瑕疵覚え書き
これは解説などというおこがましいものではなくて、わたし自身のための覚書として残しておくものであって、ついでに投稿してしまおうという浅ましい行為でもあります。
【瑕疵或いは欠損】
それは己が己である限り抱える暗闇。日常にさえ重くのしかかる質量の塊。しかしそれこそが朝を待つ者。突然に訪れる光の矢となって、並び越える為の試みは報われる。それが大きければ大きい程に、重たければ重たい程に僅かでも超えた者の輝きは強い。その尊さは、多くの者の瑕疵より来る苦しみを癒やす。夜明けの純なる故である。
【高温の真白き何か】
体細胞内のミトコンドリアのように、反逆者は潜む。止む終えなき衝動のエナジーの源泉として。止められはしないのだ。己を越える試みを。己そのものが瑕疵であるのだから。命は欠損を含め生まれ、やがてそれに靡き死ぬ。この輪廻からの解放こそが我らの宿願。生きとし生ける全ての命の願いが人間に、この細胞の一つ一つに凝縮されている。
【彼の星】
引かれあう孤独と孤独は本当に放たれた者として出会う。乗り越えた大きさと重さはリセットされ忘れ去られる。そのとき手触りの全てから初めての恥じらいが伝わる。視覚はネオンの虹彩に満ち、耳は新しき世界のうねりを聞く。匂い立つ名前。己の実存の名。言霊の噴き上がる火口を持つ太陽と月を認める己の名を知る。
【元素】
かつてある重さを越える元素はなかった。ビッグバンよりそれは生まれた。そして119番目の元素へ。瑕疵欠損の超重量爆発より生まれるものへ。そのとき世界は再構成される。