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「魔法少女は愛娘」

五本投稿

「クソッどうすれば()()化け物を殺せるんだ!」


月曜の昼下がり、がらんどうな公園のベンチに居座る男は頭を抱えていた。

一見、ボロボロなスーツを纏うその男は、嫁に浮気がバレた夫だったり、カツアゲされたサラリーマンを思わせる情けない姿をしているが、実はそうではない。


「うちの娘を勝手に魔法少女なんかにしやがって!!!!!!」


この物語の主人公『愛娘を魔法少女にされた』砂椛(すなかべ)(さとる)とある食品会社に勤める冴えない社会人だ。





(さとる)は22歳の時、中学時代からの付き合いである妻と念願の恋愛結婚へと至った。

そしてサトルが23歳の時、妻が娘を妊娠。

ほぼ同時期に会社での功績が認められ次長から部長へと出世を果たす。

順風満帆に見えた人生の駆け出し……しかし、体の弱かった妻は娘の出産後帰らぬ人へ。


早すぎる最愛の妻の死は暁に重くのしかかり、一時期は水も喉を通らない点滴暮らしの日々が続いた。


「…………」


「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」


仕事は手に付かず、一日中外にも出ず、死んだような時間の中、唯一聴こえるのは妻と自分の愛の結晶……その産声だった。


「…ミルク作らなきゃ」


サトルが立ち直れたのは間違えなく娘の(さち)の存在あってこそだった。



そして、死んでいたサトルの時間が、やっと依然と同じくらいの速度で回り始めた頃、幸はすくすくと成長して9歳の誕生日を迎えていた。


その日のサトルは、いつもよりだいぶ早く仕事を切り上げ予約していた洋菓子店に車を走らせるーー





()()()()()



妻に似て、薄茶色のふんわりとした長髪をたなびかせ



暁に似て、紅い瞳に凛々しい目つきをした



「ガルォォォォ!!!!!」


「イッケェェェ!!!!!」


ドッーーカン!(ピンク色の爆発)



幸が、あの幸が……魔法少女になっているその姿を

月一投稿

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