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☆第二十七話 天狗の里での一幕

◇◇◇◇◇◇




 三途の川を越えたオレ達は一里程歩き、竹林へとやって来た。竹林は青々と育ち、遥か頭上には家らしき物が幾つも建ち並ぶ。そんな異様な光景に、オレはここが"天狗の里"だと直感的に悟った。

 風もないのに、オレ達が竹林に足を踏み入れた時から、強固に育った竹は慌ただしく揺れ動く。姿こそ見せないが、何者かに監視されているようだ。


「チッ! さっきからウザいな。オレ達は逃げも隠れもしない。そろそろ姿を現したらどうなんだ?」


 オレが声を張上げるも、そいつらは問いに答えることなくただただ監視するのみだ。


「タクマ、無視して行こう。私達にビビって姿を現さないのよ」


「そうだな。オレ達も有名になったってワケだ」


 オレとお雪はわざと聞こえるように、挑発にも似た言葉を発した。どうせ、戦闘になるのは目に見えている。こうした方が、手っ取り早いと考えての作戦だ。

 すると上空から鼻の長い妖怪が二体……竹林の陰から一体現れた。


「ケケケっ。大した自信だな。俺達を天狗三兄弟とわかっていての挑発か?」


「天狗三兄弟? 知らんな。田舎者に用はない。目障りだ、そこを退け!」


「ようよう、退けと言われて退ける奴がいるか? 兄上、喰っちまおうぜ!」


「まぁ、待てお前達。旅の者、弟達が失礼した。俺の名は土天狗(つちてんぐ)。そして、ここは天狗の里……お主らの来るような場所ではない」


「ほう……頭のキレる奴もいるんだな」


「貴様――っ!」


風天狗(かぜてんぐ)! 落ち着け。旅の者よ、何用でこの地に参られた? 三途の川を越えて来たとなれば、余程の事……」


「オレは、酒呑童子を倒しに来た。"勾玉"を手に入れる為にな」


「酒呑童子様を? 笑わせるな!」


火天狗(ひてんぐ)! 落ち着け。見苦しいぞ! 旅の者、度々申し訳ない。こやつらどうも血の気が多くて……。して、旅の者よ。酒呑童子様を倒しに参られたとは、まことか?」


「あぁ、廃屋病棟で倒した鬼童子が言っていたんだ。親玉の酒呑童子が、勾玉を持って天狗の里に行ったってな」


 オレがそう言うと、三体の天狗は何やら話し込んだ後、土天狗は告げた。


「その話、まことなら興味深い。旅の者よ、着いて参れ。案内する」


「兄上、こんな輩に」


「風天狗! この者達の言っていることがまことなら、我らの敵う相手ではない」


「くぅ……」


 風天狗と火天狗は土天狗の背後に着いた。怪しい雰囲気はあるが、ここは従うべきか、それとも……。

 躊躇するオレに、土天狗は言った。


「どうした? 着いて参られよ」


「タクマさん、どうするの? 罠かもしれないわ」


 川姫の言うことも強ち間違ってはいない。しかし、土地勘のないオレ達は、着いて行くのも一つの手だ。


 散々迷った挙げ句、オレは……




着いて行かなかったなら、『着いて行かない』へ



着いて行くなら、『着いて行く』へ





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