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ゲストが異世界にログインされました。  作者: 「葵流星」
転移転生
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死んでからがニューゲーム!

第1話 死んでからがニューゲーム

第2話 サインインって、結構悩みます。

第3話 初心者特典は異世界でも!


追記 2月11日 空白削除

「あのさあ…?」

「ん?どうかしたの?」

「いや、お前まだデスティニーなんてやってんの?」

「ん、まあね。他に面白そうなの知らないし…。」

「そっか、それじゃこっち来ない?」


そう、友達に誘われたのがこのゲームだった。

今、思えばなんでこのゲームを消さずに残していたんだっけ?


「…ん?」


ここは、どこだ?

身体を起こしてみた。

俺は確かJAXAの見学に来ていて筑波にいるはずだった。

しかし、周りはどこをどう見てもヨーロッパの草原のような景色が広がっていた。

旅行会社のパンフでよく見かける景色だった。

本来ならば綺麗に見えるはずだが恐怖しか感じなかった。


「お~い!大丈夫かい?」


どこからともなく声が聞こえた。

俺はJAXAの職員だと思い、声をかけた。


「はい、大丈夫です♪」


「いや~、良かった~君で五人目だ。」っと、職員は返した。

俺は後ろから声が聞こえたのでそちらを向くと・・・。


「…?」


高圧電流がそこには、あった。


「はあああああああああ!」

「おっと、失礼!私の名前トールだ!」

「いや、待てって…何?」

「トールだ!いや~、すまないことをしたねえ…。」

「すまないことって…ここはどこだ?」

「ああ、高月直人君、君は死んだ。そして、ここは私の庭園だ。」

「何を言って…。」

「ああ、それじゃあこれを見るといい。」


そういうとトールという高圧電流の塊は俺の前に映像を流した。

それはまるで空中投影型ディスプレイのようだった。


「「くっ、なんだ地震か!」」

「「はい…なっ、炉内にて異常振動」」

「「すぐに停止しろ!」」

「「ダメです、間に合いません!」」

「「早くっ…」」


ザザー…


「これは・・・?」

「ああ、これは君の近くで実験していた粒子炉付近の映像だよ。君はこれに巻き込まれて死んだ。」

「…そんな。」

「ああ、すまなかった…。」

「なんであんたが謝るんだ?地震なんて自然現象だろ?」


っと、俺は困惑はしてはいたが何とか落ち着こうとした。

ただ、情報が欲しかった。

これが、夢であって欲しかった。

きっと、起きたら病院で倒れているのだろう。

死んでなんかいないと思いたかった。


「ああ、そうだが…今回は別だ。」

「えっ?」

「私のオーダーミスだ。」


今、なんて…?


「君を殺したのは私だ、そして、君以外の人も殺した。


だから私は、あくまでも贖罪ではあるが選択肢を用意した。


審判の日まで居続けるか、他の世界に転生するかだ。さあ、君はどちらを選ぶ?」


「転生?」

「ああ、そうだ。」

「どこに?」

「ここじゃないどこかだ。」

「アバウトすぎますよ…。」

「まあ、そうなんだよなぁ…本当に申し訳ないのだが神様が人に謝ると大変なことになるからねえ。それで、何か代わりのモノを与えるというのが通例になっているんだよ。あと…どうだい落ち着いたかい?」

「いえ…。」

「ああ、それじゃあお茶にしよう。」


そういうと高圧電流はどこからか円形のテーブルと、ティーセットを出した。

ご丁寧にスコーンが用意されていた。

俺はとりあえず席に座った。

すると、トールは俺に紅茶を入れてくれた。

俺は、とりあえずその紅茶を飲むと、トールも席に座った。

というかどうやってモノを持っているんだこいつは。


しばらくして、俺は落ち着くとトールに話しかけることにした。


「なあ、本当に俺は死んだのか?」

「ああ、それは間違いない…遺体も確認した。」

「見せてもらえるか?」

「ああ…気が済むなら。」


そう言って、俺は自分の死体を見せてもらった。

顔はどうなっているか確認はできないが身体を強く打っている。

打撲ではない。

一通り確認が済むと俺はトールに向き直った。


「なあ、転生って生き返ることはできないのか?」

「ああ、それはできない。」

「そっか。」

「それでなのだが、君には転生を選んでほしいんだ。」

「なんでですか・・・?」

「ああ、ほとんどが転生を選ばなかったからだよ。まあ、さすがに説得はしてみたんだけどね。

どうやら、君の居た世界は辛いことばかりのようだ。おそらく、それが原因だろう。

異世界に行っても苦労することがあるというのは、目に見えていたらしい。それで、断られたよ。」

「そうなんですか…。」


確かに話を聞く限り間違っている節はないと思う。

現に犯罪とか、法律外の犯行、社会への不安、見えない未来、増えすぎた競争相手、窒息するほどの人間関係などさまざまな要因があるのは確かだ。

そして、不慮とはいえ死亡したので自殺願望云々ではなく、終わりを迎えることができたのだろう。

そして、先ほどから俺とトールが話しているようにちゃんと納得して消えてったのならば彼らもそれが本望だろう。

しかし、疑問がある。

確かに、そういった理由があるとはいえ大多数の人がそのまま死を受け入れるのはどこかおかしい。

無念だとは思わなかったのだろうか?


「なあ、本当に彼等は納得して死を選んだのか?」

「はい、それとこれを見てくれ。」


そういうとトールは、また映像を見せてくれた。

そこには、無残に横たわるスカイツリー、燃える街、液状化の被害を受けたとされる家々が順々に決まった時間ごとに流れて行った。

俺は、ただそれを見ていた。


「…なあ、これもお前のオーダーミスか?」

「いや、これはプロメテウスによるオーダーミスだよ。」

「そろいも揃って…。」

「ああ…そうだね。」

「なるほど…確かにこれなら死んだ方がいいかもな。」

「…そういうことだろう…しかし。」

「わかった、転生すればいいんだろう。」

「やってくれるのかい?」

「ああ、そっちの方がいいや。」

「そうか…なら、案内するよ。」


そういうと俺とトールの居た場所は急に虚無へと変わった。


「おい、なんだよ…いきなり。」

「はははっ、大丈夫だよ。君には祝福ギフトを贈るよ。


異世界っていうのも案外楽しいかもね。」


「いや、ちょっと待てって、まさかいきなりそっちへ行けとか?」

「ああ、もちろんだ。大丈夫だよ、君の行く世界は君の世界でのRPG系の世界だから。」

「いや、あの俺そういうのは…。」

「まあ、頑張ってくれたまえ。いや~、良かったよ。君にまだ希望があって。あそこに居た人達の中のラストナンバー。さようなら、そして、おめでとう。」

「待て、一つ質問が…。」

「なんだい?」

「俺は、そこへ行ったら何歳なんだ?」

「15歳だよ。転生とは行っても歳を君と同じに合わせないと君が壊れるからね。最後にもう一つ、君はこの先何回か死ぬことになるかもしれない。蘇生するにはタイムリミットがあるから気をつけて。」


そうトールは、言うと俺の目の前は真っ黒になった。

最後まで、電流が渦巻いているだけの形がわからない者だったが。

顔のようなものが見えた気がした。


「う~ん、ここは…。」

「やあ、気が付いたかい?」

「なんだ…トールか…なぜ黄色になっているんだ?」

「さあ、まあこの世界に来たからかな?」


っと、トールは言った。

とは言ってもそれがどういう風に言っているのかということは彼の声くらいしか情報が無いためぜんぜんわからない。


「はあ…ここが俺の転生先なのか…。」

「まあ、そうなるね。…私が君と話していられるのはもう少しだけだ。」

「なんでだ?」

「ああ、どうやらこの世界にいる神様と干渉するようだ。」

「はあ…そういうものなのか?」

「ああ、それぞれ領域があるからねえ。」

「そっか…あのさあ…俺はこれからどうすればいいんだ?」

「…君の自由だ。ああ、待ってくれまずは贈り物について説明するよ。」

「ああ、頼む。」

「そうだなあ…まずは今いる場所についてだ。ここは、街道から西に約150メートル離れた森の中だ。

そして、近くの街までは約5キロメートルほどの場所に今、私たちはいる。それじゃあ、まず君に贈った機能について説明するよ。最初は君の目に贈った物だ。とりあえず、そこにある木に目を向けてくれ。」

「こうか?」っと、おもむろに目を向けた。

「ああ、それで右のこめかみを触るといい。」


俺は、トールに言われた通りに右手でこめかみを押した。

すると、どうやらヘッドアップディスプレイのように何やらゲージのようなものが表示された。


「なんだ…これ?」

「ああ、どうやら正常に機能しているようだね。おそらく君には二本の線が見えているはずだ。一つは生命を表すもので、もう一つは魔力を表すものだ。」

「はあ…よく見ているよ…画面越しだけど。」

「そうだね、君には見慣れたものかもしれない。まあ、これが使えるのは君とあと何人かだけだけどね。まあ、もちろんゼロになったら死ぬよ。」

「ゼロになったら死ぬって…。」


おいおいおい、いくら何でもこれは…。

いくら表示がゲーム風だと言っても可愛らしいものじゃないじゃん。


「ああ、それで死亡から蘇生できるまで時間は場合によるけど上限は72時間で、


一部のアイテムや、魔法でなら蘇生できるから。」


「…そこは変わらないのか。」

「ああ、この世界はどうやら物好きな人が作ったらしいね。」

「…蘇生かあ…やりたくないな。」

「ああ、おすすめはしないよ。それと、あとは…ストレージって言った方がいいかな?


そういう、機能を贈ったよ。


使い方は君の世界のゲームと同じだけど使うには、コマンドを入力しなければならないから。」


「コマンド入力…んな面倒くさいシステムが…。」

「そうだねえ…でも覚えられるよ。手足のどの指でもいいから身体に10センチなぞると使えるよ。」

「…えらく簡単だな。」


実際、簡単だった。

最悪、指が一本あればこれは使えるようだし。

俺は、右手で左腕をなぞるとボックスが表示された。

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おそらくストックできる種類の数だろう。

というか絶対そうだ、これ!

中身を確認すると、寝間着が二つ、下着が上下5つずつ、短刀が一つ、槍が一つ、日本刀が一つ、サバイバルキットという名称のものが一つ、携帯食料100個、飲料水・・なぜかペットボトル型が500リットル、黒い外套が一つ、拳銃が一つ、アサルトライフルが一つ、機関銃が一艇、で、弾がそれぞれ拳銃の弾倉が50、ライフルの弾倉が50、機関銃が200連のものが30。


…どこに行くんだこれ?


あと、お金表記がそこには、有った。


「あのさあ・・・なんで中身がすでに入っているんだ?」

「ああ、私が入れたよ。おっと、所持金が足りなかったね。」


そういうと、表示された金額が100.001.000っとなった。


「…ありがとうございます。」

「ああ、あとそれを使っている時間は無敵状態だから。時間も無制限だよ。あっ、忘れ物!」


ボックスに回復薬、重症回復薬、属性付加薬がそれぞれ1000ずつ。

蘇生(単体)のアイテムが100個、蘇生(大多数)のアイテムが10個新たに増えた…。


「…こんなに、たくさん。」

「まあね、それと君が生きている間、毎日アイテムを支給するよ。さて、もう行かなきゃならない…ああ、支給品に手紙書いて入れておくよ。」

「これで、さよならなのか?」

「ああ、いや、そうではないけど…あと、今日は異世界初日ということで…。こういうやつだろ、ゲームの最初って…。」


そうトールは言うと、さらに俺のボックスにはアイテムが追加された。

白銀の鎧、黒鋼の鎧、雷神の槌、白炎の剣、草薙の鎌。

天啓者の石版、天啓者の杖、天啓者の旗、天啓者の刀。

必殺の槍、反逆の小刀、吸収の棺桶、戦神の双眼鏡、識者の辞典。

最後に・・・皇帝の爆弾。


いや、いくら何でも過剰すぎないか!


「…ああ、そうだね。」っと、俺は顔を少しひきつきながら笑った。


「それじゃあ、さようなら!」


そういうと、彼もしくは彼女…いや、トールはもういなかった。













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