8 立ち直り
お久しぶりです!とりあえず書きたいことは後書きで書くので本編どうぞ!
春楠の幽霊?に励まされた日。今日の空模様は少し曇っている。
俺はいつも通り、いやいつもよりも気を抜いて通学路を歩く。幽霊の激励なんてもらったら多分気張るべきなんだと思うんだけど、俺はあえて気を抜く。春楠がいなくなってからずっと気張ってたんだ。少し気を抜いたところで問題いないだろう。
「おはよ。いい年して昨日清明と喧嘩したんでしょ?」
「おう雨水。なんで知ってんだよ。」
下駄箱で靴を履き替えようとすると横から雨水に声を掛けられた。
「さっき清明が話してたわ。ぶん殴っちまったから気まずい…とかボソボソ言ってた。嫌われたらどうしよとか思ってんじゃない?」
乙女かよあいつ。さすが見かけだけ強メンタルの男。知れば知るほど謎が深まるわ。宇宙か?
雨水と教室へ移動するとき、じーっと横から視線を感じた。少しくらい遠慮しようぜさすがに至近距離で見られるのは怖いわ。こいつはこいつで知れば知るほど底知れなさを感じるわ。宇宙か?
「…なんか今日のあんた…いつもより元気な感じする…?なんかあった?殴られて気持ちよかった?」
「最後の以外当たってる。色々あって絶賛立ち直り中さ。」
「ふーん…?」
素っ気なさそうに見えて嬉しそうなのはバレてるぞ。何年一緒にいると思ってんだ。口に出したらなんかされそうだからしないけど。
「迷走してた俺が最近やっと止まってくれてな?まぁ物理的に殴られて止まったんだけど。それと幽霊の幻覚やら夢やらでなんやかんやあーだこーだあってこうなった。」
「どうなったのよ。」
「のんびり立ち上がるのも悪くないなってこと。あとダサい仮面は捨てようかなって思ってる。」
立ち直った…いや厳密には立ち直っている途中だが、完全に立ち直ってしまえばもう自分を偽る仮面なんて必要ない。今は無理でもいつかは捨てよう。
「そう…!元気そうでなにより。もう心配して見守るだけの日々は終わりそうね。」
「そういうのって普通心の中だけで言うべきなんじゃない?なんか恥ずかしいんだけどそれ。いやなんでそういう小っ恥ずかしいこと堂々と言えるの?」
前の俺のが恥ずかしいくらい全力で馬鹿演じてたけどな!
俺はクラスに入る前、立ち止まった。少し緊張しているのがわかる。今日だけは演技抜きだ。
「おはよ〜。」
「おはよ。あれなんかいつもよりテンション低いね?元気無い?」
「いや全然。むしろ逆。」
「へぇ?」
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そんな感じで今日一日を過ごしたからわかる。素の俺と演技の俺の差がありすぎて周りからは心配されるわこれ。結局、2割くらい無理やり演技で明るい俺になってしまった。いや自業自得なんだけどさ。
「っはぁ〜…戻れっかなぁ……」
「もうほとんど戻ってんじゃねぇか。寒暖差激しいぞ。」
「あ、やっぱそう思う?俺も差がマリアナ海溝くらいあると思う。ところでいつから隣にいたの清明くん。下校前の下駄箱では絶対いなかったよね。」
「いいんだよそんな些細なこと。」
「隣に気配なく瞬間移動は些細どころじゃないと思う。」
気付いたら隣にいた清明とのんびり帰路に着く。
お互い沈黙を気にしないタイプだから会話は長くは続かない。
「で?今日一日通してどうだったよ」
「沈黙を突き破る言葉がで?ってどうなのよ」
今日は会う人のほとんどが俺の体調を心配してくれた。いつもより元気がなさそうだから保健室いけば?と言う人ばっかだ。
俺が偽るのをやめて素のキャラでいたらこうなるし、今後どうすべきか…
「雨水が言ってた通り、今日はいつもより元気そうで安心した」
「ねぇ今日あったのさっきが初めてじゃない?怖くない?どっから見てたの?」
「心眼。」
「えぇ…」
「ほかのやつらからは心配されてたみたいだけどな。俺から見たら確かにいつもよりテンションは低いが、生き生きとしてる。現に今のお前はいつもより何かを隠してる感がない。」
「そうなんだよ。お前と雨水だけだよそう言ってくれるの。」
「幼馴染舐めんなよ。俺ら4人は大抵のことなら表情でわかる。お前もそうだろ。」
「当たり前だろ。」
「ふん。お前達の考えてることくらいなら簡単に見抜ける。」
ドヤ顔してメンタリスト並みにマウントとってくる幼馴染を見ていじりたくなった。
「あぁそうかい。ちなみに今のお前は心底ホッとしてる顔だ!言葉は冷たくても心は熱い清明くんらしいですねー!」
「人が感傷に浸っているところを見破ってくんじゃねぇ!だいたい全部の元はお前のせいじゃねぇかこの」
「痛い痛い!このやろぉ!」
「2人とも何やってんのよ…」
「おっ!よぉ雨水!今から清明ボコすから荷物持っててくれ!」
「雨水…!演技が終わっても馬鹿なこいつをシめるから荷物持っててくれ!」
「はいはい。心行くまでやりあいなさい。見ててあげるから。」
「おらぁ!」
「この馬鹿!」
「…ほんと根っこは昔と変わらないわね。2人とも。いや3人…4人ともね…
はぁ〜〜私も涙腺弱くなったかなぁ〜…」
私は誰にも聞こえないくらいの小さい声で独り言を呟く。
みんな、私も含めて笑顔だ。たった1人がずっと転んで立てなかったのをもう1人が手を差し出して立て直した。それだけの話だ。立ち直ってしまえばこの通り。拗れていた仲も一瞬で治る。
そんなことを考えてしまうと笑いながら涙がでてしまう。理由はわかんないけどね。
きっと彼女もこの馬鹿達とそれを見守る荷物持ちの馬鹿を見てる。
「みんな変わらないわね!!よっしゃ!私オブ私の春楠も混ざってあげようじゃないか!!」
そんな懐かしい誰かに似た声が聞こえたような、聞こえなかったような気がした。
お久しぶりです宵ヤイバです。
物語としてはここで終わります。初期ではもっと続ける気でいましたが、続けるほど主人公はずっと迷っていなければいけなくなるので、区切りよく、後腐れないこの話で終わらせていただきました。
ですが物語としては終わりでも、主人公と幼馴染達の物語は続くはずです。それを思えば寂しさよりも嬉しさが作者の中では勝つので彼らの今後を期待してます。
さて、1話から見てくださっている読者様も途中で気になって見始めてくれた読者様も全員に感謝です。こんな拙い文の話でも、閲覧数が少しずつ増えていっているのを見るのがモチベーションだったので感謝の感情しか出てきません。ほんとにありがとうございました!
もし良ければ次回作も暇潰し感覚で見に来てくださるととても幸いです!




