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廃れた世界のプレイヤー  作者: 春夏 冬
8章 発展
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暗証番号を入力して下さい

さて、ここには三つの出口がある。


俺が来た道、そして残りの二つのどちらかが行くべき道だ。


まあでも地図を見れば……えーっと……あれ?分からん!


うん、ここ円型の部屋で机とかも規則的に並んでるから見分けつかないよ。


俺が来た道が地図上でどれかも分からん。


えー……これ、もう賭けに出るしかないか?


………それしかないか。


よし、それじゃあ行くぞ!


とはいってもガムシャラに飛び出す訳じゃないんだけどね。


反対側の椅子を操作!


ガタンッ


「……?」


よし、あっちに視線が行った。


走れ!


そして俺は隠遁術を全力で使い、外に出た。


とりあえず部屋を見つけて正解に行けたかどうかを調べないとか。


そして行けるだけ行き、そして気付いた。


これ、ハズレじゃん。


ここはこの施設の収容所兼研究所だ。


いろんなモルモット達の中から数匹を()()()から取り出し、実験する為の場所だ。


そして勿論ここにはそのモルモット達がいる。


真っ黒な異形の姿をして。


あーあ、はずれを引いちゃったか。


しかもとんだ大はずれだな。


まあでも来た価値はあった。


ここには実験資料が沢山ある筈だ。


しかもあれは……鍵かな。


鍵を手に入れればかなり探索が有利になる。


となると…戦うしかない、か。


彼らはすでに襲いかかって来ている。


さて、はぁ……やるか、虚心の解析者!


そしてまた、世界が変わった……

…………………

…………


彼は妖術と冥術、その二つを巧みに扱うのだが、決定打は欠けている。


対する奴らの攻撃は当たると自分にそれが侵食して行く。


それを止める為に攻撃の手を緩めると更に攻撃が当たる。


完全な劣勢。


……情報入手完了、攻撃開始。


しかし、それが本気だと誰が言った。


奴らは勝てない敵、それはあくまでも現状だ。


ならばその現状を変えれば良い。


パターンC、攻撃を冥力に切り替え、パターンKへの移行を確認。


ただひたすら勝つために着実に圧倒して行く。


そして彼は一匹、仕留めた。


そして彼はそれを喰らった。


喰いたいと思った訳ではない。


それがその後に役立つ、そしてこの勝利に必要だと考えたからだ。


奴らはその光景にただ呆然としていた。


紋が身体を侵食していく。


そして彼はそれを両翼、そして角に集中させた。


それは角と翼を真っ黒く、紋のような不思議な柄を刻んでいった。


すると彼は集中を解いたのか目を開くと、片目が黒く染まっていた。


すぐさま奴らは彼らが自分達と同じように変異しなかった事を悟り、攻撃を仕掛けて来た。


しかし、彼はそれを軽く避け、残りの奴らを一瞬で倒した。


戦闘終了……


徐々に戻っていく。


そして……俺は心の中で叫んだ。


「いや、何してんの!?」


と。


だって明らかにやばい奴喰ったんだよ?


これもし俺が同じようになったらどうすんの。


勝ったからといって死んだら元も子もないじゃん。


え?大丈夫なの?え?


今の所は特に変化はないけどめちゃくちゃ心配だなぁ。


えーっと、変わったのは角、翼、目の色だけか。


いや、それでも十分大変な事やらかしたんだけど。


えー、これ大丈夫なの?


はぁ、まあ分からないものを心配するのも無駄か。


そう考え、彼は鍵を取ろうとした……が。


『暗証番号を入力して下さい』


そうアナウンスされた。


………とりあえず先に資料読もう。


そうアナウンスを無視しながら資料を読む事にした。

……………………

……………


なるほど、となると狼の状態でも襲われたのは……っと、これ以上はただの妄想だな。


そう資料を読み終わり、考えもまとまってアナウンスの事への対処をしなくてはいけなくなった。


その鍵を触ると再び言われる。


『暗証番号を入力して下さい』


と。


もうこれ諦めて良いんじゃない?


そう軽い諦めの気持ちを呟いて。

…………………

…………


さーて、どうしようか。


これは一応魔回路によってのセキュリティだから変な事はしたくない。


うーん……そういえばこれ冥術で操れたよな?


よし、それならもうこの魔回路自体を壊せ……いや、待て。


ここでは魔回路が普通に復旧してたよな?


そんな簡単な事で開けられたらそれはもう防犯としての役割を一切果たしていないじゃないか。


もしそんなんだったら使われている筈がない。


となるとそれの対策もされているって考えた方が良いな。


うーん、手詰まりだなぁ。


あ、そうだ!


そういった事は大抵分からなくなった時用にどっかにメモしてる筈。


もししている所と考えたら………あの円の部屋か。


ここには無かった。


そしてそんな遠くに隠してる可能性も低い。


そう考えたらあそこしか選択肢ないんだよなぁ。


館内マップにも他にそういった場所は見つからなかったし。


危険は無い方が良いが、目的の為には躊躇ってはいけない。


まあでも一番危険の無い方法で行くんだけどね。


幽体離脱!


そして俺は、この身体から魂を抜き出した。


いやー、魂の研究してー、気になった事があって実験してーってやってたらそこから何か色々と実験してたら使えるようになっちゃったんだよね。


流石にあそこにのこのこと戻って調査するのは厳しい。


絶対にやられるもん。


だから俺は戦わずに見に行く事にした。


勿論この状態で本体殺されたら終わりだし、魂の方もやられたらダメだ。


あれ?そういえばこれ魂がやられたらリスポーンするのか?


だって俺の本体は普通に心臓動いてるよな?


だったらリスポーンはしないのか?


っと、もう少し考えてたいけど着いちゃったか。


さて、それじゃあ見るか。


え?この状態でどうやって資料を読むのかって?


ふっ、ふっ、ふ。


この状態でも俺は、妖術冥術使えるのだ!


俺が今考えることが出来るのは脳と魂を繋げてるからだし、脳が動けば妖力冥力を操れるのは当然でしょ。


この状態でそーっと引き出しを開け……


コツンッ


そう椅子と引き出しが当たった音が小さく響いた。


あ……


やっちまった。


そう思った瞬間、奴はその引き出しに向かって力の限り殴りつけた。


ええーーー!?


いや、さっきはそんな小さな物音一つでそんな動じなかったじゃん。


あ、もしかして音がしたのに何も居ないって事が繰り返し起きて苛立ってんの?


っていうかまだ全然調べられてないのにみつかるって………調べ終わるのにどれくらいかかるんだろう。


そう思いながら俺は調べ始めた。

…………………

…………


はい、7個の机と8個の椅子が犠牲になりました。


でもまあその暗証番号が書いているであろう紙を()()()()から安心して欲しい。


え?なんで見つけたなのかって?


それがあの異形の足元にあるんだよー!


いや、厳密に言えば踏んでる。


あいつその紙踏んでるんだよ。


おかしいでしょ。


運悪過ぎでしょ。


しかも暗証番号が絶妙に見えないし。


3、8……いや分からないよ。


38しか分からないよ。


よし、もう、どうにでもなれー!


そう思い、俺は妖術であいつを吹っ飛ばした。


3857、よし、急げ!


そして俺は無事に戻って来て、暗証番号を打ち込んだ。

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