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ゲーム

 悪趣味なゲームを考案した神がいました。

 「なあ運神。」

 それは、天界でのこと。

 カラフルなチェックの模様の神着のチャラ神が、白衣の神に声をかけた。

 「何だよ、娯楽の神。」

 「ちょっと、おまえさんの力貸して欲しいんだ。」

 「又ろくでもない遊びを思いついたか?」

 「御名答。ま、俺にすれば超面白いゲームなんだけどな。」

 「ゲーム?何で、おまえのゲームなんかに俺の力がいるんだ?」

 「完全擬人化したロボットを数十体使うんだが、その各個体に個性を与えるんだ。」

 「個性?それは俺の仕事じゃねえな。」

 「それはもう手を打ってある。おまえに頼むのは、その個性とは別にそれぞれにある規則性の運を与えて欲しいんだ。」

 「何だそれは?」

 「53人それぞれに、カードの1枚を意味する力。与えられた1枚のカードで、その個体の運が左右されてしまうってゲームだ。」

 「53枚って、日本で云うトランプの13枚×4マークにジョーカーを加えてってことか?」

 「そういうこと。」

 「どういうゲームをやるんだ?」

 「何ラウンドかを戦わせて、総合点を争わせるんだ。各ラウンドごとに5人のグループを作らせて、5対5で戦い、勝った方全員に勝ち点を与えるんだ。」

 「5人の組み合わせが、強さを決めてしまうって訳か?」

 「そう、その通り。そんで、最後は各個人の点で順位を決定する。」

 「前向きな性格でも、手札が悪ければ絶対的不利になる。ロボットとはいえ、人の心を与えて真剣に戦わせる、擬人といえど人の心をもてあそぶ悪趣味なゲームだな。そのゲームの賭けに、一体何人の神々を誘う気だ?」 運神は、少し不愉快でもあった。

 「そう云うなよ。それなりの報酬はやるからさ。」

 「そういう問題じゃない。」 だが、そう云い返されるのは想定済の様で、

 「それに、おまえさんにもメリットあるだろ?」 娯楽の神は、にやりと笑った。

 人の幸せについて真面目に考える質の運神にとって、現実の人の運は実に無常なものだとつくづく感じる今日この頃。それを少しでも幸に繋げる為にはどうしたらよいか、日々悩んでいたのだ。本物の人でないもので実験して、その結果を現実に活かす。みすみす、神々の道楽に使われると分かっていても、

 「分かったよ。で、どういう法則でカードを配ればいいんだ?」

 「シャッフルだ。ゲームに相応しくな。そんで、これが名簿だ。」 そこには、57人分の名前が記載されていた。


 そして、神と悪魔と魑魅魍魎や妖怪の類までもがそのギャンブルに参加する、悪趣味なゲームが始まった。

 

 生まれた時に配られてた手札が弱ければ、先なんて知れてるって・・・という歌がありますが、果たしてどうなんでしょうね? お読み頂きまして、ありがとうございました。_(._.)_

 

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