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真なる英雄  作者: 敦
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第10話 魔道一族

 ミルファたちが帰ってくるのを持っていると、休憩は終わりといってマーガレットがやってきたが事情を話したころ、自分も興味がるということでこのままメリナの話を聞くことにしたようだ。

 そんななかミルファたちが帰ってきた。

「ただいま、ユイア、この子がメリナちゃんよ」

 着替えをしている間に俺たちのことを話したようで、ミルファはまずメリナを紹介した。

「それで、こっちが、私とメリナちゃんの旦那様のポルク」

 そして、すぐに俺の紹介をした。

「よろしく、ポルクだ」

「メリナです」

「よろしく、あたしは結愛、菊池結愛……です」

 なんだか、ユイアの様子がおかしい、さっきまで不通に話していたはずなのに急に丁寧な言葉を使い始めた。

「えっと、さっきはごめんなさい、急だったし、その、あなたが偉い人だって知らなくて」

 俺はそれを聞いてああ、なるほどと思った。

 ミルファに俺がこの地の領主であることを聞いたのだろう。

「ああ、別に気にすることじゃないよ。そもそも、領主っていってもなったのはついこの前だし、それまではただの平民で、何より家すらなかったからな」

「そ、そうなの」

「ああ」

 俺はこれまでの経緯をユイアに話した。

「……えっと、それじゃ、ポルクはお兄さんの仇で、ミルファがお姉さんの復讐ってこと」

「そいうこと、だから、別に普通でいいって、その方が俺としても楽だし」

「わかった、そういうことなら、そうする。えっと、それじゃ、よろしくね。ポルク」

「ああ、よろしく」

 こうして、ユイアと俺は握手をした。

「うん、えっと、それで、その人は?」

 ユイアが恐る恐るといった感じでマーガレットのことを尋ねてきた。

「ああ、彼女は、マーガレット、俺たちの教育係として、今いろいろ教わっているところなんだ」

「初めまして、ユイアさん、御館様からご紹介に預かったマーガレットと申しますわ」

「えっと、初めまして、結愛です」

 そんな感じでお互いの自己紹介をすべて終えたようだ。

 そして、ようやく俺はメリナに本題を尋ねることにした。

「それで、メリナ、さっきの話の続きだけど、説明してくれるか」

 俺がそういった瞬間みんながメリナの方を向いた。

「はいです。えっと、ユイアさんの説明の前にまずは私たち、魔道一族について説明するです」

 どうやら、話の順番があるようだ。

「わかった、頼む」

「はい、まずは、私たち魔道一族の始まりは1247年前、1人のヴィクターという男性です。記録では、彼はローマというところからの転移だそうです」

「えっ、ローマ!」

 メリナの言葉にユイアが驚愕した。

「知っているのか」

「うん、ローマっていうのはあたしがいた日本とは結構離れた、場所にあるヨーロッパっていう地域にあった古代の国よ。今は、イタリアって国の都市の名前だけど」

 なんと、魔道一族の始まり男ヴィクターとユイアは時代こそ違うが、同じ世界からの転移者だったようだ。

「そうでしたか、それは驚いたです」

 メリナもそうだと思わなかったようで驚いていた。

「異なった時代とは言え、同じ世界から2人の転移者ですか」

 マーガレットは何やら思案しているようだ。

「それで、その、ヴィクターって人はどうなったの」

「ヴィクターさんは、異世界でも傭兵だったということでこの世界に来ても変わらず傭兵をしいたです。そして、多くの功績を残しています。ですが、その活躍を邪魔に思ったほかの傭兵たちによって命を狙われるようになったです」

「よくあることです、今でも力あるものは嫉妬を受けてしまいますから」

 そういったのはマーガレットだ。

「そうなのか、どの時代になっても人っていうのは変わらないんだな」

 俺は兄さんに嫉妬したダルモアを思い出していた。

「そうね」

 ミルファもそう考えたようだ。

「最初は、ヴィクターさんも狙ってくる傭兵を返り討ちにしてきたです。でも、ある時、あと一歩のところまで追い詰められたです」

 さすがに続かなかったようだ。

「ですが、その時、突如敵が吹き飛んだです」

 突然吹き飛んだっていったい何が起きたんだ。

「どうして?」

「ヴィクターさんも最初はわかりませんでした。ですが、すぐに気が付いたです。それは、突風によって吹き飛んだのだと、そして、その突風を生み出したのは自分だとわかったです」

「どういうことだ」

「追い詰められた場所は、洞窟内、風なんてありませんです」

 なるほど、密封された場所では風は起こりえない、俺もずっと洞窟に住んでいたからわかるが、奥の方に行くと風なんかないからな。

「その時、この世界に来てずいぶん経っていたことからそれが、自身が起こした魔法だと気が付いたです」

 そして、その時にわかったのが、メリナがユイアに言った内側に集中するという行為だそうだ。

 それにより、ヴィクターは自身があらゆる魔法を行使することが分かった。

「その後のヴィクターさんはその強い魔法を用いてさらなる戦場を駆け抜けたです」

 今でこそ、魔法使いは部隊を組めるほどに多くいる。

 しかし、当時はまだ魔法使いは少なかった。

「そのために、ヴィクターさんの陣営は必ず勝てるとなり、多くの領主、果ては国主までもが躍起になりヴィクターさんを味方につけようとしました」

 それにより、ヴィクターを獲得しようと新たな争いが生まれ、戦争自体が激化した。

「ですが、その時ヴィクターさんはこの世界で妻を娶っており、子供もいたです」

 だから、傭兵家業を引退したそうだ。

 その後は、山に囲まれた谷間の森に住み着き、ひっそりと暮らしていたということだった。

「そして、転移魔法の研究をしていました」

 研究にそれを選んだ理由は元の世界に戻るという目的のためだった。

「ヴィクターさんは地球に帰りたかったんだね」

 ユイアがそういった。どうやら、ユイアたちがいた世界は地球というそうだ。

「はい、それから、1000年近くがたち、ヴィクターさんの子孫は1万となりました」

「それで、元の世界に戻る方法はどうなったの」

 ユイアが一番興味を示したのはそれだった。当然だろう、ユイアだって自分の世界に帰りたいだろうから、それが分かった俺もメリナの次の言葉に耳を傾けた。

「残念ですが、異世界転移は現実的にできませんです」

 なんでも世界をまたにかけた転移に必要な魔力は、類まれな力を持つ魔道一族が1万すべてが集まっても足りないそうだ。それに、たとえ足りたとしても目的の世界に転移できるとは限らない。

 つまり、さらに知らない世界に行ってしまう可能性があるという危険なものだった。

「……そ、そうか、無理、なんだ」

 ユイアは今までの元気がうそのように意気消沈していた。

「申し訳ないです」

 メリナも深く頭を下げていた。

「ううん、メリナちゃんが悪いわけじゃないし、大丈夫だよ」

 そんな落ち込むメリナを見てユイアが逆に委縮した様子だった。

「そっか、そうだよね。やっぱり、無理なんだね」

 今度は急に明るくそう言った。

「ユイア、元気出して」

「うん、ありがと、ミルファ」

「そうだな。故郷に帰れないっていうのは嫌なもんだけどさ、もし、ユイアが良ければここにいればいいよ。俺たちは歓迎するぞ」

 そう、俺もまた故郷を失っているからユイアの気持ちはよく分かった。

「そうね、そうしなさいよ。歓迎するわよ」

 ミルファもそれに乗って歓迎の意を述べた。

「ありがとう、ミルファ、ポルク、それじゃ、お世話になろうかな」

 こうして、異世界から来た少女、ユイアが俺たちの屋敷に住むこととなった。

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