もしかして私ってゾンビ?
少し遅くなりました。申し訳ありません。
ふと目が覚めた。
いや、覚めるはずがないのに覚めていた。
私はあの時死んだはずだ。
死んだ人間が生き返るなんてことはないだろう。
……いや、今の状況ならあり得る。
あいつらだって元はれっきとした生者だったんだろう。
だが今はあの調子だ。
あれを見ても生き返ったって感じはしないんだけど、まあ生き返っているんだろうね。
んで、今私は目が覚めた。
私はさっき死んだはずなのにだ。
つまり私は生き返ったっっぽい?
……てことは……
「な、何か……何か武器があれば……!」
「……あ、あれ?もしかして誠?」
なぜか目の前には慌てている誠がいる。
そして私は気づかないうちに立っていたらしい。
「み、実?本当に実か!?今、確かに喋ったよな!?」
「え?う、うん」
「実が……生き返った……!!」
どうやら私は本当にゾンビになってしまったらしい。
ゾンビになったら意識は無くなるはずだ。
でもなんで私は意識を保てているのだろう?
それはわからない……
でも、こうして生き返ってまた誠の姿を見れた事だけはとても嬉しい。
「なあ、実。そう言えばお前が死ぬ寸前に俺のことが好きって言ってたけど……本当なのか?」
ああー、あの事か。まあ私も色々と焦ってたしつい言っちゃった事なんだけどね。
「あそこで嘘を言う理由がないでしょ、本当だよ」
「そっか……じゃあ両思いってことか」
「……え?」
今、なんて言った?
聞き間違いかもしれないがすごいことを言われた気がする。
「まあ俺もお前のことが結構前から好きだったんだよ」
「本当に?」
「うん」
「まじで?」
「うん」
「……え、じゃあどうすればいいんだろう……?」
とっさに言われたので嬉しさより疑問が優ってしまった。私らしくないなあ。
「付き合えばいいと思うよ」
誠は照れくさそうにそう言う。
「そっか……じゃあ、ゾンビですが、よろしくお願いします」
「うん、こちらこそよろしく」
すごい自然な流れで付き合うことになってしまった。
「うーん……なんか視界に違和感を感じる……」
「どうした?やっぱりゾンビになってから色々と変わったりした?」
「だと思う。私がみて来た限り、ゾンビは視力が低そうだからその影響かも」
「視力が無いと不便じゃ無いか?」
「まだ平気なくらいだから大丈夫だよ」
私って生まれて来てから視力がほとんど最高の辺りだったから視力が低いってのは新鮮な気がする。
「ん?この割り箸折れないな……」
「どれどれ、貸してみ」
バキッ
「……あっ」
「割り箸が粉砕された……」
今の状況から分かる通り力が上がりすぎてしまった。これは女らしくない。調整が必要だなあ。
ゾンビになって便利になった事と不便になった事がたくさんありそう。これからいろいろなことを試して見なければならないとね。




