メイドと金づる
「いらっしゃいませ」にこやかな少女がそう声をかけてきた。肌は褐色で髪はピンクのロン毛。露出の高いメイド服を身に着けている。メイドカフェ?
「コラッ、いくるみ」「てへへ」
「おかえりなさい、またなの園子」もう一人のマスター風の女の子がそう先輩に声をかけた。
「今回は掘り出し物だと思うんだ。だって、"征服"大好き人間。ねっ?」
「はぁ、まぁ。なんというか」
「ほう」何か納得された!
「ささ、入った入った」
店内?のテーブル席をすすめられ、そこに着席する私と先輩。
「いらっしゃいませ〜」ピンク髪の娘がレモン水を2つ運んできた。
「この娘はいくるみちゃん」
「どうも、哲子です」「どうも〜」それだけ言うとあっさりと引き上げた。
「彼女もうちのアジトのメンバーだよ」
「はぁ、アルバイトですか?」
「いや、彼女は気が効くからいつの間にかあーなってた」趣味だった。
「どう?うちのアジトは」
「無駄に金かかってませんかね」宿題をするのに使えそうだ。
「お金ならあるゾ、あそこに居るみかかってのが金づるだ」先輩がひそひそとそう言うと。
「聞こえているぞ」みかかという男装の麗人がやって来た。
「うちは別に金持ちではないよ。商売をやっているだけだ」
「何の商売ですか?」
「AV屋」うわぁ〜。
「断じて、違うからなっっ」顔を真赤にして先輩の頭を叩きながらみかかさんはそう言った。どうやらAV東陽という名前の電器屋さんらしい。
「やらしい名前だろ」叩かれた頭をさすりながらそう言う。
「でも、彼女はAVと聞いても逃げ出す素振りも見せないんだな」
「そうね、もしかして援交してる人?」
「してません、してません」
「必死に否定するところが怪しい」どうすればいいんだろう。
「そんなことを言ったら先輩の方が」金髪だし。
「私は安くないわよ」
「売る気あるんだ」
「そんな訳で彼女がみかかさん」
「どんな訳だ」呆れたみかかさん。
「はい、おじゃましてます」
「おじゃまされてるよ〜」そう言ってみかかも帰って行った。