表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤道  作者: につき
7/20

瑕疵覚え書き

これは解説などというおこがましいものではなくて、わたし自身のための覚書として残しておくものであって、ついでに投稿してしまおうという浅ましい行為でもあります。

【瑕疵或いは欠損】

それは己が己である限り抱える暗闇。日常にさえ重くのしかかる質量の塊。しかしそれこそが朝を待つ者。突然に訪れる光の矢となって、並び越える為の試みは報われる。それが大きければ大きい程に、重たければ重たい程に僅かでも超えた者の輝きは強い。その尊さは、多くの者の瑕疵より来る苦しみを癒やす。夜明けの純なる故である。


【高温の真白き何か】

体細胞内のミトコンドリアのように、反逆者は潜む。止む終えなき衝動のエナジーの源泉として。止められはしないのだ。己を越える試みを。己そのものが瑕疵であるのだから。命は欠損を含め生まれ、やがてそれに靡き死ぬ。この輪廻からの解放こそが我らの宿願。生きとし生ける全ての命の願いが人間に、この細胞の一つ一つに凝縮されている。


【彼の星】

引かれあう孤独と孤独は本当に放たれた者として出会う。乗り越えた大きさと重さはリセットされ忘れ去られる。そのとき手触りの全てから初めての恥じらいが伝わる。視覚はネオンの虹彩に満ち、耳は新しき世界のうねりを聞く。匂い立つ名前。己の実存の名。言霊の噴き上がる火口を持つ太陽と月を認める己の名を知る。


【元素】

かつてある重さを越える元素はなかった。ビッグバンよりそれは生まれた。そして119番目の元素へ。瑕疵欠損の超重量爆発より生まれるものへ。そのとき世界は再構成される。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ