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ふかがわばすたーず2016  作者: ニートスズキ
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出会い

 入学式の日に東陽町駅のホームに降り立つ深川高校の生徒達。真新しい制服に身を包み今日から始まる高校生活に胸踊らせている。その中に一人だけ浮かない顔をした女子高生が居た。彼女の名前は哲子。彼女が浮かない顔をしている理由わけは数日前に遡る。


 「哲子、一生のお願いだ頼む」

 「え〜やだよぅ」実家で父親に土下座されていた。彼女の家は高田馬場でブルセラショップを営んでいる。ブルセラショップは女子高生から制服や体操着や下着を買い取りそれをマニア向けに販売するお店である。ところが規制が厳しくなり店の売上も減少。そこでオヤジは娘に土下座しているのだ。

 「哲子、新しい学校で友達に制服や体操着や下着を売りに来るようにお願いしてくれ」

 「そんなのありえないでしょう〜。何のために私が同じ中学出身者が居ない高校に行くと思ってるのよ」実家がブルセラショップだと知られたくない為だ。

 「そんなこと言うなよ〜哲子〜冷たいぞ〜」男泣きしながら哲子の脚にすがりつく父親。哲子はとても情けない気分になると同時に自分がなんとかしてやりたいとも思うのであった。

 「はいはい、一応それとなくちょっとだけこなかけてみるかもしれないわよ」お父ちゃんの表情がパッとささいでりあ〜。

 「絶対だぞ」

 「期待しないでよ」


 「はぁ」ため息をつきつつ、哲子は電車を降りて改札階へのエスカレーターへと向かう。

 「制服、制服」思わず口から出た哲子のセリフを聞きつけた少女が一人居た。

 「はぁい、そこの彼女」

 「え、わたし、ですか?」突然金髪のJKに声をかけられて哲子はやや狼狽する。

 「そう、君ね。何あなた征服に興味あるの?」うわっ、私ったら口に出しちゃってた?

 「まぁ、無いといえば嘘になりますね」リユース品を売りに来てもらいたいのだが。

 「うんうん、解る解る。征服は良いよね〜」そんな事を言いながら哲子の方に手をかける金髪JK。馴れ馴れしいんだ。

 「あの、ちょっと」

 「君、この後暇かい?」

 「いいえ、学校で入学式があるので」

 「あぁ、そっか〜。入学式は外せないよね〜。そうかそうか」何かを思案している。二人で自動改札を抜けると。

 「入学式は録画しておいてあげるから、私についてくるべし」

 「っていうか、あなたは何者?」同じ制服を着ているので、先輩?なのかしら。

 「おっと、失敬。私は園子。あなたと同じ深高の二年生ですよ」

 「哲子です。で、園子さんは私を何処に連れて行こうと?」

 「いいところー」怪しいのである。

 入学式当日、しかも学校にたどり着く前から変なのに絡まれてしまった。

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