調べたもん。


そしてこの半数という数はその事を知られない為のブラフ。


とはいえこの場ではそんな事言えないんだけどね。


「なんだぁ良かったぁ」


「とはいえスパイとなり得るのはここに居る人だけじゃない」


「だからこの場ではちょっと戦略という戦略は話せない」


「え?じゃあ後は何するんですか?」


まあそうなるよね。


勿論何もしないっていう訳にもいかない。


生産職の人達には武器や武具作り。


戦闘職の人達はひたすら対人間に向けた模擬戦をしてもらう。


なら僕達は?


「裏工作だ」


「「「裏工作?」」」


「そう、僕達は恐らく圧倒的にあの国に劣る」


元々が壊滅状態だったんだからしょうがないといえばしょうがない。


でも、この戦争で負ければこの国が終わる可能性が高いんだ。


すなわち勝つ為には、


「それを凌駕する策を練らないといけないんだ」


「っていう訳で早速出掛けるよ」


「え?まだ戦争まで時間は…」


確かに時間はある。


でも、


「だからこそここで動かないとなんだ」


「隙を突く為にはって事か」


「そう」


僕達は今崖っぷちに立たされている。


だから生き残る為に勝利への梯子を組み立てるんだ。


この梯子が壊れる事がない事を……


………………

…………

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