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自問自答の繰り返し【鬱っぽい&死ネタ】

作者: 細谷まり

心の中の二人の自分。ある日一人が僕に聞いた。

「君は何?」

分からない。僕はそう答えて爪を噛んだ。


ある日もう一人が僕に聞いた。

「あなたはあなたで良いところがいっぱいだよ」

ありがとう。僕はそう答えて痒くて仕方のないかさぶたを引っ掻いた。


またある日、最初の奴が聞いた。

「君に存在価値ってある?」

分からない。僕はそう答えて首を掻いた。


またある日、次の奴が聞いた。

「あなたという存在は、あなたしかいないから」

ありがとう。僕はそう答えて丈夫な紐を手に取った。


ある日、最初の奴が聞いた。

「君はなんで生きてるんだ?」

分からない。僕はそう答えて紐で輪っかを作った。


次の奴が聞いた。

「大切な人達がいるだろう?その人達の為に生きてくれ」

僕は何も答えないで紙に字を書き連ねた。


最初の奴が聞いた。

「苦しいか?死にたいか?」

僕はそっと頷いて輪っかを首にかけた。


次の奴が聞いた。

「本当に良いのかい?」

僕は足元の台を蹴飛ばした。


二人が言った。

「今までよく頑張ったね。お疲れ様」

「ようやく楽になれるな。おめでとう」

僕は静かに微笑み、急激に襲う眠気に誘われるまま、そっと目を閉じた。


最期に見たのは長年続いたいじめの証拠と、僕が最も憎むクラスメイトと担任の写真だった。

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