病院で本当に怖いのは待つこと
一人で待つこと。それはちょっぴり寂しい。
病院で待つ。ひたすら待つ。もう何時間待つだろうか。一向に来る気配なし。誰を待っているか?それは親。
終わったら来るって言ってたのにこないこないこないこない。おっと、少し落ち着こう。もう2時間はすぎただろうか。
「1時間前」がるるるるるる。「これは、病気ですな。」医者が言った。ついでに僕の腹の番犬も言った。というか吠えた。「インフルエンザ流行ってるからね」医者が言った。「あちらの待合室でお待ちください」看護婦が言った。というか命令した。
僕としては医者に行く気は無かった。僕は極度のコミュ障だ。そのためここに来たく無かったのだ。
待合室で待った。これだけで30分かかっている。
「山本さーん」目があった。というか僕が目の前まで歩いた。できれば、名前呼ばない方法にしてほしい。
「診察室の方へどうぞ」と看護婦が言った。中に入った。
なんとも無かった。はいはいわかってましたよ。と心の中で言った。喉が痛いだけだすぐに治るのにインフルだと決めつけて親が連れてこさせた。車で送られて駐車場で秒ですぐに親は去って帰った。
「お会計とお薬お出し致しますので待合室の方でお待ちください」と言われた。ご丁寧に言われた。
お会計とお薬の引き渡しが終わって親が外にいるのか窓を覗いた。来てなかった。悲しいというか苦しい。まだあるのか難関が試練が。正直絶望だ。いつ来るのかわからない。終わりの見えない持久走だ。
こうなって来ると逆に楽しまないと絶望に飲まれることは知っていた。ので、病院の雑誌コーナーの雑誌を見た。
いきなり人気芸能人のゴシップ記事を読んでというか見てしまい気分がもっと悪くなった。
すると、窓ガラスから車の光が僕を照らした。色は赤。僕の乗っている車(家族の運転している車)はワゴン車の青色だった。期待して見たぶんもっと気持ちが悪くなった。吐きそうになって胃腸が痛くなった。
まだ患者はいるので腹に手をあてて偽物の顔をつくり我慢した。スマイルスマイル。痛くなってきた。
もう、来ないな。4時間たった今、見捨てられたと思い始めた。来ることがないと思い込んだ。一気にストレスが抜けた。
「もう来ない、裏切った。裏切りやがって。罠にハマった。糞糞糞があああああああああああ」
僕はまた診察室に入った。そしてもう二度と戻っては来れなくなった。そう家族が戻って来るのが早ければこんな風にはならなかったのに・・・・・・・・・。
「待たせたね」「うんん全然」相手への思いが大事ですね。