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真なる英雄  作者: 敦
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第06話 魔道少女

 領主への仇と復讐を終えた俺たちは、一息つくことにした。

「終わったな」

「ええ、思ったよりあっけなかったかも」

「確かにな、ムガリーグについたのは昨日だからな」

「うん、ギウスさんたちが準備していてくれたからね」

「だな」

 俺たちはまだ屋敷のどこかで戦っているだろうギウスに感謝した。

「さてと、これからどうする」

「そうね、復讐も終えたし、やることなくなったわね」

「ああ、旅にでも出るかな」

 俺は何気なくそうつぶやいた。

「旅か、いいわね、ねぇ、ポルク私も一緒にってもいい」

「いいぜ、どうやら俺たち相性いいみたいだしな」

「でしょ、私もそう思ってたのよね」

「決まりだな」

「ええ、あっ、でも、旅の前に一度故郷によってもいい」

「いいけど、何かあるのか」

「みんなに報告とあと、私黙って出てきているから」

 なるほど、家出だった。

 そんなのんきな会話をしている時だった。

「ポルク、ミルファ」

 ギウスがかけてきた。

「なんだ」

「領主は? やつらは?」

「中」

 俺はギウスの問いに親指を後ろに差しながら答えた。

 それを聞いたギウスは部屋の中を見た。

「……すげぇな、一撃か、ていうか、なんでメデゥッサは焦げているんだ」

 その言葉を聞いて思い出した。

「ああ、そうか、言ってなかったな、ミルファも魔法剣技を使えるんだよ、炎のな」

「なに、そうなのか」

「ええ、私の先生が使い手だったから」

「まじかよ、ポルクが風魔法の剣技を使えるのは知っていたけど、まさか、お前ら2人揃って魔法剣技の使い手ってありえないだろ」

 そう、実は俺とミルファが使う魔法剣技は使い手がかなり少ない、俺の周りにいすぎるだけで実際には1つの領地に1人いるかいないかぐらいだって聞いている。

「まぁ、そうだよな」

「うん、私も最初驚いたもの」

「……はぁ、まぁいい、それで領主もやったのか」

「当然だろ」

「それが目的だしね」

「そうか、それじゃ、もう一つお前らに頼みたいことがあるんだ」

「頼み」

「ああ、ポルクだけと思ったけどミルファも魔法剣技を使えるなら問題なからな」

「どういうことだ」

「実は、この屋敷の地下牢には若い娘が数人捕まっているらしいんだが……」

 その言葉を聞いた瞬間ミルファがびくっとなった。

「それだけなら、うちの女どもを生かせればいいんだけどな」

「何か、あるのか」

「兵士から聞いた話だと、化け物がいるらしい」

「化け物? なんだよそれ」

「わからない、とにかく行ってみないことにはな、そこで何があってもいいようにお前らに行ってもらいたいんだよ」

「まぁ、そういうことならいいけど」

「こっちはどうするの」

 ミルファがそういって後ろを指さした。

「こっちは俺たちに任せてくれ、安心しろ、ちゃんとお前らの功績だって宣伝してやるから」

「いや、それはどうでもいいんだけど、まぁ、いいや、任せる」

「おう、任せろ」

 それから俺たちは地下に向かって走った。


「ポルク、地下の化け物って何かな」

「さぁ、とんでもない魔物ってことだろ」

「ひねりがないなぁ」

 そんな会話をしながら急いだ。

 地下にたどり着くとそこにはレジスタンス組織の女性陣がすでに待機していた。

「ポルク君、ミルファちゃんこっち、こっち」

「お待たせ」

「こっちはいつでも行けるわよ」

「そっか、それじゃ、行こう」

「ええ」

 こうして俺たちは地下へと向かって降りて行った。


 地下に入るとそこには兵士が何人かいたが俺とミルファによってことごとく斬り殺していった。

 地下にいる兵士たちは捕まっている娘たちを犯しているということで、殺していいとギウスからも女性陣からも言われていたので遠慮なく行っている。

「……けっこういるわね」

 ミルファが歯ぎしりが聞こえてきそうなほど怒りを込めてそういった。

「だな」

 俺も怒りで爆発しそうだった。

 そうこうしているうちに女性陣が手早く牢屋を開けて中の娘たちを保護していった。

 そして、俺とミルファの2人はまっすぐに地下牢の奥へと足を踏み入れて行った。


 ようやく奥にたどり着いたところで見たものは衝撃だった。

「……どこが化け物だよ」

「……ほんとよね。こんなかわいい子に」

 俺たちの目の前にいたのは化け物ではなく、まだ、10歳ぐらいの少女だった。

 まぁ、確かにかなりの美少女だからある意味そうなのかもしれないが化け物とは真逆だよな。

「あなたたちは、領主とは違うのですか」

 突然話しかけられた。

「あ、ああ、領主ならさっき俺たちで殺したけど」

「そうですか、それじゃ、あなたたちは?」

 尋ねられた。

「俺はポルク、それでこっちはミルファだ」

「あなたは?」

 今度はミルファが尋ねた。

「わたしはメリナです」

「そう、えっと、それでメリナちゃんはどうして、こんなところに」

 確かにかなり気になることだった。

 なぜ、こんな地下牢にこんな美少女が、しかも全裸で手足を鎖で拘束された状態でいるんだ。

「わたしは、魔道一族ですから」

 すると短くそう答えた。

 魔道一族? なんだそれ。

 俺が疑問に思っているとミルファは驚愕していた。

「魔道一族! それって、生まれながらに高い魔力と知能を持ちあらゆる属性の魔法を使いこなすというあの一族」

「はい、その一族です」

 わからないけどとにかくすごいらしい。

「そう、そういうことか、それならその鎖も納得ね」

「どうして、納得なんだ」

 俺はミルファが何に納得したのか気になった。

「ポルク、知らないの……ああ、そうか、ポルクって5年1人だったものね。えっと、ポルクも知っておいた方がいいことなんだけど、この世には魔法をはじく金属があるのよ」

「えっ、まじで、そんなものがあるのか」

「ええ、そう、だからもし相手がその金属で鎧なんか作ったら私たちの魔法剣技もほとんど通用しないわよ」

「そんなものがあるのかよ」

「といっても、その金属ってかなり高価だけど、たぶんその鎖はそれよね」

「はい、その通りです」

 つまり、この鎖のせいでメリナは魔法が使えず逃げ出すことができないようだ。

「とにかくそこ鎖解くか」

 俺の一言でミルファも動きだしメリナの鎖を解いていった。

「ありがとうです」

 鎖を解き終わったところでメリナがお礼を言ってきた。

 といってもさすがに目のやり場に困るために身に着けていたマントをかけてやった。

「すみませんです」

 メリナもさすがに恥ずかしかったのかすぐにそのマントで体を隠していた。

「いつまでもそのままってわけにもいかないし、服か何か探してこようか」

「そうだな、ちょっと探してくる」

「お願い」

 メリナとミルファを置いて俺は女性陣のところに向かった。

「どうしたのポルク君」

 すると女性陣のリーダー格でもある。ギウスの奥さん、シュリハさんが声をかけてきた。

「ああ、実は、奥にいたのって魔道一族の少女でさ、何か着るものがないかと思って」

「あら、そうなの、あっ、ちょっと待って、もしかしたら」

 そういってシュリハさんはどこかの部屋に入っていった。

「もしかしたらこれかも、確認してもらって」

 そういって持ってきたのは鍵のついた箱だった。

「これは?」

「そこの部屋で見つけたものなのよ、これ鍵ね」

 そういって鍵を渡された。

「ああ、わかった」

 箱をもってミルファたちのもとに戻った。


「どうだった」

「ああ、なんかそれらしきものがあるらしい、確認してくれ」

 そういって、俺は箱を下ろし、鍵をメリナに渡した。

「はい」

 メリナは鍵で箱を開けた。

「あっ、これです」

「そうか、それじゃ、俺外に出てるよ」

「うん、ここは任せて」

 それから俺はもうやることもないので地下牢から出ることにした。

「あってた」

 途中でシュリハさんにそう確認された。

「あってたって」

「そう、よかった」

 それから少しして完全に装備を整えたメリナとミルファが出てきたのでそのまま屋敷を出ることにした。

「ありがとうございます、このお礼はいずれ必ずします」

「いや、いいさ、気にしなくても」

「そうよ、早く帰って両親を安心させてあげなきゃ」

「はい、では、失礼します」

 そういって何やら呪文を唱え、その場から姿を消した。

 なんでもメリナは転移魔法を使えるようでそれで魔道一族の里まで帰れるのだそうだ。

「便利な魔法だよな」

「そうね」

 こうして、俺たちの領主への反乱は終わりを遂げた。

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