第04話 レジスタンス
「ポルク、お前に紹介したい連中がいる」
突然ギウスがそんなことを言い出した。
「紹介、誰を?」
「まぁ、ついてこい、ミルファも一緒にな」
「え、ええ」
「こっちだ」
そういってギウスが案内してくれたのはギウスの家の地下だった。
「地下、誰もいないけど」
「ああ、ここに秘密の通路があってな」
そういって何かの操作をすると突然床がずれて階段が現れた。
「な、なんだ、これ」
「ムガリーグの地下は、こういった地下通路が張り巡らされているんだ。ここはその入り口の1つってわけだ」
そういってギウスが階段を下りて行った。
俺たちもそれに続いて降りていく。
地下通路は、手彫りで行われているだけあって結構狭い、とはいえ剣を振り回すには十分な広さではあった。
「こっちだ」
ギウスはそう言ってから何も言わずい歩きだしたので、俺たちもそれ以上は何も言わずについて行った。
扉の前にやってきた。
「ここにいるのか」
「ああ、そうだ」
ギウスが懐から鍵を取り出してそれを鍵穴に差し込んだ。
「この鍵は特別でな、ただカギがあればいいってもんじゃない、ある特殊な条件がなければ開けることができない仕組みになっているんだ」
「えっと、それって、つまり、鍵が盗まれても大丈夫ってこと」
「そういうことだ」
そういってギウスが扉を開けるとそこには何人かの男女が真剣な顔で話し合っていた。
「待たせたな」
「おう、ギウスか、遅かったな」
「ああ、マスターの野郎、つけを払えって言ってきてな」
「お前が貯めすぎなんだよ。おっと、それに、なんだそいつら」
俺とミルファに気が付いたようだ。
「ああ、この嬢ちゃんはミルファっていって、俺たちと同じ領主に復讐を果たしたいっていう凄腕の剣士だ」
「へぇ、女で剣か、すげぇな」
「確かにね、それにギウスが凄腕っていうから相当ってことかい」
「まぁ、俺も見たこてゃねぇがな」
「ないのかよ」
1人が叫びながら突っ込んでいた。
「まぁ、俺が信頼する男がそういっているからな」
「ギウスが信頼? もしかしてそっちの坊主か、誰なんだ」
「ああ、聞いて驚け、こいつの名はポルク、エリックの弟だ」
「なっ!!」
「なんだって!!!」
「まじかよ!!!!」
全員が驚愕した。
「おいおい、それは本当か」
「本当にエリック様の……」
なかには、涙ぐんでいる人までいた。
「まぁ、兄さんみたいにかっこよくはないけど……」
「すげぇ、まじかよ、ほんとに、エリックの弟かよ」
すると1人の女性が俺に抱き着いてきた。
それを見たほかの女性たちも同様に抱き着いてきたのだった。
「えっ、えっ、ちょっ」
「ポルク、そのままいてやってくれ、こいつらはエリックのファンでな、エリックからもお前の話を聞いていたし、あの時お前も死んだと思っていたっていうのもあるんだ」
「あ、ああ、そうか」
俺にはそれしか言えずただ黙って抱き着かれていた。
それからしばらくしてようやく解放された俺だったが、問題はこれからだ。
「それで、ギウス、ここは何なんだ」
そう、俺たちはまだ説明を聞いていない。
「俺たちはレジスタンスだ。エリックの処刑に疑問を持った連中が集まって活動している。お前に語ったエリックの真実もこいつらと調べたものだ」
「そうだったのか」
「お前らにもそれに加わってもらいたいんだが」
「私は構わないわ」
「俺も、仇をとるには俺たちだけじゃ無理だし」
「そういってくれると思っていた。しかし、まずはお前らの実力を知りたい、俺にとってもみんなにとってもお前の実力はエリックから聞かされた、エリックよりも才能があるってことだけだからな。ミルファも同様だ」
「ああ、そうだな、確かに必要だよな」
「ええ、私も、あなたたちの実力を知りたいわね」
「よし、決まりだな、それじゃ、こっちについてきな」
俺たちが連れてこられたのは先ほどの部屋から別の扉を抜けて、廊下を少し進んだところにあった大きめの部屋だった。
「ここは俺たちの訓練場だ、頑丈にできているからな、ちょっとの衝撃なら耐えられる」
「魔法とかも大丈夫なのか」
「ああ、多少なら問題ない」
「そうか」
「それじゃ、始めるけど、どっちからやる」
「私からでいい」
ミルファが名乗りを上げた。
「よし、それじゃ、相手は、グノブ」
ギウスに呼ばれたのは大柄で偉丈夫でありながら人の好さそうな剣士だった。
「おおう、任せてくれ」
「それじゃ、よろしく」
「こちらこそ」
そういってある程度の距離を取り、お互いに獲物を構えた。
「よし、それじゃ、はじめ」
「はぁっ」
ガキィィィン
剣戟の音が響き渡ったかと思うと、次の瞬間ミルファの剣がグノブののど元に突き付けられていた。
「俺の負けだ」
「うぉぉぉぉぉぉぅ」
見ていた人たちが歓声に沸いた。
「まじかよ、グノブが一瞬」
「なんだよ、あの嬢ちゃん」
「エリックよりも強いんじゃないか」
「ああ、そうかもしれねぇ」
などといっている、実際、ミルファはすでに兄さんは越えていた。
まぁ、俺もだけど……
「すげぇな、ポルクが言っていたからそうだろうと思ったけど、思っていた以上だ」
「グノブさんってこの中では強い方?」
ミルファがそう尋ねた。俺も気になっていた。
「ああ、俺に次ぐ2番目ってところだ」
なんとギウスの次に強い奴だった。
「なるほどね、それで、今度はポルクなんでしょ、相手は、あなた?」
ミルファはギウスに尋ねた。
「ああ、そのつもりだ、いいかポルク」
「いいよ」
俺は軽く答えた。
「よし、お前がどのぐらい強くなったか試してやる」
ギウスがそういったけど、俺はたぶんギウス相手でも瞬殺できると確信していた。
といっても、別にさっきのグノブもギウスも弱いとは思えない、たぶん俺とミルファが強すぎるんだと思う。
「はじめ」
そして、ギウスとの試合が始まったけど、思っていた通り俺は一瞬にして間合いを詰めてギウスの首ものとに剣を突き付けた。
「参った。俺の負けだ」
再び歓声に沸いた。
「すげぇ、ギウスまで瞬殺かよ」
「なんだよ、この2人」
「強すぎだろ」
「す、すごい」
「どうだ、ギウス」
「あ、ああ、予想以上だ、2人とも、俺たちじゃ束になってもかなわないだろうな。これなら大丈夫だろう」
何やらギウスが気になることを言っている。
「大丈夫って何がだ」
「ああ、何、お前らなら領主を殺せるってことだ」
「「??」」




