瑕疵
それは瑕疵か
或いは欠損か
取り戻せない恒常であれ
尊厳を喪わないならば
上回るべきΩとなる
大いなるハンデよ
巨大なる壁より
その内で満ちていくもの
内面を超えるものは
内面でしか有り得ない
お前自身の輝ける何かが
海嘯となり豪炎となり溢れ出る時
その瑕疵は眩い夜明けとなる
欠損こそが美しい曉となる
潮位が上がっていく
高温の真白き何か
お前の細胞の全てに宿るもの
お前以外の世界への反逆者
誰も顧みることのない
ともすれば
お前すら気付くことのない戦いが
ざわりざわりと膨張していく
宇宙は未熟なる故に安定を求める
彼は常に内部より崩壊せしめる力と拮抗する
理を越え膨張となって反抗する慣性を
重力をしてがっしりと押さえ込む
我らを塞ぐもの
予測という諦めより
未来という絶望より
尊大なる暴力の恒星よりこの星を解き放て
慣性のままに光の速度に加速せよ
孤独はこれより始まる
己の質量のみを推進力として
そして
彼の星のコアとぶつかり合い砕け散る時
瑕疵と瑕疵は
欠損と欠損は
超質量の爆発となり
何者の胸の最深部にまでも沈む
かつてない重量を撒き散らす
瑕疵より新しき元素が生まれる時
その名を名付けよ
お前自身が名付けるその名こそ
真なるお前の全てから始まる名前だ!